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ネット生保は魅力的?

執筆者: ginko 発行日付: 2016-8-17

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「新生銀行は楽天証券と提携して、大手銀行としては初めてFXサービスを提供するとのことですが、あなたのFXへの興味や経験は?」では・・・

1位:興味ない/今まで取引したことがない 50%
2位:興味あり/過去取引していた 16%
〃:興味あり/今まで取引したことがない 16%
〃:興味ない/過去取引していた 16%

となりました。1位は「興味ない/今まで取引したことがない」ということですね。半数ということで圧倒的です。

そうしたわけで興味あり/なしを比較するとこうなります。

・興味あり : 33%
・興味なし : 67%


ただこうして数字にしてみると「興味あり」が意外と多いですね。また、取引経験の有無ではこうなっています。

・取引経験あり : 33%
・取引経験なし : 67%


こちらも「取引経験あり」は思ったより多いですね。読者の方々の金融リテラシーの高さが垣間見えます。

ではFX口座数というのは全体的にどれくらいあるのでしょうね?ということで調べてみると今年5月に金融先物取引業協会から発表されたFXの取引口座数は以下のようになっております。

・クリック365 : 約3万口座
・店頭取引 : 約75万口座


トータルでは約80万口座、という感じですね。もちろん口座数自体はその何倍もあるのでしょうけれど、稼働数としてはこれくらいになるのでしょう。

日本の世帯数は4,000万くらいでしょうか?だとするとちょうど2%50世帯に1世帯がやっている計算です。これまたそう聞くと意外に多く感じますが、ただ他の金融取引に比べれば圧倒的にマイナー商品ということでしょうね。

なぜ広がりに欠けるかと言うと・・・やはり儲からないから、ということではないでしょうか。事実としてもなかなか儲からないのでしょうし、業界を引っ張っていくようなアイコンと言いますか、カリスマトレーダーも目にしません。

そういえばこれまでは数年に1度、FXで何億円も儲けて脱税で摘発されるという事件が起きましたが、最近は聞きませんねぇ。

もちろん本当に儲かっている人は誰にも言いませんし、そのノウハウを積極的に開示することもないでしょうから、そもそも「カリスマトレーダー」という存在自体が矛盾に満ちているわけですが。

おそらく「本当の収益源」である生徒が獲得できない、あるいは著作が売れないことから、自然消滅していったのかもしれませんね。もしかすると本屋の経済コーナーに行けば今でも「FXで1億円!」といった本がうず高く積まれているのかもしれませんが。

ちなみにネット上ではどちらかと言うと不動産投資への関心が高まっているような気がしますね。結局は円安になればFXが盛り上がり、株高になれば株が盛り上がり、そして今のように地価が上昇すれば不動産取引が盛り上がるということなのでしょうか。

だとすれば「高値掴み」のリスクと裏腹ですね。それでは短期的には良くても長期的にはなかなか儲かりません

筆者自身はFXの隆盛に何の感慨もありませんが、「自分のFX生涯リターンがマイナスのまま終わる」のは間違いないと思います(苦笑)。

これから参入される方はご武運をお祈りしたいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは9月10日まで。

〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1288

〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1054



 --- Ginkou ---

ネット生保 草分けのライフネットに転機

http://www.nikkei.com

保険業界に新風を吹き込んだライフネット生命保険が壁に突き当たっている。割安な保険料で急成長したネット生保の草分けだが、競合生保の増加で新規契約の伸び悩みに直面。保険ショップなど販路の拡大に乗り出した。設立10年の節目に反転攻勢の機会をうかがうが、手数料が求められる対面販売への傾斜は割安な保険料を阻害しかねず、道は険しい。

例えば、30歳の男性が10年満期の定期死亡保険(保険金1000万円)に入る場合。ライフネットの保険料が月1230円なのに対し、アクサダイレクト生命保険も1240円とほとんど同じ。オリックス生命保険(1310円)や楽天生命保険(1280円)など、割安感を売り物にする後発組が増えるにつれ、ライフネットの存在感が薄れている。新契約から解約・失効を除いた純増数は2015年度が約1万件と、ピークの11年度から8割以上減った。

だが販路の拡大はもろ刃の剣でもある。代理店に販売を委ねるほど、実績に応じた手数料が生じる。販売効率を示す1契約あたりの営業費は15年度で5.1万円程度に上り、11年度よりも1.5万円程度多くなった。ある外資系の証券アナリストは「強みである販売効率が薄れかねない」と警鐘を鳴らす。

ライフネットは第三者割当増資の引き受けで筆頭株主になったKDDI(au)とも4月からスマートフォンを使った保険のネット販売に乗り出した。18年度が最終年度の中期経営計画では、同年度の新契約を6万件まで伸ばす目標を立てる。手数料負担との両にらみで最適な販路割合の模索が続く。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---


上記記事の通りではありますが、ライフネット生命が苦戦している、とのことですね。純増数がピーク時の2割以下に減っているようですがグラフを引用するとこうなります。



確かに、間違いなく失速していますね。

このまま行けば「純減」も視野に入ってきます。そうした危機感からKDDIの出資を受け入れた、ということなのでしょう。auにフォーカスすればするほど、ドコモやソフトバンクのユーザーとは疎遠になるかもしれませんが、20万そこそこの契約数からすればau利用者に独占的にリーチできるだけでも十分なオポチュニティがあります。

現状を勘案すればwin-winだと思われます。

筆者は基本的には判官びいきですので、ライフネット生命のような新規参入組を応援したくなるわけですが、しかしなぜ金融アイテムによってこうも新規参入組の勝敗が異なるのでしょうね?

まず新規参入組が「圧勝」したのがネット証券です。こちらは少なくとも個人の株取引については完全に市場を制覇しました。大手証券会社もネット子会社を設立したものの惨敗し、系列子会社は1社も残っておりません。

その点では前回取り上げた「FX」もそうですね。完全制覇です。

他方、まだまだサブの位置に留まるのがネット銀行ですが、ただこちらも成長を続けておりますし、特に住宅ローンについては新規参入組がマジョリティとなる日も近いのではないでしょうか。

そのように考えると多くの金融アイテムについてスピードはともかくとして着実に業界地図が入れ替わってきているわけですが、しかしそうした変化が全く起きていないように見えるのが生命保険というわけですね。

上記の通り新規参入組のトップランナーであるライフネット生命保険の契約数が20万件そこそこというのは、需要から考えれば間違いなく1桁少ないです。

割安な保険料の方がいいに決まっていますからね。

ではなぜこうも生命保険に関しては新規参入組がシェアを取りにくいのでしょうか?

まず「証券取引」や「FX取引」と異なり、取引頻度が圧倒的に少ないという点が挙げられます。・・・と言いますか生命保険の取引は一生に1回かもしれませんからね(苦笑)。ネットの利便性は訴求しにくいです。

ただ取引頻度という点では住宅ローンも似たようなものですが、こちらと生命保険が圧倒的に異なるのは商品の分かりにくさ、という点でしょうね。住宅ローンは何といっても「金利」という圧倒的に客観的なモノサシがありますが、生命保険の場合、その保険料は契約内容によって大きく異なります

また主契約より付帯契約の方がメインであることも多く、だとするとなかなか客観的に比較しにくいですね。

さらに他の金融アイテムと異なり、生命保険は見直しのタイミングがなかなか得られない、というのも乗り換えが進まない理由かもしれません。基本的には一生に一度の契約なわけですから、よほど明確なメリットや必要性がないと重い腰が上がらないわけですが、長引く金利低下で保険内容は基本的には徐々に悪化しています。

保険会社が運用利率を約束する「予定利率」が下がっているわけですから、そのしわ寄せは確実に保険料に現れます。その点もまた、金利が下がるとどんどん有利になる住宅ローンと異なる点ですね。

かく言う筆者も生命保険は乗り換えておりませんで(一応、契約当時の「新規参入組」を利用しておりますが)、それはなぜかと言えば予定利率が確か5%台の時に契約したからですね・・・と思ってこれまでの予定利率の推移を調べてみるとどうやらそこまでは高くなかったようです。人間の記憶なんていい加減です(苦笑)。

それはともかく、今より良い利率であったことは間違いなく、だとするとやはりなかなか乗り換えの機運は高まってきません。

しかし。

それより何より今ひとつ生命保険の乗り換えが進まない背景としては、業法的にも業界的にも、直接的な比較広告であったり、アフィリエイト広告などを通じた第3者による推奨活動が制限されている、という点ではないでしょうか!?

やはり広告費がどんどん投下され、業者同士がノーガードで殴り合うような商材の方が販売が盛り上がるのは当然ですね。

もちろん、「お下劣」な比較広告や、完全に詐欺のようなアフィリエイト広告の販売手法もあるわけで、生命保険業界にはそうしたものがないとすれば相対的に「クリーン」ということになるのでしょうけれど、結果的に旧態依然とした業界ムラが生き残っているのであれば、それは消費者のためではなく、「業界のため」ということになってきます。

その通りなのでしょうけれど。

安倍政権は携帯料金の引き下げに熱心ですが、携帯料金以上に家計の負担となっているのが生命保険です。ぜひこうしたところにもメスを入れてほしいものですね。

そのためには繰り返しになりますが、まずは様々な広告手法の全面解禁はいかがでしょうか。これも「岩盤規制」とするなら、壊し甲斐があるような気がします。

期待したいと思います。

ということで今回の読者アンケートは「ネット生保のトップランナーであるライフネット生命ですが、成長はすでに頭打ちとなりつつあるようです。あなたのネット生保に対する興味や経験は?」でいきましょう。投票は9月17日まで。

■ネット生保のトップランナーであるライフネット生命ですが、成長はすでに頭打ちとなりつつあるようです。あなたのネット生保に対する興味や経験は?(9月17日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1290




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