まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日経新聞の世論調査によれば、マイナス金利政策を評価している方が33%と意外と高かったですが、あなたはマイナス金利政策を評価する?評価しない?」では・・・
1位:ローンなし/評価しない 66%
2位:ローンあり/評価しない 16%
〃:ローンなし/評価する 16%
となりました。言わずもがな、聞かずもがなですが、「評価しない」が圧倒的ですね。8割を超える方が「評価しない」と回答しているわけですが、言い換えれば2割近い方が「評価する」と回答しており、驚くべきはそちらかもしれません。
また、ローンがある方もマイナス金利を評価しているわけではないと言う点は興味深いですね。住宅ローンの場合、借り換えなどをしない限り金利が下がることはありませんのでマイナス金利のメリットを実感していない!ということかもしれませんが、ローンがあってもマイナス金利を評価しないとなると、一体誰が評価するのか、という気になってきます。
そうしたわけで前回のコラムでご案内したように日経新聞の調査でマイナス金利政策について、
・評価する : 33%
・評価しない : 47%
ということで「評価する」という回答が結構多かった理由は全く見えてきません。なぜなのでしょうね?
さてその全く不人気に見えるマイナス金利政策ですが、今月の下旬に予定されている日銀の「総括」作業でどのように評価されるかに関心が集まっています。
仮に「物価上昇に効果あり」「景気浮揚に効果あり」という結論になれば、人気があろうとなかろうと、さらに深堀されるのは間違いないと思いますが、ただ金融市場全体ではこの「総括」によってこれまでの金融緩和が一部方向転換されると予想しているようですね。
量的緩和は主に3つの方向性で実施されています。
1.金利引き下げ : 今やゼロ金利からマイナス金利へ。
2.量的緩和 : 市場から大量の国債を購入。
3.質的緩和 : 国債以外にも、ETFやREITを購入。
もしかすると「質的緩和」の意味は間違っているかもしれませんが、趣旨に関係ないので検証せず、このまま話を進めます(汗)。金融市場が何を懸念しているかと言えば、この2つ目の「量的緩和」についてですね。
筆者も具体的な数字を把握しているわけではありませんが、今のペース・規模で市場から国債を買い続ければ、あと2年もすれば実質的に全て買い尽くしてしまう、と言われています。そうした事態を回避するためにペースや規模を「柔軟化」させることが予想されるわけですが、この「柔軟化」を「金融緩和の後退」と解釈されれば、金利は上昇することになります。
金融緩和の拡大=金利低下なわけですから、金融緩和の後退=金利上昇となるのは当然です。
実際、足元の長期金利はじわじわ上昇しプラス水準への回復も目前という状態ですが、ただ実際に金融緩和が後退してしまうかと言えば、デフレに戻りつつある物価の現状を考えればそれはないと思います。
仮に上記の通り技術的な問題から「量的緩和が縮小」されるとしても「後退」と取られないよう、残りの2つ、つまり「金利の引き下げ」と「質的緩和」は大きく拡大されるのではないでしょうか。
要するにマイナス金利がさらに拡大されるということですね。
また、金融緩和の方向転換がないとすれば、これまで通り金融緩和は強化されていくことになりますので、やっぱりいつかどこかでマイナス金利は拡大されることになります。
実際、日銀の黒田総裁が「マイナス金利はまだまだ拡大できる」旨の発言をしているのもその地ならしと見ることができるかもしれません。
そのように考えると、物価が2%のインフレ目標に到達するまでは、マイナス金利はどんどん深堀されていくのは間違いなさそうです。
預金者からすれば誠に残念な状況ですが・・・。
果たして「総括」の結論はどうなるのでしょうか。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは10月1日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1294
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1060
--- Ginkou ---
民進代表選3氏、憲法改正で積極議論の姿勢
http://www.nikkei.com
15日投開票の民進党代表選に立候補した蓮舫代表代行、前原誠司元外相、玉木雄一郎国会対策副委員長は4日午前、NHK番組に出演し、憲法改正や経済政策などをめぐり、意見を交わした。3氏とも憲法改正について具体的に改憲を検討すべき項目をあげ、積極的に議論する姿勢を示した。
前原氏は憲法9条に自衛隊の規定がないことに触れ、「9条の1項と2項は変えず、『加憲』で自衛隊を位置づけることも党内で議論を提起したい」と述べた。衆院と参院の二院制を一院制にする可能性についても、党内で議論を進める意向を示した。
一方、玉木氏は法案が憲法違反かどうかを独自に判断できる憲法裁判所の創設を訴えた。憲法9条については「海外での武力行使を認めるような改正には反対」とした。蓮舫氏は「9条ではなく、今の時代に合わなくなったところは真剣に議論すべきだ」として、9条改正に否定的な考えを示し、地方自治の在り方などを例示した。
経済政策について、玉木氏は人口減少をとめるために就学前教育の無償化などを主張。「『こども国債』という新型国債を発行して大胆に進めたい」と提案した。蓮舫氏は「地方が元気になるようなお金の再分配をしていかなければいけない」と述べ、行政改革や税制改革でそのための財源を捻出する意向を示した。
一方、前原氏は「財源論から逃げずに『人への投資』を生み出すのが2人との違いだ」と強調し、2氏をけん制。目指す社会像について「全てのニーズを満たし、全ての人たちが負担する中で、みんなが納得し合える社会をつくっていく」と述べた。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
2016年は本当に選挙の年ですね!海外ではイギリス国民投票やアメリカ大統領選挙などがあり、国内では参議院選挙や都知事選などがありました。
しかも単に規模が大きい選挙があるだけでなく、その中身も議論を呼んでおります。イギリス国民投票はご存知の通り「EU離脱」という驚きの結果となりましたし、アメリカ大統領選挙も、何かと問題がありそうなトランプ氏が共和党候補にまで勝ち進んでおります。
今のところこうした選択が合理的なものとは残念ながら思えません。民主主義そのものに対する懸念が広がりつつあるのは間違いなさそうです。
実際、イラクやリビアでは独裁政権が倒れた後にISという最凶のテロ集団がはびこるわけですから、民主主義というのは根付かせるのも維持するのも大変ということですね。いやはや。
・・・と話が大きくそれていきそうですが、今回のネタはあくまで民進党の代表選挙です。まだ「民主党」と書いてしまいそうになりますが、この古くて新しい政党の代表選が行われるのですね!候補者は以下お三方です。
・蓮舫代表代行
・前原誠司元外相
・玉木雄一郎国会対策副委員長
ちなみにこの並び順にはどういう意味があるのでしょうね?アイウエオ順でもなく、現在の職歴順でも、過去の職歴順でも、当選回数順でもなさそうです。
あ、立候補順かな?
それはともかくとして、筆者が最近、政治家の資質として求めているのは「答弁の安定性」「論理的かつ正確であること」「攻撃的なだけでなく温和さや包容力が感じられること」です。要するに話を聞いてあまりドキドキしたくないのですね。安心して話を聞いていられるセンセイが好みです。
結局のところ加齢とともに保守的になっている、ということなのですかねぇ。
そうした観点から3者を眺めると・・・筆者はやはり圧倒的に前原氏ですね。資質だけでなく主張を聞いてもかなり現実的ですし、また財政再建に取り組む姿勢を明確にしているという点でも魅力的に映ります。
ただ筆者の感覚は世間一般からズレて久しく、世論調査ではまさに上記順番通り、
1位:蓮舫代表代行
2位:前原誠司元外相
3位:玉木雄一郎国会対策副委員長
というランキングのようです。
しかし都知事が小池女史、そして民進党が蓮舫女史ということになれば、もちろんただの偶然にせよ、何らかの意味づけをしたくなりますね。
イギリス国民投票の結果生まれたメイ首相も女性ですし、アメリカ大統領選挙の最有力候補であるヒラリー氏も女性ですからね!
彼女たちの政策に何らかの性差を強く感じることはありませんし、少なくとも小池知事や蓮舫女史は他の候補者と比較してむしろ攻撃的ではないかと思いますが、もしそこに何か共通のバックグラウンドがあるとすれば興味深いです。
たとえば女性候補者の方がビジュアル的に印象がよく、さらに男性中心の「既存の政治」に対する不満や閉塞感の受け皿になりやすいといった理由です。
「民主主義への信頼」が揺らいでいる今、もしかすると、女性の政界進出がさらに進んでいくのかもしれませんね。
筆者は基本的にリベラルですので、繰り返しになりますが「答弁の安定性」などが備わっていれば男性であろうと女性であろうと関係ありません。ただ「好きな政治家」として思い浮かべるのは男性政治家がほとんどです。
とは言いつつそれは性差というより、母集団の数のせいという気もしますし、機会の多寡や報道の多寡もあるような気がします。
また、そもそも人口構成を考えれば女性のセンセイが少なすぎるのは間違いありません。
何かの心理実験で「会議の生産性」を測定すると、「男性の中に女性がいる」チームというのが最も生産性が上がったようです。それが政治にも当てはまるのだとすれば、女性が過半数を占めるまでは、「女性の政治家が増えれば増えるほど政治の生産性が上がる」ということになりそうです。
とするとやはり、女性のセンセイたちの活躍に期待すべきなのでしょうね。
それでも今の蓮舫氏を応援したくなる気持ちにはなれませんねぇ・・・あと20年くらいして、女史が相当丸くなって余裕が出てくれば筆者の印象も変わるかもしれませんが。
ということで今回の読者アンケートは「民進党代表選に関する世論調査では、1位:蓮舫氏、2位:前原氏、3位:玉木氏ということのようですが、あなたが投票したいのは誰?」でいきましょう。投票は10月7日まで。
■民進党代表選に関する世論調査では、1位:蓮舫氏、2位:前原氏、3位:玉木氏ということのようですが、あなたが投票したいのは誰?(10月7日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1296
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