まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「過酷なノルマによるスキャンダルが発覚したアメリカのウェルズ・ファーゴ銀行を念頭に、金融庁は銀行の過度なノルマを取り締まる方向とのことですが、あなたは銀行員のノルマをどう思う?」では・・・
1位:どちらでも良い。 75%
2位:ない方がいい。 25%
となりました。1位は「どちらでも良い。」で約8割となっています。
渾身のアンケートでしたが、あまり盛り上がらなかったですね(苦笑)。それだけ銀行員のノルマを意識することはない、ということなのでしょう。
ただ言い換えればそれは、現状の銀行員の接客姿勢や営業姿勢について、利用者は問題意識を持っていないということですね。だとすればまぁ、良いことなのでしょうね。
とすると、金融庁がしゃかりきに銀行員のノルマを取り締まっても・・・特に良い影響はなさそうです。
そもそもノルマとは無縁の世界に生きている公務員が効果的に取り締まれるかというのも疑問なのは前回ご案内した通りです。金融庁としてはアメリカの事例に過剰に反応するのではなく、日本の利用者の不満が高まった時点で取り締まるのが良さそうですね。
こうしたところでも「草食化」が進んでいるのでしょうか・・・。ちなみに本来、「草食男子」とは良い意味だったようですが。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは12月2日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1312
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1081
--- Ginkou ---
日経平均は大幅続落、終値は919円安 トランプ氏優勢で全面安
http://headlines.yahoo.co.jp
東京株式市場で日経平均は大幅続落。下げ幅は一時1000円を超え、取引時間中としては8月4日以来、3カ月ぶりの安値を付けた。東証1部銘柄の97%が値下がりする全面安商状。米大統領選で共和党候補のトランプ氏が優勢との見方が広がり、投資家のリスク回避姿勢が鮮明となった。
日経平均の値幅(高値と安値の差)は1315円90銭となり、英国のEU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票で相場が大きく動いた6月24日(1525円16銭)に次ぐ今年2番目の大きさ。終値ベースでの下げ幅も今年2番目の大きさとなった。投資家の不安心理の度合いを示す日経平均ボラティリティ指数は、一時30ポイント台を付け、7月29日以来の水準まで上昇した。
※抜粋
〔 出典:ロイター 〕
--- Ginkou ---
株式相場が大きく下落していますね!なんと919円も下がったようです。その理由はといえばアメリカ大統領選挙の結果、トランプ候補が優勢になったからですね。
このコラムを執筆時点では、選挙人の数でいうとまだクリントン氏215人対トランプ氏244人ということでどちらも過半数である270人に届いていないわけですが残る大票田であるペンシルバニアもトランプ氏がわずかに優勢のようですので、トランプ氏勝利は「ほぼ確実」と言える状況です。
もしかすると執筆中に決まるかもしれませんが、いずれにしてもトランプ氏が勝利すればイギリスのBrexit以来の衝撃ということになります。どちらも「怒れる大衆」が既存の政治に対してノーをたたきつけたわけですね。
またどちらも、「保護主義」「孤立主義」的な動きと言え、戦後様々な血と汗と涙と苦難の上積み上げられてきた「自由貿易」の枠組みの強烈な痛手となりそうです。「反グローバリズム」ということです。
門戸を閉ざして困るのは自国民であるはずなのですが、感情的になっている人々の耳には届きません。こうした、おそらく「誤った選択」が早めに、傷が浅いうちに軌道修正されることを祈りたいと思います。
日本はまさにそうした「自由貿易」の恩恵を最も受けた国の1つですからなおさらです。
ただそうは言いつつ民衆の決断は示されたわけで、それを他国民が批判しても仕方ないので、「トランプ大統領」の利点について考えてみたいと思います。
まず最も大きな利点は、議会と大統領との「ねじれ」がなくなるという点ですね。議会の下院は共和党が勝利したようですし、上院も拮抗しているようです。とすると大統領も共和党になれば、よりスムーズな政策執行が期待できます。
もちろん、トランプ氏が公約したような大幅な減税を行えばあっと言う間に政府の債務残高が膨らむでしょうから、「小さい政府」を志向する共和党が素直に従うのかどうかはわかりませんが、少なくとも「クリントン大統領」よりはるかに政策のすり合わせが容易なのは間違いありません。
加えてトランプ氏が目指すのは「アメリカ第一」であり「雇用第一」ですから、奇跡的に政策がうまくいき、雇用を取り戻せればアメリカ経済は新たな成長軌道に乗ることになります。
こと経済においては「変化はチャンス」ですからね。
また、当面は不透明感から世界の株価は大きく下落し、円高ドル安が進むでしょうから、日本の投資家としては「投資のチャンス」と言えます。ただでさえ割安に海外資産に投資できることに加え、上記の通りトランプ大統領が仮にアメリカ経済の成長を加速させることができればその後の値上がり益も期待できるわけでWでおいしいですね。
さらにトランプ氏は今のFRBもあまり好きではないようですので、仮にFRBメンバーが交代することになれば、利上げペースはかなり遅くなるものと思います。とすると金融政策として正しいかはともかくとしてアメリカの株価の上昇要因になってきます。
筆者がこうしたトランプリスク(チャンス?)に賭けるかと言われれば微妙ですが・・・。
後は何でしょう?日米安保は不安定になるでしょうし、アメリカ市場が閉じれば日本の輸出企業は困るでしょうし、TPPも海の藻屑となるでしょうから、懸念は切りがないですね(苦笑)。
ただそういう時こそ、つまり期待値が低ければ低いほど、うまく行ったときの反転はすごいものになるのではないかと思います。
今回は史上最大の「ノーベンバー・サプライズ」となりそうですが、来年は良い意味での「サプライズ」を期待したいものですね。
政治はそう甘いものではないでしょうけれど・・・。
では今回の読者アンケートでは、「アメリカの大統領選挙はトランプ氏の勝利がほぼ確実な状況ですが、あなたの気持ちは期待と不安のどっち?」でいきましょう。投票は12月9日まで。
■アメリカの大統領選挙はトランプ氏の勝利がほぼ確実な状況ですが、あなたの気持ちは期待と不安のどっち?(12月9日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1314
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