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個人預金までマイナス金利になる?

執筆者: ginko 発行日付: 2016-2-3

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「長期金利が史上最低値を更新するなど金利低下局面が続いていますが、あなたの今年の金利見通しと運用方法は?」では・・・

1位:変わらない/定期預金で固定 35%
2位:変わらない/株式や投信、FX、外貨などで積極運用 21%
〃:低下する/定期預金で固定 21%
4位:変わらない/普通預金など期間の短い預金で様子見 7%
〃:低下する/普通預金など期間の短い預金で様子見 7%
〃:低下する/株式や投信、FX、外貨などで積極運用 7%

となりました。1位は「変わらない/定期預金で固定」ということですね。約4割の得票となっております。

ただこれは希望的観測だったようで・・・実際には皆さんもよくご存知のように、先週金曜には日銀が「マイナス金利」を発表しましたのでここから預金金利も低下していくのは必至ですね。残念なことです・・・。

皆さんの金利の見通しをまとめるとこういうことになります。

・上昇する : 0%
・変わらない : 64%
・低下する : 36%


残念ながら現実はより厳しいものとなりそうですが、ただ一方で「上昇する」という回答がゼロだったのは冷静な現状認識と言えそうです。アベノミクス発動当初は「これから金利が上昇する」と囃し立てた専門家が多くおられましたが、今は何を感じておられるのでしょうか。

それはともかく、とは言いつつより気になるのが、皆さんの今後の運用方針ですね。おそらくこれはマイナス金利の発表前後でそう変わらないと理解しておりますが、まとめるとこうなります。

1位:定期預金で固定 : 57%
2位:株式や投信、FX、外貨などで積極運用 : 29%
3位:普通預金など期間の短い預金で様子見 : 14%

意外と「普通預金など期間の短い預金で様子見」という方は少ないですね!1位は「定期預金で固定」となっておりまして、もはや諦めの境地であり、どうせ金利上昇は期待できないのだから金利水準には目をつむって定期預金にしてしまおう、ということなのかもしれませんね。

もしかすると本格的に預金金利が低下する前に「駆け込み」で定期預金に預けてしまおうという考え方もあるのかもしれませんが。

しかしそれ以上に目を惹くのが2位の「株式や投信、FX、外貨などで積極運用」という割合が結構高い点ですね!マイナス金利を始めとする金融緩和は「金利を低くして貸出を増やそう」という景気浮揚策の1つなわけですが、さらなる金利低下によって皮肉にも家計の「貯蓄から投資へ」という流れが強まるのであれば、それはそれで金融政策としては「アリ」ということなのでしょうね。

投資のタイミングとして、今が良い時期とはとても思えませんが・・・。

果たしてこのマイナス金利の発動によって個人預金も含めてマネーの流れがどうシフトしていくのか・・・注目ですね。全く他人事ではありません。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは2月27日まで。

〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1232

〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=998



 --- Ginkou ---

三菱UFJ銀、企業の普通預金に手数料

http://www.nikkei.com

三菱東京UFJ銀行は日銀のマイナス金利政策への対応として、大企業などの普通預金に口座手数料を導入することを検討する。手数料の水準によっては事実上のマイナス金利になる可能性がある。中小企業や個人に対しては定期預金の金利引き下げを検討し、口座手数料の導入は見送る。今後ほかのメガバンクも同様の取り組みで追随する可能性がある。

日銀が先週末に決定したマイナス金利政策は、民間金融機関がお金を日銀に預けた場合、その一部に2月16日から0.1%の金利を支払わなければいけない仕組みだ。

三菱東京UFJ銀行の預金残高は2015年12月末で128兆円超。好調な企業業績などを背景に年間6兆円のペースで増えており、日銀への預け入れを増やせば収益面で負担になるため、預金増加を抑える必要があると判断したようだ。

法人の大口顧客などの普通預金には口座手数料を課し、受け入れを抑制する。手数料の具体的な水準は今後詰めるが、預金での利子収入よりも手数料が高くなれば事実上のマイナス金利となる。個人や中小企業の預金は対象外とする。定期預金の金利は個人や中小企業も含め、市場金利の動向をみて低下させる方針だ。

※抜粋

〔 出典:日経新聞 〕

 --- Ginkou ---


すでに上記でも触れましたが、やはり銀行に関する情報を発信する当サイトとしては「マイナス金利」に触れないわけにはいきません。

まずそもそもマイナス金利とは何ぞや、ということですが、これは日銀の金融緩和策の1つで、金融機関が日銀に預けている当座預金の金利をマイナスにすることで、金融機関に対して「資金を日銀に預けるのではなく、貸出や投資に回せ」という圧力を与えるものです。

したがって市場金利や個人預金金利がダイレクトにマイナスになるものではない、という点を押さえておく必要があります。

これまでの金融緩和策は、第1段階としてオーソドックスな「金利引き下げ」を行い、第2段階として大量のマネーを投下する「量的緩和」を行ってきたわけですが、今度の「マイナス金利」によって金融緩和は第3段階に入ってきたということですね。

金利引き下げ」は金利が0%になったらお終いですが、「マイナス金利」はどこまでも下げていけますので、金融緩和の可能性を無限に広げたという点でも意味があると言えます。つまりは金融機関に対するプレッシャーをどこまでも高めていけるのですね。

先週金曜に速報でこのニュースに接した時は個人的にもなかなかの衝撃でしたが、ただ一方でその内容が分かると、衝撃よりも懸念の方が高まってきました。と言うのもあくまでこの「マイナス金利」というのは、「これから増える当座預金をマイナス金利にする」ということであり、これまでの残高のほとんどの部分には引き続きプラスの金利がつくからです。

つまり、メッセージ性はかなり強いものの、実態としては「ほとんど何も変わらない」ということであり、これから預金がどんどん増えていく状況ではないと思いますので、「実効性はどうなのかな?」と懸念されたわけです。

しかしそうした懸念は筆者の杞憂だったようで、発表以降、金融機関もメディアも、そして金融市場でさえも「マイナス金利一色」という状態ですね。その点では日銀は非常に上手にやったと言えそうです。実際の悪影響をほぼゼロに抑えた上で、円安・株高・金利安というメリットを享受したわけですからね。

うん、確かに上手い(笑)。

とは言いつつ、やや過剰反応という気もしますが、金融機関側でも急ピッチでこの「マイナス金利」対策が続けられており、上記記事の通り三菱東京UFJ銀行では「大企業などの普通預金に口座手数料を導入することを検討する」とのことですね。

ご案内したように現状の金融機関向けの日銀当座預金にはプラスの金利が維持されており、その上で顧客からも手数料を取るのであれば「両手取引」であり、「便乗値上げ」という気がしますが、その背景としては三菱東京UFJ銀行の預金が年間6兆円のペースで増えている、という点があるようです。

この部分がまるまるマイナス金利の対象になるのであれば年間60億円の負担ということですね。三菱東京UFJ銀行の多額の利益からすれば屁でもない金額ですが、しかしわざわざ不採算となる預金を集める必要はなく、一定の抑止力を設けようと思えば確かに口座手数料を導入するというのはアリなのでしょうねぇ。

となると預金者として気になるのがこうした実質的なマイナス金利が個人の預金金利に波及してくるのかどうか、という点ですね。

上記記事でも指摘されているように当面は「個人や中小企業の預金は対象外とする」ということですのでそれはなさそうです。大企業ならいざ知らず、個人ならマイナス金利となったらキャッシュを引き出してタンス預金にでもするでしょうからね。つまり容易に「取り付け騒ぎ」や「顧客流出」が起こるわけで、さすがにそうしたリスクは冒さないと思います。

まずは金利を限りなくゼロに近づけ、預金が集まりにくくする、というのが基本スタンスでしょうね。

仮にさらに「マイナス金利」のプレッシャーが強くなったとしても狙うところは大口預金でしょうから、たとえば

・1,000万円超の預金にマイナス金利をつける
・3,000万円以上の顧客から口座管理手数料を徴求する
・資産運用やローン取引をしない顧客には2,000万円以上の預金を認めない


といった施策が考えられます。つまりはおそらく庶民にはあまり影響が出ないのではないか?ということですね。

しかしそうなると「お金持ちほど冷遇」されるわけで、マイナス金利という概念自体がアベコベなわけですが、こうした顧客対応もアベコベになってくるということですね。

最近の円高傾向や資源安傾向によってインフレは後退気味ですが、もし仮に世界経済全体が失速するとなるとデフレに戻るのは必至な気がします。そうなってくればこのマイナス金利はさらに強化されるわけで・・・アベコベな世界がどこまで広がっていくのか気になるところではあります。

怖いもの見たさという面もないではないですが。

さすがに住宅ローンを借りたら利息を支払うのではなく利息をもらえる、というアベコベなことは起こらないと思いますが。

ということで今回の読者アンケートは、「新たな金融緩和策としてマイナス金利が発表されましたが、これはあくまで日銀の金融機関に対する施策です。このマイナス金利は個人の預金金利まで波及すると思う?波及した場合の対策は?」でいきましょう。投票は3月3日まで。

■新たな金融緩和策としてマイナス金利が発表されましたが、これはあくまで日銀の金融機関に対する施策です。このマイナス金利は個人の預金金利まで波及すると思う?波及した場合の対策は?(3月3日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1234




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