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実況中継!自腹で資産運用~前月比-0万円

執筆者: ginko 発行日付: 2017-06-19

このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、11年3ヶ月目となります。

実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。

<1.運用方針>

1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、2015年から2016年にかけての株価下落を背景に「積極的な手仕舞い」モードに移り、現時点ではほぼ手仕舞い完了です。

<2.計算方法>

1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。

<3.現在の運用割合>



現在の運用割合ですが・・・ついに投資資産のかなりの部分を売却し、9割超普通預金となりました!

国内外の債券日本株先進国株新興国株海外REITもたたき売り、残る投資資産は国内REITだけとなっております。さっぱりしてしまいましたね・・・。

売却については2016年春先の株価下落に対して過剰反応してしまった気もしなくはないですが、吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る、です。

<4.運用実績>



まずは運用実績の前月との比較です。今月は約-0万円というか、-4千円ですね。わずかにマイナスです。

つまりは残った唯一の投資資産である国内REITが下落したということですが、すでにほとんどのリスク資産を売却してしまった今となってはプラスであってもマイナスであってもその金額は誤差の範囲内です・・・。

次に当ポートフォリオの通算成績はこのようになっています。



通算成績としては、ほとんどのリスク資産を売却してしまったこともあり、当面は海外債券/先進国海外債券/新興国国内REIT国内株式/高配当株海外株式/高配当株海外株式/中国海外株式/アジアの黒字が確定、ということになります。

逆に言えば海外REIT国内株式/新興市場海外株式/ロシア・東欧海外株式/ブラジル海外株式/インドの赤字もまた当面確定ということになります。

そうしたわけで「7勝5敗」という全体成績もまた当面はこのままですね。



全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約73万円となっています。こちらも当面はこのままということです。

目標としては毎年25万円の利益ということなので、丸11年となる今年4月の目標は「275万円の黒字」が必要だったわけですが・・・重い「宿題」となりそうです。

先は長いですが、どこかのタイミングで投資を本格的に再開していく中でこの目標値をクリアしたいものです。

<5.今月の追加投資/売却>

さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきたいと思います。まず株式相場を眺めてみるとこうなっています。

■日経平均



■アメリカ株(S&P500)



■先進国株(円建て)



毎回書いているうように、日経平均も、アメリカ株も、円建ての先進国株価もどれも昨年の11月以降ハッキリと上昇してきました。その理由はもちろんアメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利し、そのトランプノミクスに対する期待が膨らんだからですね。公約になっていた「大規模な減税」や「大規模な公共投資」に対する期待です。

ただ実際にトランプ政権が始まってみると、そうした期待の一方、様々な問題が頻発しています。シリアや北朝鮮での地政学リスクも深刻化しましたし、最近では「ロシア・ゲート」も大きなスキャンダルになっています。共和党内からも公然と批判の声が上がっていますからね。

トランプ氏当選後の「トランプラリー」では、株高・ドル高・金利高の「トリプル高」が鮮明だったわけですが、では2つ目の「ドル高」と3つ目の「金利高」がどうなっているかと言うとこうなっています。

■ドル円相場



まずドル円については昨年12月にピークをつけた後、じわじわ円高ドル安に向かっていることが分かります。

■アメリカ長期金利



次にアメリカの長期金利も3月にピークをつけた後、これまたじわじわ低下しているということですね!要するにトリプル高となったトランプラリーはすでに転機を迎えているということです。

逆に言えば、米ドルも米金利も下がっているのに米株だけ上昇を続けているのは矛盾している気もしなくはないですが、仮に矛盾していないのだとすると、もはやこの米株上昇は「トランプラリーではない」ということなのでしょうね。つまりトランプ期待で上昇しているのではなく、別の理由で上昇している、ということです。

その理由を推測すると以下のような点が考えられます。

1.アメリカや世界の実体経済が好調だから

2.アメリカの中央銀行であるFRBの利上げが緩やかであると予想されているから

3.フランスの議会選挙でマクロン新党が大勝したり、イギリスの議会選挙で保守党が議席を減らすなど、先進国でのナショナリズムの連鎖が止まりつつあるから

いかがでしょう?

ただ1と3は「株高」の理由になっても、「ドル安・金利安」の理由にはなりません。

とすると2の、FRBの利上げに対する警戒感が後退していることが大きいのかもしれませんね。

実際、アメリカの金利と「逆相関」の関係にある新興国の株価も上昇基調にあり、辻褄は合います。

■新興国株(円建て)



もちろん、今の株高は単なる「誤作動」であり、早晩ドルや金利と同様低下に転じる可能性はゼロではありませんが・・・。

なおこうした世界的な株高の動きに完全に乗り遅れてしまった筆者でありますが(汗)、このタイミングで投資を再開するかと言えば今のところそれは考えてはおりません。

と言うのも中長期的な投資リスクを考えると、いつもご案内しているように数年以内に世界的なリセッション=景気後退が到来する可能性があるからですね。

これまで概ね10年に一度繰り返されてきた世界的な金融危機を思い出せば、リーマンショックから10年後の2018年というのは大きな心理的な節目となります。

もちろんそれは根拠のないアノマリーではあるのですが、そうでなくても2009年から続く今の景気回復局面は長すぎますし、仮にそのような危機が勃発すれば、大幅な「円高株安」局面となるのは間違いありません。要するにリーマンショックの再現ですね。

そして、そうした「円高株安」局面こそ「本当の、そして絶好の投資機会」と言えます。

投資機会をただただじっと待つというのはそれはそれでストレスを感じなくもないですが、もちろん大切なのはストレスの有無などではなく着実・堅実な運用リターンです。

フォローの風が強く吹くことをのんびり待ち続けたいと思います。

しかし、株価下落局面では投資を続け、株価上昇局面では投資を控えないといけないのだとすれば、心理的には常に「不安な選択」を強いられるわけで、投資とは「いつもストレスとの戦い」と言えそうです。ストレスに見合うリターンを得たいものです。

<6.他ファンドとの比較>

筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。

3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)

グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)

そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが、グロソブがピンクです。



当サイトのポートフォリオは残念ながら今月も2位となってしまいました。これもまた耐えなければいけないストレスの1つなのかもしれません・・・。

では次回も来月のこの頃に更新予定です。

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