まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「三井住友銀行の店舗の行員が異常にフレンドリー、という記事が配信されていましたが、あなたが感じるメガバンクの店頭スタッフの印象は?」では・・・
1位:事務的 33%
2位:礼儀正しい 16%
〃:人による 16%
〃:店舗に行かないので分からない 16%
5位:高圧的 8%
〃:強引・アグレッシブ 8%
となりました。1位は「事務的」ということですね。筆者も選ぶなら・・・これです。
ただ1位の得票率は33%にとどまり、全体的には分散していますね。しかも同率2位に「礼儀正しい」というポジティブな回答がランクインしているのが印象的ですが、まとめるとこういった感じになるでしょうか。
・概ね良い印象 : 17%
・概ね悪い印象 : 50%
・どちらとも言えない : 33%
やはり分散していますが、少なくとも良い印象を持っている方は少数派ですね。ではなぜ良い印象は少ないのでしょうか?
その理由を推測してみるとまず、銀行から見て来店客のほとんどは「放っておいても来る客」ということはありそうです。要するに必要に迫られて来る客なわけですから、手厚い歓待をしなくても来るときは来るし、逆に手厚い歓待をしても来ないときは来ません。つまりは愛想よく接する理由が全くないということですね。
しかもその内容のほとんどは事務手続きでしょうから、顧客が銀行にお願いをする立場ですね。「ありがとう」と言うのは銀行ではなく顧客だということです。
さらにそれがカーローンや住宅ローンなどの手続きとなると銀行はもう完全に「貸してあげる」という立場ですから「上から目線」となるのも当然かもしれません。
もしかすると甘いことを言って審査に落ちても申し訳ないので、あまり期待させないようにしている、ということはあるのかもしれませんが、いずれにしても結果的には冷たい対応となってしまいます。
加えて、預金で儲かる時代ではなくなった、というのはありそうです。昔は預金残高が数千万円あれば店長がじきじきに挨拶していたかもしれませんが、今や1億円あっても特別扱いはないのでしょうね。さらにマイナス金利政策によって、預金が増えれば銀行にとって損失が生まれる状態になっています。これまた愛想を振りまく理由はないということです。
ただこの「銀行窓口」と同じような位置づけにあると言えそうな「役所の窓口」や「郵便局の窓口」、「病院の窓口」、「図書館の窓口」がそのような殺伐とした雰囲気かと言うとそういうことはないような気がします。
あくまで個人的な感覚なので、賛同される方もそうでない方もおられるでしょうけれど、筆者の感覚すれば銀行窓口には「独特の敷居の高さ」があるような気がします。
その原因を独断と偏見で分析するなら・・・「プライドの高さ」が影響している、と言うのはいかがでしょう?特にメガバンク行員ならなおさらですね。
上記のようなメガバンク店頭スタッフの態度を「プライドの高さ」に結び付ければ概ね説明がつくような気がします。
・・・とここまで書いて、さすがに根拠のない偏見を述べていると反省されてきましたので、あくまで「仮説」の1つとしてご笑覧いただければと思いますが、しかし少なくとも前回のコラムでご紹介したように、「三井住友銀行の店舗の行員が異常にフレンドリー」という指摘は全く当てはまらないのは間違いなさそうです。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月23日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1248
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1013
--- Ginkou ---
行員にアンケート!大手銀行で一番保守的なのはどこ?
http://diamond.jp/
実際に働いてみなければわからない大手人気企業のリアルな姿を、「Vorkers(ヴォーカーズ)」に寄せられた社員・元社員のクチコミからリサーチ。今回は、マイナス金利に揺れる銀行業界をみていきましょう。
?まず、ヴォーカーズによる社員満足度を図る8項目の数値評価からみていきます。総合評価は三井住友銀行が3.39と最も高く、それにほぼ並ぶのが三菱UFJ銀行で3.30となっています。総合評価の差は大きくないものの、三井住友銀行は「待遇の満足度」、「社員の士気」、「風通しの良さ」、「社員の相互尊重」、「20代成長環境」、「人事評価の適性感」と、6つの項目で三菱UFJ銀行を上回っています。
一方、三菱東京UFJは「人材の長期育成」、「法令順守意識」の2つが三井住友銀行よりも高い評価となりました。2行に比べ、全体的にやや低い評価となったのがみずほ銀行(3.17)、さらに評価が低かったのがゆうちょ銀行(2.65)という結果になりました。
「有休消化率」と「残業時間」はメガバンク3行に大きな差は見られなかったものの、ゆうちょ銀行と比較するとそれぞれ大きな差があることがわかりました。ゆうちょ銀行の「月の平均残業時間」は大手3行の約半分の23.1時間、「有休消化率」は大手3行よりも約20%高い77.9%となりました。
元々官営であったゆうちょ銀行は、民間銀行と比較するとワークライフバランス重視型であるといえるでしょう。
※抜粋
〔 出典:ダイヤモンド・オンライン 〕
--- Ginkou ---
上記の通り前回はメガバンクの店頭スタッフの方々の印象をお聞きしたわけですが、都合よく今度は実際に大手銀行に働いている方々へのアンケート結果をまとめた記事がリリースされておりましたのでご紹介したいと思います。自分が勤めている銀行についてどう思うか、ということです。
まず社員満足度の総合評価はこういうことですね。
・三井住友銀行 : 3.39
・三菱UFJ銀行 : 3.30
・みずほ銀行 : 3.17
・ゆうちょ銀行 : 2.65
なぜかメガバンクの一角である、りそな銀行や三井住友信託銀行が含まれておりませんが、それはさておき、三井住友銀行が一番高く、ゆうちょ銀行が一番低いという結果ですね。
記事にも取り上げられているようにゆうちょ銀行は「月平均残業時間」は大手3行の約半分の23.1時間、「有休消化率」は大手3行よりも約20%高い77.9%ということで、むしろ満足度が高くてもよさそうなものですがそうならないというのは、人間の心理というのは興味深いものです。
ではゆうちょ銀行のどこが評価が低いかと言うと・・・見事にどれもこれも低いですね!(苦笑)
「待遇」「士気」「風通し」「社員の相互尊重」「成長環境」「長期育成」「法令順守」、そして何より「人事評価の適正感」。これらが低い中で総合評価が上がるはずがありません。
逆に言えばゆうちょ銀行員は満足度がかなり低い職場で「よく頑張っている」と言えるのかもしれませんね。ブラック企業・・・と言うとさすがにゆうちょ銀行員にも、コアなブラック企業で働いている方にも失礼な気がしますが、公務員全般として同じような職場環境なのだとすれば(ゆうちょ銀行員は公務員ではありませんが)、終身雇用であるという点を割り引いても、あまり進んでなりたい職業とは言えなさそうです。
それはともかくとして、各銀行の口コミを抜粋するとこのようになります。
■三井住友銀行の社員クチコミ
・基本的に体育会系の会社。やる気があれば、いくらでも仕事する機会を与えて、どこまでもやらせる。営業と企画系の人間は基本的に同じ体育会系の属性の人が集まる。
・伝統的な大会社。やはり旧住友の色の方が、より色濃く残っており、収益至上主義的な雰囲気は強い。学閥よりも社内経歴、人脈が重要視される。事務ルールには厳しく、懲戒も多い。
■三菱UFJ銀行の社員クチコミ
・大企業の典型。組織体制はしっかりしているが、上司や関係各部署への根回しが非常に重要。社員の帰属意識は強い。
・主にはトップダウン。また、法令遵守意識も強いと思う。
・統合前の銀行それぞれの派閥が未だに存在しているのを感じる。企業文化としては、トップバンクとしてのエリート志向、プライドの高さが特徴。
■みずほ銀行の社員クチコミ
・企業の体制が古くて、合併前の派閥がそのまま残っている。
・いまだに旧行意識(旧第一勧業銀行・日本興業銀行・富士銀行/旧みずほコーポレート銀行・みずほ銀行)が残っている節はある。
■ゆうちょ銀行の社員クチコミ
・元お役所で、自由度は少ないと思う。そして年功序列が強い。また、仕事ができる人の負担が多く、その社員に対する見返りが少ない。
・郵政省としての役人の風土と民間の銀行の風土の過渡期。
なかなか興味深いですね!平たく言えばこういうイメージでしょうか。
・三井住友銀行 : 体育会系
・三菱UFJ銀行 : エリート意識が強くプライドが高い
・みずほ銀行 : 旧行同士で派閥争い中
・ゆうちょ銀行 : 役人風土
申し訳ないですが・・・筆者のイメージにぴったり合います(笑)。
また上記記事ではアンケートに基づくそれぞれの銀行の「弱み」も紹介されていて面白いです。抜粋するとこうですね。
・三井住友銀行 : 「目先の効率重視」「海外展開、柔軟性が弱い」
・三菱UFJ銀行 : 「グローバル企業になりきれない」「保守的な社風」
・みずほ銀行 : 「システムの圧倒的な弱さ」「システムが伝統的に弱い」
・ゆうちょ銀行 : 「政治に翻弄される」
ご本人たちには申し訳ないですが、なかなか的確なのではないでしょうか。
しかも繰り返しになりますが実際に働いている行員たちの「自己評価」ですから趣深いです。
この中でも特に目を惹くのがみずほ銀行のシステムに関する皮肉ですが、全文を抜粋するとこうなります。
「システムの圧倒的な弱さ。弱いシステムに慣れているため改善できないか考えるという意識が弱い。」
「システムが伝統的に弱く、障害が頻繁に起こる。それをマンパワーで補っているイメージがする。」
システムの弱さを諦め、所与のものとして受け入れている姿勢がやけにリアルですね。実際にはシステムが弱い会社というのは世の中、至る所にあるわけですが・・・。
いずれにしてもこうした口コミが概ね正しいものだとすれば読者の皆さんは顧客としてどの銀行を選ぶでしょうか?筆者は・・・「体育会系」も「高いプライド」も「派閥争い」も「役人風土」も、どれも受け入れがたいです!究極の選択ですね・・・。
ということで今回の読者アンケートは「行員による口コミによれば、三井住友銀行=体育会系、三菱UFJ銀行=高いプライド、みずほ銀行=派閥争い、ゆうちょ銀行=役人風土、ということのようです。これが正しいとするとどの銀行と付き合いたい?」でいきましょう。投票は4月30日まで。
■行員による口コミによれば、三井住友銀行=体育会系、三菱UFJ銀行=高いプライド、みずほ銀行=派閥争い、ゆうちょ銀行=役人風土、ということのようです。これが正しいとするとどの銀行と付き合いたい?(4月30日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1250
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