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26年ぶり高値!日本株に投資したい?したくない?

執筆者: ginko 発行日付: 2017-11-8

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「いまだに日本は財政破綻しないと信じているエコノミストもいるようですが、日本はこのままいけば財政破綻すると思う?しないと思う?」では・・・

1位:このままいけば財政破綻すると思う。 64%
2位:このままいっても財政破綻しないと思う。 36%

となりました。1位は「このままいけば財政破綻すると思う。」 で、約6割ですね。

ただ個人的には約4割の方が「このままいっても財政破綻しないと思う。」と答えていることの方が印象的です。一体どういうロジックなのでしょうか・・・。

というわけで久しぶりに日本の財政状況についてチェックしてみたいと思います。過去の記憶では税収が45兆円くらいで、歳出が90兆円くらい。単純計算で年間45兆円くらい借金に頼っている計算だったと思います。では2017年度予算がどうなっているかと言うと・・・

・歳入:97兆円

税収など:63兆円
借金:34兆円

・歳出:97兆円

基礎経費:74兆円
借金:24兆円

知らない間に結構改善されていますね!63兆円の収入に対して74兆円の出費ですからマイナスは11兆円ということですね。借金の方も新規が34兆円、返済が24兆円ですので同額増えていることが分かります。

なら安心・・・というわけにはもちろん行きません。借金はまだまだ増え続けているわけですし、仮についにプラスになったとしてもすでに1,093兆円ある国と地方の長期債務残高を勘案すれば、完済までに「プラス1兆円でも1,000年」「プラス10兆円でも100年」かかる計算です。

加えて今は世界的な好景気のもと、日本経済が「かなり好調である」点も割り引く必要があります。つまり今のような税収が続く可能性は低いということですね。

とすると財政健全化の試みは急務と言えます。会社もそうですが業績好調の時の方が改革はしやすいですしね。具体的にこの「マイナス11兆円のギャップ」を埋めようとすると基本的に方法は2つです。

・増税するか

・歳出削減するか

ですね。ただ増税は抵抗が強いとすると、基本はやはり「歳出削減」ということになるのでしょうか。歳出の大部分を社会保障が占めているのであれば

・医療費の自己負担率のアップ

・年金支給開始年齢の引き上げ

・年金支給額に収入条件を設ける

と言ったことが柱になってくるかと思います。要するに「本当に必要な人に本当に必要な金額だけを支給する」ということですね。

また相続税の更なるアップもあり得ると思います。先に死んだ人がまだ生きている人を助けるという点では「互助」という考え方もできますし、格差の解消にもつながります。やや社会主義的な思想ではありますが・・・。

いずれにしても政府に求めたいのは、国民に対してしっかり選択肢を見せるということですね。つまり

財政のマイナスを解消しようと思うと、増税主体でいくならこう、歳出削減主体でいくならこうですが、どちらが良いですか?

という問いです。そうやって初めて国民にも主体性が生まれるのではないでしょうか。改憲のための国民投票より、こちらの「国民投票」の方がもっと大切ですね・・・。

加えて忘れてはいけないのは、「増税も歳出削減も嫌なら、もっともっと消費する」という第3の選択肢もあるということですね。

深刻な財政問題を直視し、建設的な議論が広まることを期待したいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは12月1日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=225

〔前回のコラム〕
日本の財政破綻は考えられない?


 --- Ginkou ---

日本株高 3つの追い風 企業業績 世界景気 緩和継続 先行き強気広がる
https://www.nikkei.com/


日本株の上昇が加速している。7日の東京株式市場で日経平均株価が1996年6月につけたバブル崩壊後の高値(2万2666円)を超え、25年10カ月ぶりの水準を回復した。歴史的な株高の背景には好調な企業業績に加え、世界同時好況、金融緩和の継続という3つの要因がある。これら追い風は当面続くとの見方から海外マネーが割安な日本株に流入。市場関係者の間でも先行きに強気の見方が広がっている。

今回の株高のきっかけをつくったのは、足元で発表が相次ぐ上場企業の好決算ラッシュだ。大和証券によれば、主要200社ですでに決算発表を終えた約3分の2の企業の集計で4~9月期の経常利益が従来予想から13%上振れしたという。一方、通期予想は4%の上方修正にとどまる。大和証券グループ本社の中田誠司社長は「さらに上方修正が続けば、日経平均2万4000円もみえてくる」という。

2つ目の追い風が拡大続く世界景気だ。Markitが公表した9月の世界主要国の景況感指数(PMI)は長期データが取得可能な24カ国すべてで景気拡大を示す50を上回った。東海東京調査センターの平川昇二執行役員は「世界景気がシンクロする中で、景気敏感の性格が強い日本株に資金が向かった」と話す。

景気拡大時には中央銀行は通常、インフレを抑えるために金融政策を引き締め方向に動かす。だが欧米ともに金融緩和の縮小は緩やかなペースになる見通しだ。米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたジェローム・パウエル氏は低金利派の代表格。世界の投資家は「米国は利上げを急がず、世界の株式市場はカネ余りと景気拡大が両立する『適温相場』が続く」(アセットマネジメントOneの鴨下健ファンドマネジャー)との見方を強めている。

米欧が08年のリーマン・ショック直後から続けてきた金融緩和の出口に向かっているのに対し、日銀は緩和策を継続。海外との金融政策の方向の違いが、海外勢を日本株市場に引きつける。9月末以降の日経平均の上昇率は12%を超え、世界主要市場の中で群を抜く。

ただ一本調子の上昇では相場には過熱感も強まっている。野村ホールディングスの永井浩二グループ最高経営責任者は今後も相場上昇がつづく条件として「政府の少子化問題への対応や財政再建の道筋が明らかになること」を挙げている。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

日経平均株価が上昇していますね!気が付けば2万3,000円近くまで回復し、何と約26年ぶりの水準ということです。おそらく、「そこまで上昇した」ということより「回復までに26年かかった」ということの方がニュースなのでしょうけれど。世界を探してもここまで長期的に低迷した株価というのはなかなか無いのではないでしょうか?

というわけで日経平均の長期グラフをチェックするとこうなっています。



確かに96年の最高値を超え、その次は92年前後の水準ということですね。素晴らしい。

ただ気になるのは株価収益率=PERですね。つまり、企業収益に対して株価が上昇しすぎると「割高」ということになります。今朝のニュースでは予想PERは15倍という話もありましたが、いつもチェックしているキャピタルパートナーズ社の予想PERは19.64倍となっており・・・「ほぼ割高」と言える水準です。

まさに信号が黄色から赤に変わる瞬間であり、ここから信号を渡るのは・・・危険ですよね、やっぱり。

と個人的にはすでに結論が出てしまいましたが、もう少し今回の株高の継続性を探ってみると、まず気になる株価上昇の要因は上記記事では以下3つと指摘されています。

・好調な日本企業の業績

・好調な世界景気

・世界的な緩和継続見通し

もちろんその通りなのでしょうけれど、このタイミングでの上昇はやはり、

・10月の衆院選での与党大勝

がキッカケになっているのではないかと思います。

ではそれぞれ、その継続性を見ていきましょう。まず1つ目・2つ目はリンクしていると思いますが、「好調な世界景気と好調な日本企業の業績は続くのかどうか」ということです。

今回の「世界的な好景気」は2008年のリーマンショック直後の2009年ごろから始まっていると思いますが、すでに9年近くが経過していることになります。平均4年ともいわれる景気拡大期間からすると明らかに「長すぎ」ですね。それだけリーマンショックの「」が深かったとも言えますが、時期的にはいつ景気後退期に入ってもおかしくありません

それが半年後なのか1年後なのか2年後なのか、それとも明日なのか誰にも分かりませんが、いずれにしてもこのまま景気拡大が続くことはない、と考えてよいと思います。

3つ目の「世界的な金融緩和姿勢が続くのかどうか」という点ですが、これは逆に「続く」ということでよいのでしょうね。アメリカもヨーロッパもインフレ率は低いままですし、日本においてもコアのインフレ率はいまだ0%近辺です。ビジネスマンであるトランプ大統領も低金利はウェルカムでしょうから、やはりこうした流れは続くものと思います。

4つ目の「安倍政権への期待が続くかどうか」という点ですが、これはおそらく・・・あまり続かないのでしょうね。その点では今の相場は「ご祝儀相場」と言えるのかもしれません。もちろん野党が勝って「決められない政治」に戻る可能性があったことを踏まえれば金融業界にとっては「安倍一強」の方がはるかにうれしいのでしょうけれど。

というわけで今回の株価上昇要因を4つとすると、3対1で「株価上昇は続かない」という結論になりそうですがいかがでしょうか?

ただ繰り返しになりますが、仮に今後本格的な景気後退期を迎えるとしても、それがいつになるのか誰にも分かりません

その点ではこの上昇相場にあえて挑むという投資判断もあるのかもしれませんが、時期的にも、そして株価収益率的にも「信号が黄色から赤に変わる瞬間」 であることを踏まえ、「短期決戦」というスタンスで臨んでいただければと思います。

では今回の読者アンケートは、「日経平均は2万3,000円に迫り約26年ぶりの水準ということですが、今、日本株に投資したい?したくない?」でいきましょう。投票は12月8日まで。

■【読者アンケート】日経平均は2万3,000円に迫り約26年ぶりの水準ということですが、今、日本株に投資したい?したくない?(12月8日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=230



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