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シェアハウス「かぼちゃの馬車」投資問題、誰が悪い?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-2-28

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「今年4月で任期が終わる黒田日銀総裁の続投がほぼ確実な状態となっていますが、あなたは黒田氏続投に賛成?反対?」では・・・

1位:賛成 75%
2位:わからない、どちらとも言えない 25%

となりました。1位は「賛成」で約8割です。意外と「反対票」は1つも入っていないですね。

早期の金利引き上げを望むのであれば黒田氏以外の人選が良いわけですが、それでも読者の方々が黒田氏続投を支持する理由はこういったものでしょうか。

・名前が取り沙汰された、超リフレ派の本田氏よりはマシ。

・異次元緩和によって円安・株高が実現された。

・金利が根本的に上昇するためにはインフレ経済に転換する必要があり、インフレ実現→金利上昇という正面突破を期待している。

筆者は先週も述べましたが、少なくとも「デフレではない」状態に導いた実績を踏まえれば続投で良かったのではないかと思います。財政健全化への気配りを忘れない点も好印象です。

メディアを斜め読みする限りにおいても的を射た批判というのは見当たりませんでした。

ただそうは言いつつ黒田日銀が、次の任期である後5年でインフレ目標2%を達成できるかと問われると・・・難しいでしょうね。食品やエネルギー価格を除いた「コア」のインフレ率は、異次元緩和開始から5年経っても「+0.4%」と低いままです。過去3年で見てもこうなっています。

・2015年:+1.4%
・2016年:+0.6%
・2017年:+0.1%

2015年が高水準なのは消費税増税の影響でしょうね。つまり一時的な上昇ということです。5年かけても大きく上昇していないインフレ率が、もうあと5年で大きく上昇するとは思えません。とすると残念ながら超・低金利はまだまだ続くわけで・・・預金者としてはその前提で運用を検討した方が良さそうです。

なお当然のことながら、現状の「インフレ率+0.4%、預金金利+0%」と仮に「インフレ率+2.0%、預金金利+1.5%」とを比べれば、預金者としては前者の方が良いのは間違いありません。いくら預金金利が高くても、それ以上にインフレ率が高ければ、預金がどんどん目減りしていくという点は忘れてはいけないですね。

その点では意外と「異次元緩和前」の「インフレ率-0.5%、預金金利+0%」といったデフレ状態の方が預金者としては都合がよかったと言えそうです。景気や株価など、日本経済全体にとってはやはり多少のインフレ状態の方が「元気が出る」ということではあるのでしょうけれど。デフレだと基本的に右肩下がりとなりますからね。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは3月21日まで。

〔投票〕http://www.ginkou.info/enquete/?p=319

〔前回のコラム〕
黒田日銀総裁、続投に賛成?反対?


 --- Ginkou ---

スルガ銀、一時返済猶予 シェアハウス所有者に
https://www.nikkei.com


女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資を巡るトラブルで、大半の所有者に物件の取得資金を貸していたスルガ銀行が一時的に返済を猶予することがわかった。返済原資となる運営会社からの家賃の支払いが止まり、返済が滞る所有者が相次いでいるためだ。スルガ銀は自行の融資の妥当性を調べており、少なくとも調査中は事実上返済を猶予する考えだ。

所有者は投資目的でスマートデイズ(旧スマートライフ、東京・中央)が運営するシェアハウスをスルガ銀からの融資で建設。スマート社が物件を一括借り上げしたうえで女子学生らに転貸する。所有者に一定の家賃を保証する「サブリース」と呼ぶ方式で、副収入を得たい30~50歳の会社員らを取り込んでいた。

ただ十分な入居者を確保できていない物件も多く、1月にはスマート社から約700人いる所有者への賃借料の支払いが止まった。サブリースは約束した家賃収入を返済原資にする仕組みで、前提となる家賃が支払われなくなり、スルガ銀への返済が滞る所有者が続出しているとみられる。

一方、スマート社の被害者の会は27日、横浜市内のスルガ銀支店を訪ね、76人分の「返済停止通知書」を同行に提出した。返済の前提条件が崩れたため、返済を止めるという。

弁護士によると、順調に入居者を確保して満室になっても毎月の返済資金に足りない事例も含まれるという。このままでは十分な家賃収入を得られないままスルガ銀への借金だけが残る。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

前回の話題と少し被りますが、異次元緩和による「低金利&カネ余り」で、局所局所ではミニバブルと言えるような動きが出ています。ビットコインの高騰などはその良い例ですが、それ以外にも注目を集めているのが不動産投資ではないでしょうか?投資用マンションや投資用アパート、あるいは自宅に賃貸用の部屋を作る、といったケースです。

これまで何度もこうした不動産投資ブームが起きましたが、80年代のバブル崩壊後は多くの投資家が不動産価格と賃料の劇的な低下で多額の損失を出しましたし、2008年のリーマンショック時には真っ先に投資用不動産の販売・開発会社がバタバタと倒産していったことは何とも皮肉に映ったものでした。

実際、「金持ちが大家さんになる」事例はたくさん見てきましたが、「大家さんから金持ちになる」事例はほとんど全く知りません。もし不動産投資がそんなに簡単に儲かるなら、世の不動産屋はすべて大金持ちなはずですからね。

というわけで筆者は不動産投資には懐疑的ですし、特に「借金をしての不動産投資」には断固反対です。もし借金をしても確実に儲かる物件なら、所有者が絶対手放しません。世の中にうまい話はないのです。

そうした魑魅魍魎とした不動産投資の中で、これまでとは別の切り口で投資を募っていたのがスマートデイズ社が提供していた女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資です。入居者向けサイトではこのような紹介となっています。



なかなか・・・良さそうですね!そもそも「女性専用」というコンセプトも差別化できていて良いと思いますし、

・家賃2万円~
・家具家電付
・水道、ネット無料
・完全個室

といった点も素敵です。「ネットカフェ難民」が社会問題となっていますが、ネットカフェの場合は月5~6万円くらいはかかると思うので、それを考えればこうしたシェアハウスを利用する方が良さそうです。

悪質な投資詐欺の場合は、お金を集めるだけ集めて運用はほぼしていないことが多いですが、こちらの場合はしっかりしたサービスがありそうなので投資家としても安心して投資できそう・・・だったわけですが。

実際には上記記事にあるように、投資家として同社シェアハウスオーナーになった方々への賃料支払いが止まり、同社としても投資家としても破綻の危機を迎えているということですね。あらら・・・。

同社はオーナーに対して一定期間の賃料支払いを確約していたわけですが、入居者が想定を下回り、約束の賃料を払えなくなった、というのが真相のようです。

その点では一番悪いのはスマートデイズ社であって最も大きな問題は以下3点です。

・払えない賃料保証を示し投資を促した。

・入居率が想定に届かない実態を隠していた。

・同社の苦しい台所事情を隠していた。

騙して、嘘をついていたわけです。最悪ですね。

もちろん投資家にも自己責任があるのは間違いありませんが、ただ嘘をつかれてしまうとそれを見破るのは難しいですね。実際、不動産投資を促す会社の広告を見ると、そのほとんどのケースで入居率が99%!とか98%!と言ったほとんどあり得ない水準を喧伝しています。

とすると、同社が高い入居率を示していても納得してしまいそうです。

さらに世の中ではこうしたシェアハウスや民泊が注目されており、「良い話」は聞く一方で、まだまだ歴史が浅いことからその運営実態が報道されることは少ないです。その点でも投資家を責めるのは酷な気がします。

もし責めるべき点があるとすれば、スマートデイズ社が投資家への融資をあっせんする際に、銀行に対して収入や預金残高を虚偽申告していたと報道されています。そうした虚偽申告の事実を投資家がどこまで把握していたかはポイントとなるでしょうね。仮に投資家も知っていたとすれば一気に心象は悪くなります。

他方でこうした案件に多額の資金を貸し付けたスルガ銀行の責任はどうなのでしょうか?

こちらも嘘をつかれていたわけですから被害者であるのは間違いありません。

ただ上記のような虚偽申告が正しいかどうか、投資家本人や別の書類、預金通帳の原本で確認するなど検証するチャンスはあったと思いますし、銀行であればスマートデイズ社自身の経営状況も把握できたのではないかと思います。その点では「一定の責任がある」のは間違いないのでしょうね。

また支店によっては「シェアハウス投資セミナー」などを開催し、積極的にセールスしていたようですので、だとすると「共犯」の色合いも濃くなっていきます。

これらの点を踏まえれば、「誰が悪いのか?」という質問に対する回答は人によって分かれてきそうですね。

いずれにしても責任の大小はともかくとして、投資家の方々が多少なりとも救済されることを祈りたいと思います。

しかし、サービス内容としては悪くなさそうな「かぼちゃの馬車」ですが、どこで歯車が狂ってしまったのでしょうね?

そうした真相も明らかになることを期待したいと思います。

というわけで今回の読者アンケートは、「スマートデイズ社の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に投資したオーナー700人への保証賃料の支払いが止まり、同社・投資家・融資を主導したスルガ銀行それぞれが危機に直面していますが、悪いのは誰と思う?」でいきましょう。投票は3月28日まで。

■【読者アンケート】スマートデイズ社の女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に投資したオーナー700人への保証賃料の支払いが止まり、同社・投資家・融資を主導したスルガ銀行それぞれが危機に直面していますが、悪いのは誰と思う?(3月28日まで)
http://www.ginkou.info/enquete/?p=323



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