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実況中継!自腹で資産運用~前月比+0万円

執筆者: ginko 発行日付: 2016-8-15

このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、10年5ヶ月目となります。

実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。

なお、前号をご覧になっている方は間を飛ばして<4.運用実績>からご覧ください。また、最新号をご覧になりたい方は(本サイトの)メインメニューの「実況中継!資産運用」をクリックしてください。

■前号:http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1047

<1.運用方針>
1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、昨今の株価下落を背景に「積極的な手仕舞い」モードに移り、現時点ではほぼ手仕舞い完了です。

<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。

<3.現在の運用割合>



現在の運用割合ですが・・・ついに投資資産のかなりの部分を売却し、9割超普通預金となりました!

国内外の債券日本株先進国株新興国株海外REITもたたき売り、残る投資資産は国内REITだけとなっております。さっぱりしてしまいましたね・・・。

売却については昨今の株価下落に対して過剰反応してしまった気もしなくはないですが、吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る、です。

<4.運用実績>



まずは運用実績の前月との比較です。今月は+0万円・・・と、言いますか+455円ですね。わずかにプラスです。

つまりは残った唯一の投資資産である国内REITが上昇したということですが、すでにほとんどのリスク資産を売却してしまった今となってはプラスであってもマイナスであってもその金額は誤差の範囲内です・・・。

次に当ポートフォリオの通算成績はこのようになっています。



通算成績としては、ほとんどのリスク資産を売却してしまったこともあり、当面は海外債券/先進国海外債券/新興国国内REIT国内株式/高配当株海外株式/高配当株海外株式/中国海外株式/アジアの黒字が確定、ということになります。

逆に言えば海外REIT国内株式/新興市場海外株式/ロシア・東欧海外株式/ブラジル海外株式/インドの赤字もまた当面確定ということになります。

そうしたわけで「7勝5敗」という全体成績もまた当面はこのままですね。



全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約74万円となっています。こちらも当面はこのままということです。

目標としては毎年25万円の利益ということなので、丸10年となる今年4月の目標は「250万円の黒字」が必要だったわけですが・・・重い「宿題」となりそうです。

先は長いですが、どこかのタイミングで投資を本格的に再開していく中でこの目標値をクリアしたいものです。

<5.今月の追加投資/売却>

さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきたいと思います。まず株式相場を眺めてみるとこうなっています。

■日経平均



■アメリカ株(S&P500)



■先進国株(円建て)



■新興国株(円建て)



先月に引き続き対照的な動きになっておりますね。日経平均、先進国株が低迷する一方でアメリカ株は好調を維持しているように見えます。

先進国株の中の多くがアメリカ株であることを踏まえれば一見矛盾するわけですが、上記の通り先進国株は「円建て」であることを踏まえれば、為替相場の影響であることは一目瞭然ですね。

円安になればこうした株価が見かけ上、上昇するのに対して、円高になれば逆に低下することになります。そうしたわけでドル円相場をチェックしてみるとこうなっています。

■ドル円相場



予想通り円高が大きく進んでいますね!一時は120円を超えていたドル円が今や102円ですからね。15%も円高が進んでいるということになります。

そして円高が進めば輸出企業の業績が悪化し、日経平均も下落することになります。実際のところ、これまでの日本の株価は完全に為替相場に連動しています。つまりは日経平均、円建ての先進国株の下落は全て円高で説明できる、ということですね。

さらにいつもご案内しているように今の為替相場が恐ろしいのは適正水準がよく分からないという点です。数年前まで80円前後だったことを考えればそのレベルまで円高が進んでもおかしくありません。

今までの円が安すぎましたし、頼みのアベノミクスも黒田マジックも為替相場には無力となりつつありますからね。

先週ご案内したように企業物価ベースの購買力平価でみた場合も1ドル=約97円となっておりまして、少なくとも100円超えの円高となってようやく「適正」と言えます。つまりはまだまだ今は「円安水準である」ということです。

>>>今月の購買力平価

そうしたわけで上記期間1年のグラフを見れば、円建ての株価的にも為替相場的にもまだまだ投資のチャンスとは言えないわけですが、ただそうした中でも気になるのが上記の通りアメリカ株がスルスルと上昇している点ですね。今年2月の株価を底にして完全に上昇トレンドに入っております。

実際、アメリカの株価はすでに「過去最高値」を更新中でありまして、絶好調と言って良いかもしれません。羨ましい限りですね。

となるとアメリカ経済もまた「絶好調」なのかと思いますが、実はそうではありません。他のコラムでもご案内したように「良くなったり悪くなったりほどほどの景気」とも言える状態です。

ではなぜ「ほどほどの景気」なのに株価が「絶好調」なのかと言うと、このような「強すぎない景気回復」が続くかぎり、アメリカの中央銀行であるFRBの「追加利上げ」をそれほど心配しなくていいからですね。

景気が良くなれば金利を引き上げ、景気が悪くなれば金利を引き下げるのは中央銀行として当然のことと言えます。景気の良いうちに金利を上げておかないと、不景気の時に金利を引き下げることができなくなってしまうからですね。永遠に金利を引き下げ続けることなどできません・・・マイナス金利政策をとるなら別ですが。

そのように考えれば「金利引き上げ=好景気の証し」とも言えるわけで過度に恐れる必要はないのですが、現実的には世界の金融市場はこのアメリカの金利引き上げを「過度に恐れている」状態ですね。

実際、昨年夏や今年の年明けの世界同時株安の要因の1つが「アメリカの利上げ懸念」であったのは間違いありません。それほどまでにアメリカの金融政策の影響は世界に影響を与える、ということですね。

確かに金利が上昇すれば資金を借りているほとんどの企業からすればコストアップにつながるわけで収益的にマイナスとなるのは間違いありませんが、それ以上に世界の金融市場が恐れているのは投資マネーの動きでしょうね。

つまりアメリカの金利が上昇すれば、これまで低金利だったアメリカから世界に流れ出ていた投資マネーがアメリカに還流し始めると懸念されているわけですが、その影響を最も強く受けると考えられているのが新興国株です。昨年夏以降の株価下落の中で新興国の株価が一番大きく下落したのもそうした背景があります。

逆に言えば足元で「ほどほど景気」によってアメリカの利上げ懸念が後退しているのであれば、新興国の株価にはポジティブな影響が出ているはずですが再度上記グラフをチェックしてみると・・・確かに新興国株は他と比較して足元では明らかに好調ですね。

とすると今後の世界の株価が好調を維持するかどうかというのはアメリカ経済がこの絶妙の「ほどほど経済」を続けられるかどうかにかかっているわけですが、客観的に考えるとそれは難しいように思います。

景気というのは常に行きつ戻りつを繰り返しながら変動していくものですね。「巡行速度で進んでいく」と考えるのはあまりに楽観的です。仮に失速すればリセッションに入っていくわけですし、逆に過熱すれば利上げが待っています。要するに「どちらに転んでも株価下落」と捉えておく方が現実に即しているような気がするのですがいかがでしょうか?

加えて悩ましいのが、そのようにアメリカの利上げが遠のけば遠のくほどドル安円高が進んでいく、ということですね。金利が上がれば短期的にはその通貨は上昇する、ということになっておりまして、「金利が上がらない」となればドルが安くなるのは当然と言えます。

今の円高には、上記の通りこれまでのトレンドの反動国内の金融政策の影響に加えてアメリカの金融政策も強く影響しているわけで、日本の個人投資家からすれば、強い向かい風が吹いている状態です。投資をしてみよう!という気にはなかなかならないですね・・・。

ではいつ投資を再開するかと言うと・・・毎回ご案内しているように、いつか来るであろう世界的なリセッション=景気後退の後に再参戦というのが良さそうですがいかがでしょう。

概ね10年に一度繰り返されている世界的な金融危機を思い出せば、リーマンショックから10年後の2018年というのは大きな心理的な節目となりそうです。もちろんそれは根拠のないアノマリーではあるのですが・・・。

年々もじっと待つというのはそれはそれでストレスを感じなくもないですが、もちろん大切なのはストレスの有無などではなく着実・堅実な運用リターンです。

フォローの風が強く吹くことをのんびり待ち続けたいと思います。

<6.他ファンドとの比較>

筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。

3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)

そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが、グロソブがピンクです。



当サイトのポートフォリオは引き続き1位を維持しています。

では次回も来月のこの頃に更新予定です。

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