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ソーシャルレンディング「maneo」は信用できる?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-7-4

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「<複数回答可>2018年夏のボーナス、何で運用する?」では・・・

1位:外国株・外国株投信 64%
2位:定期預金 55%
3位:普通預金で様子見 36%
〃 :国債 36%
〃 :日本株・日本株投信 36%
6位:国内不動産・国内不動産投信 18%

となりました。アンケートシステムが優秀になったので最初から回答者シェアになっています(笑)。

1位は意外にも「外国株・外国株投信」 で6割を超える方が投資意欲を感じているということですね。直近のアメリカ株と為替の動きをチェックしてみるとこうなっています。まずアメリカ株はこう(S&P500)。



2月に急落したものの、じわじわ回復基調にあります。

次に為替はこう(ドル円)。



こちらは1月以降大きく円高に動いたものの、足元では円安傾向ですね。

つまり「円安&株高だから外国株投資」ということで理路整然とはしています。筆者は別のコラムでご案内しているように次の金融危機までじっと投資を控えている状態ですが、それが正しい保証などどこにもありません。今から投資しようとされている方のご武運をお祈りしたいと思います。

ちなみに昨年冬のボーナスに関するアンケート結果はこういうことでした。

1位:普通預金で様子見 33%
〃 :国債 33%
3位:定期預金 17%
〃 :日本株・日本株投信 17%
〃 :外国株・外国株投信 17%
〃 :外国債券・外国債券投信 17%

やはり投資意欲が増加しているのは間違いなさそうです。前回ご案内したように消費者庁のアンケート結果でもそうした傾向が見て取れました。



ただそうは言いつつ、アメリカの金利上昇を受けて新興国の通貨や株価は下がり気味ですね。投資対象のチャートをしっかりご覧の上、冷静に、納得のいく投資をしていただければと思います(MSCIエマージング:円建て)。



ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは7月27日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=405

〔前回のコラム〕
2018年夏のボーナスの運用先は?


 --- Ginkou ---

投資募集会社、虚偽説明疑い ネット仲介、監視委調査
https://www.nikkei.com/


インターネットを通じて小口資金を調達し、融資を仲介する投資募集会社「maneoマーケット」(東京)が、資金を集めた際に虚偽の説明をした疑いがあることが21日、市場関係者への取材で分かった。証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反の疑いで調査、金融庁への処分勧告などを検討している。

maneo社は、自然エネルギー開発会社から、バイオマス発電や太陽光発電事業への資金募集を依頼され、2016年秋から10%超の配当をうたって集めていた。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

昨年のビットコインブームは完全に終息したようですね。久しぶりに最近のチャートをチェックしてみるとこうなっています。



筆者は投資対象としての仮想通貨にはずっと懐疑的でしたので、こうしたバブルの鎮静化は好ましいように思えます。その結果として上記の通り投資資金が外国株や外国株投信など、より伝統的で、値動き以外のリスクが少ない金融商品に流れるのも良いことですね!投資は自己責任ですから、「安全第一」で運用していきたいものです。

そのような視点で考えると「問題がある」と感じているのがソーシャルレンディングです。10%前後の利回りを約束することで多くの資金を集めていますが、残念ながら投資対象となり得ません。なぜならこういう問題を抱えているからです。

・投資対象が分からない。

・募集会社の財務状況が分からない。

・投資資金が正しく運用されているか分からない。

簡単に言えば「10%の利回りを約束するから自分を信じて投資して」と言っているわけですが、それだけでいいなら筆者でも言えます(笑)。

また冷静に考えればこういう疑問点にぶつかります。

・今なら銀行から低利でいくらでも融資をしてもらえるのに、なぜわざわざ10%もの利息を払ってソーシャルレンディングを利用しないといけないんだっけ?

その答えは常識的にはこの2つしかありません。

・銀行から融資してもらえない危険な状態にある。

・高い利回りで集めた資金で利払いする典型的なネズミ講=金融詐欺である。

100万円や1,000万円と言った少額なら、クラウドファンディングと同じように「話題作り」の可能性もないではないですが、10億円も100億円も集めるような場合は「怪しい」と考えて間違いありません。投資をしてもらう側として「経済合理性が全くない」ですからね。

実際のところ昨年から今年にかけて、積極的に資金を集めていたソーシャルレンディング会社が次々と金融庁の検査を受けて事業停止に追い込まれています。世の中やはり「ウマイ話はない」ということですね・・・。

そんなビットコインと同じく綻びが見え始めているソーシャルレンディングですが、その権化=最大手の募集会社であるmaneo社が、上記の通り「資金を集めた際に虚偽の説明をした疑いがある」ということで、「証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反の疑いで調査、金融庁への処分勧告などを検討している」とのことです。

遅きに失した感もありますが、今後は実際に資金を集めた募集会社だけではなく、maneo社のような「仲介・斡旋会社」もその募集責任を問われるということですね。上記の通り投資対象や募集会社が完全にブラックボックスの状態では当然のことだと思います。

ちなみにその後の展開としては大きく2つあり、まず本件の募集会社であるグリーンインフラレンディング社の取り扱いについてmaneo社は以下のように発表しています。

 --- Ginkou ---

「グリーンインフラレンディング」におけるファンドの募集開始にあたり、弊社は、グリーンインフラレンディング社より、「投資家の皆様から出資いただいた資金は、グリーンインフラレンディング社の融資先を介して最終資金需要者が特定の太陽光発電所やバイオマス発電所等の開発資金として使用する」との説明を受けるなどして、その旨認識し、投資家の皆様にもご説明して参りました。 しかし、最終資金需要者において上記説明とは異なる使途に一部資金が使用された疑いがあることが判明いたしました。これを受けて、弊社は、かかる疑いのある対象ファンドの新規募集を停止した上で、最終資金需要者の認識や見解について説明を受け、事実関係の確認を実施いたしました。

その結果、大変遺憾ながら、グリーンインフラレンディング社から弊社が説明を受け、投資家の皆様にご説明申し上げていた使途とは異なる使途に一部資金が使用されたものと評価せざるを得ないとの判断に至りました。 「グリーンインフラレンディング」における今後のファンドの募集は停止させて頂きます。

 --- Ginkou ---

要するにmaneo社は「騙された」というスタンスですが、実質的には一体となって募集していたわけで、そんな言い訳が通用するはずがありません。だからこそ、上記新聞報道ではグリーンインフラレンディング社ではなくmaneo社が名指しされているのですね。監督官庁はとことんを出し切っていただければと思います。結果として何も残らない気もしますが・・・。

もう1つの展開としては、このグリーンインフラレンディング社が集めた資金のうち、5,000万円が細野豪志議員に実質的な裏金として渡っていたことが判明したのですね!有名議員な上に金額も大きく、結構なスキャンダルです・・・。

 --- Ginkou ---

細野元環境相、5000万円借用を記載せず 衆院選期間中に、報告書訂正
https://www.nikkei.com/


無所属の細野豪志元環境相が、2017年10月の衆院選期間中に証券会社から借り入れた5千万円を報告書に当初記載していなかったことが27日、分かった。細野氏は4月に資産報告書の借入金を5千万円と訂正し同月返済。細野氏の事務所は「個人的な借入金で問題ない」と説明している。

5千万円が選挙資金や政治資金であれば、公職選挙法や政治資金規正法に基づいて収支を報告する義務がある。収支報告書を提出しなかったり虚偽の記載をしたりすれば罰則がある。一方、個人的な貸し借りは国会議員資産公開法に基づいて報告すればよいが、細野氏は衆院選投開票日時点の借入金について、当初は資産報告書で「なし」としていた。

関係者によると、細野氏は17年10月中旬、旧民主党などの元国会議員3人が取締役を務める東京都港区の証券会社に5千万円の貸し付けを依頼した。証券会社は衆院選投開票日の3日前に当たる10月19日に、細野氏に5千万円を提供。細野氏は4月4日に資産報告書を訂正し、その後全額を返済した。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

金融庁の検査が入ってバレたから届け出て返済した」というわけで真っ黒けっけですね・・・。

いずれにしても危険な匂いしかしないソーシャルレンディングについて、しっかりが出し切られることを期待しています。

では今回の読者アンケートは、「ソーシャルレンディング募集最大手であるmaneo社について、虚偽の説明をして資金を集めた疑いで金融商品取引法違反による処分勧告が検討されているようですが、このmaneo社やソーシャルレンディングは信用できる?」でいきましょう。投票は8月4日まで。

■【読者アンケート】ソーシャルレンディング募集最大手であるmaneo社について、虚偽の説明をして資金を集めた疑いで金融商品取引法違反による処分勧告が検討されているようですが、このmaneo社やソーシャルレンディングは信用できる?(8月4日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=410



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