まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「アメリカ大統領選挙では、ヒラリー氏とトランプ氏の人気がほぼ拮抗している状態ですが、日本にとってメリットの大きい候補者はどっち?」では・・・
1位:ヒラリー氏 58%
2位:どちらとも言えない 23%
3位:トランプ氏 17%
となりました。1位は「ヒラリー氏」で約6割ということですね。恐らく・・・それは間違いないでしょう。
一方2位は「どちらとも言えない」ですが、個人的にはこれにも賛同します。先日のコラムでもご案内したように、今やどちらも保護主義的な経済を志向しており、TPPには絶対反対というスタンスです。本来、共和党が自由経済、民主党が保護経済なはずですが、今回に限っては「保護vs保護」ということでどちらが大統領になっても今後閉鎖的な経済政策が取られるのは間違いなさそうです。
とすると輸出に頼る日本としては困ってしまいますよね・・・もちろん本当に困るのはアメリカの労働者であり、アメリカの貧困層ではあるのですが、そうした冷静な指摘は感情的な声にかき消されております。
イギリスのBrexitもそうですが、しばらくはこうしたグローバリズムに対する反動の動きが盛り上がってくるのかもしれません。実際に経済を閉じて前より悪化することでようやく気付く、ということになるのでしょうか。壮大で、危険で、得る物が少ない実験ですが・・・。
ただ我々第3者がトランプ氏をヒールとする構図はとてもシンプルかつ魅力的でもあるのですが、しかしもちろんアメリカ国民だって馬鹿ではありません。彼が大統領候補にまで上り詰め、国民の約半数が彼を支持しているのにはもちろん単なるポピュリズムだけではない確かな根拠があるはずです。
残念ながら前回の討論会では、彼の魅力を理解することはできませんでしたが、残り後2回ありますしね。じっくり、その人気の秘密を体感したいと思います。
ちなみに少し気になるのはウィキリークスが近々このアメリカ大統領選挙に関する暴露資料を発表すると報道されている点です。大きなネタであれば情勢が変わってくる可能性もありますね。果たしてその中身は何なのでしょうか?
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは10月28日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1302
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1069
--- Ginkou ---
三井住友銀が初の首位 リテール力調査、顧客対応に高評価
http://www.nikkei.com/
日本経済新聞社と日経リサーチは全国の117銀行を対象に第12回「銀行リテール力調査」を実施した。店頭での顧客対応で高い評価を受けた三井住友銀行が初の首位に立った。りそなグループから、りそな銀行が2位、埼玉りそな銀行が4位に入った。大阪府の池田泉州銀行が3位に躍進するなど、地銀の健闘も目立った。
調査員が店舗に出向いて接客姿勢や商品の相談・説明能力などを覆面で調べた。商品内容などのアンケート調査も加えて店頭サービスと商品充実度を点数化し、300点満点で順位を付けた。
メガバンクが首位となったのは2013年以来3年ぶり。三井住友銀は今年度に導入した実践形式の行員研修などが効果を上げた。投資信託の商品数や外貨預金の種類の豊富さなど、商品の充実度も評価され2位以下に10点以上の差をつけた。2位のりそな銀は営業時間を拡大するなど顧客との接点を広げている。
地銀は上位10行のうち5行を占めた。3位の池田泉州銀は午後9時まで営業する店舗を設け、平日昼間の来店が難しいサラリーマンなどの利便性を高めている。4位の埼玉りそな銀は店頭での丁寧な接客やあいさつが高評価につながった。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
10月となりました。10月と言えば、運動会、食欲の秋、読書の秋、そして日経新聞による「銀行リテール力調査」ですね(笑)。以前は夏場に発表されていたこともあるようですが、ここ数年は「10月1日前後」ということで落ち着いたようです。
ちなみに今から書こうと思っていることも、結論も、昨年の内容とほぼ同じです。実際、この書き出しからして去年の丸写しです。予めご了承の上、ご笑読ください。読者の方々は辟易とされているかもしれませんが、筆者からすれば省エネでコラム1本を書きあげられますので、ツッコミどころ満載の調査を愚直に続ける日経新聞に感謝すべきなのかもしれません。
ありがとう、日経新聞!そしてスポンサーの銀行たち!
さて本題に戻って気になる順位ですが今年はこのようになっております。( )内は前年の順位ですね。
1位(2位) 三井住友銀行
2位(8位) りそな銀行
3位(14位) 池田泉州銀行
4位(6位) 埼玉りそな銀行
5位(23位) 横浜銀行
6位(5位) みずほ銀行
7位(4位) スルガ銀行
8位(16位) 三菱UFJ信託銀行
9位(27位) 三井住友信託銀行
10位(22位)千葉銀行
10位(1位) 新生銀行
あらら・・・昨年のランキングはまだ「マシ」だったわけですが、今回はまた旧態依然とした銀行が並ぶという違和感のある結果に逆戻りですね!いかがでしょう?読者のみなさまの実感に合うでしょうか?
毎回書いていることですが、これが名前の通り「銀行リテール力」、つまり「銀行の個人向けサービスの総合ランキング」ということであれば筆者は賛同できません。筆者が普段利用している銀行でランクインしている銀行は・・・ぎりぎり新生銀行のみです。
当サイトで人気の高い銀行と言えばそれ以外に住信SBIネット銀行やオリックス銀行、じぶん銀行(現auじぶん銀行)などもありますが、これらは上記ランキングでは影も形もありません。発表されている20位までチェックしてもやはり出てきません。
なぜかと言えば・・・このランキングが「店頭サービスや金融商品の充実度を比較」した調査であって、リアル店舗を展開していないネット銀行は含まれないからです。しかし今時、リアル店舗における店頭サービスってそんなに重要なのですかね!?
少なくともこのランキングは「リテール力」を総合的に調査したものではなく、あくまで「銀行の店頭でのサービス力」を調査したものに過ぎませんので、誤解を生むような表現はやめ、ぜひ内容に即した分かりやすいもの、例えば「銀行店頭サービスランキング」などに変更していただきたいと思います。
そうすればネット銀行がランクインしてこない理由が自明となりますからね。
ちなみに筆者自身は銀行の店頭サービスをほぼ全く使いませんので、毎年取り上げていて何ですが、そもそもこちらのランキングへの興味があまり高くありません。加えてさらに興味を失わせるのが、調査結果の信憑性の低さです。
今年の1位は三井住友銀行で2位はりそな銀行、3位は池田泉州銀行となっており、店頭サービスをほとんど利用していない筆者が、その結果に異論を唱えるものではありませんが、どうにもこうにも違和感を感じるのは毎年そうですが、前年からの順位変動の激しさですね。
昨年1位の新生銀行はあっさり10位に転落しておりますが、上位11銀行中、昨年から引き続きベスト10に留まっているのは6行のみです。今年2位のりそな銀行は昨年8位、3位の池田泉州銀行は昨年14位だったわけですしね。
つまり・・・繰り返しになりますが順位の連続性がほとんどないということです。もし客観的に「リテール力」を数値化できるのであれば、これほどまでに激しい順位変動が毎年繰り返されることはありえません。
ちなみに昨年のランキングはこうでした。
1位(12位) 新生銀行
2位(4位) 三井住友銀行
3位(-) イオン銀行
4位(36位) スルガ銀行
5位(5位) みずほ銀行
6位(11位) 埼玉りそな銀行
7位(48位) 広島銀行
8位(1位) りそな銀行
9位(30位) 近畿大阪銀行
10位(37位)常陽銀行
やはりその前の年=一昨年の順位との間に連続性が全くないことが分かります。昨年3位のイオン銀行が今年はあっさり姿を消しているわけですから、あまりにもいい加減です。
仮に、銀行サービスが日進月歩で進んでいて、その結果ランキングが毎年目まぐるしく変わるということであれば納得もできなくもないですが、皆さんもよくご存知の通り、銀行のサービス改善は亀のような歩みの遅さですね。いや、それだと亀に失礼かもしれません(笑)。
ほとんど利用した事はありませんが、今年大きくランクアップした2位のりそな銀行にせよ、1位の三井住友銀行にせよ、逆に大きく順位を下げた昨年1位の新生銀行にせよ、この1年でそうした順位変動の原因となるようなサービス内容の変更があったかと聞かれれば「ノー!」と断言できます。と言うより「ほとんど全く変わっていない」のは間違いありません。
いずれにせよ、それほど大きな変化が起こりにくい銀行サービスの評価で毎年これだけ激しくランキングが動くというのは結局・・・それだけ調査結果に客観性がない、ということです。
もちろん調査手法が手抜きだとか、適当な気持ちでやっているとは思いません。調査方法は「調査員が店舗に出向いて、窓口での接客姿勢や金融商品の説明能力などを覆面で調査した」とのことで、真面目に時間をかけて調査しているのだと思いますが、それでもやはり、こうした主観的な評価を数値化して、客観的に統計的に順位付けするのは難しいということですね。
そもそも、接客してくれる銀行マンによって、当然接客サービスの品質にはバラツキが出てきます。要は「当たり外れ」があるということです。
加えて、調査員と銀行マンとの「相性」も当然、評価に影響してきます。これは優劣の問題ではありませんので、客観的な評価をより難しくさせますね。
こうした不確実性を排除するためには、相当な人数での調査を実施したり、あるいは「同じ人が調査をする」といったことが求められますが、現実問題としては費用的にも時間的にもなかなか難しいでしょうね。
そんなわけで日経新聞さんには申し訳ないですが、筆者自身はこの結果を全く信用していません。恐らく、来年も1位が入れ替わり、上位銀行の顔ぶれもガラっと変わると断言できます。
仮に今後、毎年順位がそれなりに安定してくるようになれば・・・もう少し分析をしようかな?という気になるのですが。読者のみなさんはどうお感じでしょう?
ただ毎回ご案内しているように、逆説的に言えば、それだけ順位が安定しないということは、銀行間の店頭サービスにそれほど大きな違いがないと考えることもできます。
また、店頭サービスの評価に銀行マンの「当たり外れ」や「相性」が大きく影響するということであれば、特に周りの評価やランキングを気にする必要はなく、自分が気に入った担当者いれば、そこが自分にとってNo,1の銀行だ、と考えることもできるかもしれませんね。
とは言いつつもちろんこれは、あくまで「数値化しにくい店頭サービスの品質」を順位付けする際の話であって、「金利」や「手数料」、「商品力」、「利便性」といった「本来の意味の銀行リテール力」については、もっと客観的に計測できるものであり、その結果や優劣、順位はもっと固定的なものになるとは思いますが・・・。
実際のところ、当サイトのアンケート結果を見ても上位の銀行の順位はほぼ安定しています。そうした点ではやはりそろそろ日経新聞さんも調査手法を抜本的に見直す時期に来ているのではないでしょうか?どうぞご検討ください。
(と、毎年書いて締めくくっております。笑)
では今回の読者アンケートも例年に倣い、「日経新聞が実施した2016年銀行リテール力調査では、1位が三井住友銀行、2位がりそな銀行、3位が池田泉州銀行となりましたが、この結果に納得できる?」でいきましょう。投票は11月5日まで。
■日経新聞が実施した2016年銀行リテール力調査では、1位が三井住友銀行、2位がりそな銀行、3位が池田泉州銀行となりましたが、この結果に納得できる?(11月5日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1304
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
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