まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「行員による口コミによれば、三井住友銀行=体育会系、三菱UFJ銀行=高いプライド、みずほ銀行=派閥争い、ゆうちょ銀行=役人風土、ということのようです。これが正しいとするとどの銀行と付き合いたい?」では・・・
1位:この中では三菱UFJ銀行(高いプライド) 30%
〃:この中ではゆうちょ銀行(役人風土) 30%
3位:その他 20%
4位:この中では三井住友銀行(体育会系) 10%
〃:この中ではみずほ銀行(派閥争い) 10%
となりました。1位は「三菱UFJ銀行(高いプライド)」と「ゆうちょ銀行(役人風土)」が同率で並んでおりますね。
どれも究極の選択ではありますが・・・筆者があえて選ぶとすれば「みずほ銀行(派閥争い)」ですかね?
もちろん「派閥争い」を積極的に評価するものではありませんが、他の「高いプライド」や「役人風土」、「体育会系」というフレーズが直接的に顧客対応の様子をイメージさせるのに対して、「派閥争い」はあくまで組織内の話であり、具体的なイメージとして筆者のアレルギーを引き起こさなかったということで・・・完全な「消去法」です。
とは言いつつこれはあくまで語感の話であって、過去数年の間、システムトラブルや刑事事件の数々で問題を引き起こしてきたのは大手銀行の中では間違いなくみずほ銀行です。
そうした不祥事が何でもかんでもダダ漏れ&明るみに出ること自体、「派閥争い」の副産物ということかもしれませんが、いずれにしてもみずほ銀行を積極的に利用したいという気にはならないですね。
ちなみに上記のような企業風土はともかくとしてこれまでの利用経験に基づき、完全に筆者の独断と偏見でこの4つの中から金融機関を選ぶとすれば・・・ゆうちょ銀行でしょうか。
内部は役人風土かもしれませんが、接客は他の3つと比べると腰が低い気がします。要するに筆者は庶民的な金融機関が好き、ということですね。
いつか、ありあまる財力が手に入ればもっとハイソ(死語)でプロフェッショナルなサービスを志向するようになるのですかねぇ。今のところとてもそうなるとは思えませんが・・・。
いずれにしても日本を代表するメガバンクである上記4銀行がそのような風土であるとすれば残念なことです。もっと自由闊達でリベラルで顧客本位でイノベーティブな銀行が登場してほしいものですね。
銀行業界という金融庁が治めるムラ社会においてはそうした「出る杭」は真っ先にお取り潰しにあいそうではありますが。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月30日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1250
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1015
--- Ginkou ---
16年度「円安・株高か」 市場関係者見通し
http://www.nikkei.com
2016年度の相場見通しを専門家に聞いたところ、再び円安・株高に戻ると予想する声が多い。年度末にかけて日経平均株価は2万円程度まで上げ、円相場は1ドル=122円前後まで円安になると見ている。堅調な米国景気がドル高を促し日本株にも追い風となる。夏の参院選をにらみ景気対策への期待も強い。米大統領選など海外要因がリスクとなりそうだ。
外国為替市場では米国景気と金融政策に関心が集まる。米景気は成長ペースを維持するとの見方が多く、みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは「米連邦準備理事会(FRB)は6月と12月に利上げに踏み切る」と予想する。
日銀は16年度も大規模な金融緩和を続ける可能性が高い。日米の金融政策の方向感の違いが改めて意識されて「円相場は16年度末には1ドル=123円まで下落する」と山本氏は話す。あおぞら銀行の諸我晃市場商品部部長は「国内で財政出動があれば株高を通じて円相場の上値を抑える」と予測している。
株式市場では選挙に向けた景気対策に注目が集まっている。ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄シニアファンドマネージャーは「17年3月期の業績見通しが出てくる5月ごろに日本株は弱含む可能性があるが、その後は円安などを背景に2万円を目指す」と話す。消費増税が延期されれば消費の腰折れ懸念が和らぎ「日本株にプラスになる」という。
リスクとしてあがったのは海外要因だ。中国など新興国景気の減速は16年度も懸念材料となりそうだ。さらに米大統領選など大型の政治イベントが相次ぐ。大和証券の三宅一弘チーフストラテジストは日経平均の下値は1万7000円前後とみるが「もしトランプ氏が米大統領になれば日米同盟や日本経済に思わぬ影響が出る恐れがある。その場合、1万4500円程度まで下げるリスクがある」と指摘する。
6月に英国が欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を予定しているのもリスク要因だという声があった。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
昨年の夏以降、株式相場の低迷が続いておりますね。直接の引き金は中国株式市場のバブル崩壊だと思いますが、その後、中国経済そのものの減速や資源価格の下落、そして昨年12月のアメリカの利上げがダメ押しとなり、年明け以降も世界的な株価下落が継続しました。
そうした株価下落の流れがここに来てようやく止まりつつあります。世界経済の中心であるアメリカの株価はと言うとこうなっています。
■アメリカ株価(S&P500)
結構、鮮明に回復していますね!2月以降V字回復していることが分かります。では一体何があったかと言うと・・・上記の通りこれまで世界の株価の重しとなっていたアメリカの利上げペースが「年4回」から「年2回」に引き下げられることが示唆されたのです。
利上げ=通貨高ですから、利下げ=通貨安であり、こうした当局の姿勢変更が米ドル安を引き起こしました。米ドルが安くなればドル建ての資源価格は逆に高くなるわけで、要するに「資源価格の下落」と「アメリカの利上げ」という2つの懸念が一気に後退したということですね。
となると株高につながっていくのは当然のような気がしますが、他方、日本経済にとっても日本株にとっても逆風となってくるのが「米ドル安」の副産物としての「円高」ですね。
加えて日本の場合、金融政策として痛かったのが、1月末に発表された渾身の追加金融緩和策であるマイナス金利が少なくとも為替の面では全く効かなかったという点です。これでついに黒田マジックが終わったと思った方は筆者も含め多いのではないでしょうか。
もしこうした動きが続くようあればこの4月から始まった2016年度は「円高株安」となります。
奇しくも本日の為替相場は110円台まで円高が進み、昨日の日経平均も15,700円台まで下落しており、象徴的ですね。
とは言いつつこのようにアメリカの利上げがどんどんスローダウンしていくというのは、あまりにアメリカ経済に対して悲観的だ、という見方もあります。意外とアメリカ経済が好調に推移し、雇用環境が良好で賃金が上昇し、インフレ傾向が鮮明となってくれば、アメリカの金融政策は逆に利上げペースを速めていくことになります。
となると為替面では確かに「円安ドル高」となるものの、再び資源価格が下落するほか、アメリカ経済自体も景気に水が差されることになります。そもそも利上げ=景気に水を差すこと、ですからね。
つまりは昨年後半の投資環境に逆戻りするわけで、その頃はもちろん日本の株価は低迷しておりました。念のためこれまでの日経平均の推移を振り返るとこうなっています。
■日経平均
まずアメリカの利上げが強く意識された昨年8月から今年2月にかけて大きく下がっています。
そしてアメリカの利上げ懸念が後退する一方、円高が進んだ2月以降は・・・多少回復したものの足元ではやっぱり下がっています。
つまりアメリカが利上げすれば世界経済の減速によって日本は株安、アメリカが利上げを緩めれば円高によって日本は株安ということでどっちを向いても日本の株価の先行きは暗い・・・と思ってしまうわけですね。
そのように日本の株価については悲観一色の筆者ですが、上記記事を見てぶっ飛びました。何と2016年度の市場関係者の見通しとしては「円安株高」ということですね・・・マジですか。
要するにアメリカ経済が好調で利上げが進み、ドル高も進み、円安効果で株価に追い風、というシナリオのようですが、上記の通り今のところアメリカの利上げについては副作用しか実感していない筆者にとっては「楽観的」というよりもむしろ「夢物語」のようにしか感じません。
さらに記事内でも指摘されているように
・来年の消費税増税
・トランプ大統領
・イギリスのEU離脱
といったリスク要因を考えると・・・やはり強気には全くなれません。リップサービスとしても2016年度が「円安株高」というのはあり得ないと思うのですがいかがでしょうか?4月1日付の記事であり、まさかエイプリルフールというオチではないとは思いますが・・・。
ということで今回の読者アンケートは「日経新聞によれば2016年度の市場関係者の見通しとしては「円安株高」ということですが、あなたの見通しは?」でいきましょう。投票は5月6日まで。
■日経新聞によれば2016年度の市場関係者の見通しとしては「円安株高」ということですが、あなたの見通しは?(5月6日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1252
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