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シェアハウス問題。スルガ銀行の何が悪い?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-5-16

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「三菱UFJ銀行は今後5年で店舗網を半減させる計画のようですが、困る?困らない?」では・・・

1位:困らない 64%
2位:困る 21%
3位:どちらとも言えない 14%

となりました。1位は「困らない」というつれない回答で約6割ですね。

ただ一方で困るという方も2割いて、無視できない割合となっています。まぁ、相応のコスト削減が図れるのであれば無視するのでしょうけれど・・・。

いずれにしても今後、どんどん銀行の個人客の利便性が削られていく可能性については十分ご配慮いただければと思います。

そうした動きに対してあえて疑問点を感じるとすれば2つです。1つ目はその三菱UFJ銀行を中心にメガバンクの業績は好調だということですね。

今朝の報道にもあったように、メガバンクの2018年3月期決算は4期ぶりに増益となりました。三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友信託の5グループ合わせた純利益は2兆6,908億円に上ります。前のめりに個人業務を切り捨てる必要があるようには思えません。

2つ目は現在の個人業務の収益低迷は主にマイナス金利政策などに伴う運用環境の悪化ですが、では将来、インフレ率が上昇し、金融緩和が縮小し、金利が上昇し、個人業務の損益が改善すれば、再び個人業務に注力するのか?という点です。

もしそのつもりなら、個人業務をやはりもう少し長期的な視点で考えるべきですね。

リーマンショック直後の金融市場が機能マヒに陥った時には、各銀行が慌てて預金金利を引き上げて、預金確保に動いたのを覚えています。つまり個人預金は銀行から見ればセーフティネットの意味付けもあるわけで、その点でも短視眼的なリストラというのはどうなのかなぁと思ってしまいますね。

逆に預金者の観点から言えば、自分と長期的な関係を望む銀行を選ぶべきということになります。付き合う銀行はしっかり選んでいきましょう。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは6月9日まで。

〔投票〕http://www.ginkou.info/enquete/?p=373

〔前回のコラム〕
三菱UFJ銀行が店舗数を半減!


 --- Ginkou ---

(社説)スルガ銀行 融資不正の実態究明を
https://www.asahi.com


地方銀行のスルガ銀行(本店・静岡県沼津市)の融資をめぐり、大規模な不正行為が明らかになった。第三者委員会を設けて調査するという。問題の全容を徹底的に究明し、責任の所在を明確にしなければならない。

シェアハウス用の不動産ローンが不正の舞台になった。借り手の資金力を示す預金通帳の写しなどが改ざんされたり、売買金額が水増しされたりしていた。うたい文句通りの賃料収入を得られず、借金返済が難しくなった借り手側は、販売業者や仲介業者が改ざんにかかわったとみて、刑事責任の追及を検討している。

行内調査の結果によれば、多数の行員が不正の存在を知っていた可能性がある。融資に難色を示した審査部担当者を、営業部門の幹部が恫喝(どうかつ)することもあったという。シェアハウス関連融資約2千億円に対し、焦げ付きに備える引き当てなどの与信費用は、382億円に達した。

顧客利益の保護、融資のリスク管理の両面において、信用の根幹を揺るがす失態だ。高い公共性が求められる銀行として、適格性が疑われかねない。

シェアハウス融資はそもそも顧客の利益になるものだったのか。不正はなぜ広がったのか。役員や管理職は関わっていなかったのか。解明すべき点は多い。問題発覚後も公的な説明を怠ってきた情報開示に後ろ向きな姿勢も、改める必要がある。

地方銀行の経営は、低金利や地域経済の伸び悩みで行き詰まる傾向にある。その中で、スルガ銀は突出して高い利益率を示していた。他行が取り組まないようなタイプの個人ローンを積極的に展開していたとされる。

一定のリスクをとりつつ、新しいビジネスモデルを開拓すること自体は評価できる。だが、収益追求を優先するあまり、順法意識や審査体制がないがしろにされていたのでは本末転倒だ。基本ルールを無視したビジネスは持続できない。

金融庁は、先月からの立ち入り検査を徹底し、必要であれば厳正な処分を行うべきだ。

低金利や地価上昇への期待が長引く中で、不動産融資をめぐるグレーな取引が増えるのは、前回のバブルの教訓でもある。金融当局は十分注視することが必要だ。投資家側も、リスクの認識を怠ってはならない。

※抜粋

〔 出典:朝日新聞 〕

 --- Ginkou ---

シェアハウス「かぼちゃの馬車」の破たん問題が尾を引いていますね。運営会社であるスマートデイズ社はついに破産手続きに入ったようです。ここ数年、注目され続けてきたシェアハウスですが、あっという間に曲がり角を迎えてしまいました。

かぼちゃの馬車」は本来の意味でのシェアハウスではないという指摘もありますが・・・。

それはともかく運営会社は破産してしまえばそれでお終いとなるものの、そうもいかないのが投資家の方々ですね。「かぼちゃの馬車」のシェアハウスは割高な価格で販売されたことが明らかになっていますので、売却してもガッツリ安くない不動産ローンが残りますし、自主運営に切り替えて満室まで持って行けたとしても賃料ではローン返済額を賄えません

つまりは物件を売却しても売却しなくても地獄が待っているわけで、いよいよ返済できないとなると最後は自己破産ということになります。

ただ命まで取られるわけではないことを勘案すれば、心理的な抵抗はかなりあるにせよ思い切って自己破産してしまうというのはありだと思います。投資家の方々は恐らく社会的地位も年収も高めかと思いますので、十分再起は可能なのではないでしょうか。

部外者が軽々しくは言えませんが・・・。

話を元に戻すと、今回の事案のプレイヤーの中で唯一「ご破算」にできないのはスルガ銀行ですね。自業自得だとは言え、最終的にはその損失のほとんどを被ることになります。割に合わない融資でしたね・・・。

いずれにしてもスマートデイズ社・投資家・スルガ銀行の3者の関係を俯瞰すると、程度の差こそあれ、「誰もが悪い」ということになると思います。あえて言えば責任の度合いは「スマートデイズ社>投資家>スルガ銀行」と言った形になるでしょうか。

しかしながら。

筆者の勘違いかもしれませんが、どうもメディアは「スルガ銀行が悪い」という論調に傾いている気がしています。その最右翼が朝日新聞ではないかと思いますがちょうど社説が出ていましたので引用するとこうした点が指摘されています。

・大規模な不正行為が明らかになった。問題の全容を徹底的に究明し、責任の所在を明確にしなければならない。

・うたい文句通りの賃料収入を得られず、借金返済が難しくなった借り手側は、販売業者や仲介業者が改ざんにかかわったとみて、刑事責任の追及を検討している。

・顧客利益の保護、融資のリスク管理の両面において、信用の根幹を揺るがす失態だ。高い公共性が求められる銀行として、適格性が疑われかねない。

・シェアハウス融資はそもそも顧客の利益になるものだったのか。

まずやっぱり引っ掛かってしまうのは「不正行為」という表現ですね。何が不正なんでしたっけ?

もちろん「預金通帳の写しなどが改ざんされたり、売買金額が水増しされたりしていた」ということなのでしょうけれど、それはあくまで販売会社や投資家が「スルガ銀行に対して不正を働いた」ということですよね?

確かに多数の行員がその不正を黙認していたという点ではスルガ銀行にも一定の責任があるのは間違いありませんが、仮に行員が不正に関わったとしてもそれでも「スルガ銀行に対して不正を働いた」という構図は変わりません。

とするとなぜ朝日新聞はスルガ銀行を責めるのでしょうか?犯罪被害者に対して「なぜ被害に遭ったのか、問題の全容を徹底的に究明し、責任の所在を明確にしなければならない。」と糾弾しているようなものです。

また「借金返済が難しくなった借り手側は、販売業者や仲介業者が改ざんにかかわったとみて、刑事責任の追及を検討している。」 と述べていますが、意味が分かりません。改ざんされていなければ、このシェアハウス投資は失敗しなかったと言うのでしょうか?改ざんされていても、改ざんされていなくても、このシェアハウス投資は失敗していたはずです。

もちろん、改ざんされていなければ銀行融資が下りず、投資に手を出さなくて済んだという考え方もあるかもしれませんが、しかしスルガ銀行がダメなら、もっと条件が緩い(そして金利が高い)金融機関のローンを組んでいたかもしれず、結局のところ投資を決断した責任はどう考えても投資家本人にあります。支払い能力を正確に把握していたのは投資家ですからね。

顧客利益の保護、融資のリスク管理の両面において、信用の根幹を揺るがす失態だ」 というのはもちろんその通りですが、結果的に業績面でも株価の面でも十分なペナルティを受けているわけで、わざわざメディアが声高に批判する必要性が分かりません。結果的に尻ぬぐいをさせられ、一番損失を被っているのはスルガ銀行ですからね!

シェアハウス融資はそもそも顧客の利益になるものだったのか。」という指摘も結果論にすぎません。仮にこのビジネスが上手くいっていれば批判されることはなかったはずです。

またこの問題が表面化したのはスルガ銀行が新規融資を止めたからで、それによって新たな被害者を防げたという面はあるかと思います。朝日新聞はそれまでに一度でもこのシェアハウス投資に対して警鐘を鳴らしたことがあったのでしょうか?自分のことを棚に上げて相手を批判するのでは全く説得力がありません

しかし何より違和感を感じるのは、「投資家=被害者」という位置づけで論じている点ですね!こうした杜撰な投資被害を防ぐためには、一にも二にも自己責任ですから、投資家の責任や不正、甘さ、勘違いなどを徹底的に明確にし、批判すべきです。

投資家は悪くなかった」という話になると、同じような投資被害が永遠に繰り返されることになりますからね・・・。

新聞が売れ続けるためにはそうした社会問題がなくならない方がいいということなのかもしれませんが(苦笑)。

では今回の読者アンケートは、「多数の被害者を出したシェアハウス「かぼちゃの馬車」投資。類似の被害を防ぐには誰が一番反省すべき?」でいきましょう。投票は6月16日まで。

■【読者アンケート】多数の被害者を出したシェアハウス「かぼちゃの馬車」投資。類似の被害を防ぐには誰が一番反省すべき?(6月16日まで)
http://www.ginkou.info/enquete/?p=377



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