執筆者: ginko 発行日付: 2017-03-08
まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「アメリカの金融市場はこれまでのトランプラリー=株高・金利高・ドル高の動きから、株高・金利安・ドル安という何だかよく分からない動きになっています。今後もトランプラリー=株高・金利高・ドル高の動きは続く?続かない?」では・・・
1位:続かない 44%
2位:もう少し続く 22%
〃:分からない 22%
4位:まだまだ続く 11%
となりました。1位は「続かない」で約4割となっています。日本人の「トランプ不信」を象徴した結果と言えそうですね。
ただ一方で「もう少し続く」と「まだまだ続く」を合わせると3割となり、全体的にはむしろ拮抗していると言えるのかもしれません。
そんなトランプ氏ですが、先週の当欄でもご案内したように議会演説を行いましてその内容に注目されたわけですが、その中身は期待に反してほぼゼロ回答でした。つまり新しい情報が何もなかったということですね。
とすると失望から株価が下がってもおかしくないと感じるわけですが、アメリカの株価チャートはこのようになっています。
つまりは相変わらずの高値圏を維持しているということですね!実際のところ、件の議会演説も「大統領らしくて良かった」という好意的な感想が大半だったようです。
「大統領らしい」というよく考えれば当たり前のことがプラス評価に変わるあたり、トランプ氏への期待の低さ、そして懸念の大きさを物語るわけですが、ただ一般的には、「高い期待値」からスタートするよりは「低い期待値」からスタートした方がメリットが大きいわけで、うまく「右肩上がり」の状況が続けられるのかどうか注目です。
ただ一方で、株価そのものは率直に言ってかなり「高い期待値」からスタートしていると思いますので、この水準を維持するのはなかなか難しいのではないかと思うのですがどうなのでしょうね?
トランプノミクスの期待の源泉は「大幅な減税」と「大規模な公共投資」なわけですが、どこまで実現可能なのかさっぱり分かりません。カギを握るのは上下院で与党となっている共和党ですが、トランプ氏の派手な言動にさえぎられてほとんど報道されていない気がしますがどうしょう?
ぜひ共和党の動向についても教えてほしいものですね。「小さい政府」を志向する共和党としては「減税」はともかく「インフラ投資」は簡単に相容れない気がしますが・・・。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月1日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1353
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1118
--- Ginkou ---
ネットバンク利用者が減少傾向に - 利用中の銀行1位は?
http://top.tsite.jp
マイボイスコムは3月3日、第18回「インターネットバンキングの利用」に関する調査結果を発表した。調査期間は1月1日~5日、有効回答は10代以上の個人1万1,270人。
インターネットバンキングの利用経験率は69.8%(前回2016年70.1%)、「現在利用している」は62.9%(同63.4%)で、共に2008年をピークに減少が続いている。
インターネットバンキングで利用しているサービスを尋ねると、「口座情報の照会・明細の確認」「振り込み・送金」が各8割で上位2位に入った。
現在利用しているインターネットバンキングは、「楽天銀行」が51.7%で最多。以下、「ゆうちょ銀行」「住信SBIネット銀行」「三菱UFJ銀行」「PayPay銀行」「三井住友銀行」が各2~3割で続いた。
最もよく利用しているインターネットバンキングは、「楽天銀行」が28.8%、「住信SBIネット銀行」が10.3%、「三菱UFJ銀行」「ゆうちょ銀行」が8~9%との順になった。「満足」している割合は、『じぶん銀行(現auじぶん銀行)』『ソニー銀行』『ゆうちょ銀行』で各30%台だった。
インターネットバンキング選定時の重視点を聞くと、「手数料が安い」の64.7%が1位。インターネットバンキングを「積極的に利用したい」「まあ利用したい」人は計67.3%で、このうち「パソコン」から利用したい人は89.4%(同91.7%)と前年より減少した一方、「スマートフォン」は27.9%(同22.9%)、「タブレット端末」は8.8%(同8.5%)と、共に前年より増加した。
〔 出典:T-SITE 〕
--- Ginkou ---
本日は久しぶりに銀行情報らしいこちらのニュースから。インターネット調査のマイボイスコム社が「インターネットバンキングの利用」に関する調査を実施したようですが、なんとインターネットバンキングの利用経験率は2008年をピークに減少が続いているとのことですね!
グラフとしてはこうなっています。
確かに下がっていますね!マジですか。これだけネット文化が浸透しているのにどうしたわけでしょうか。
予想に反する結果が出てくるとまずその信ぴょう性を疑いたくなるわけですが、回答者数は1万人を超えているわけですし、過去一環して利用率が下がっているところを見ると、この結果は信じて良さそうです。
そうしたわけで話を進めて、ではなぜインターネットバンキングの利用率が下がっているのでしょうか?
残念ながら上記記事ではそのあたりについての考察はゼロですので仮説を考えてみます。ポイントとなるかもしれないのが「2008年がピークだった」という点ですね。
2008年と言えばやはりリーマンショックです。おそらくこのタイミングで投資ニーズは一気に冷え込んだものと思います。
実際に投資を行っている人は全預金者の中の2~3割程度、あるいはもっと少ないかもしれませんが、しかしそうした多くはないものの少なくもない方々がインターネットバンキング経由での投資をお休みすれば確かに全体の利用率は下がりそうです。
ただそうした「投資ニーズ」に連動しているのであれば、2013年以降の株価回復局面で多少、利用率が改善されても良さそうなものですがそうならないところを見ると・・・これが「主犯」ということはなさそうです。
もっと中長期的なトレンド変化を考えてみると・・・思いつくのはPCからスマホへというデバイスの変化ですね。今やインターネットへのアクセスという点ではスマホの方がシェアが大きいのではないかと思いますが、スマホ経由でインターネットバンキングが利用しやすいかと言うと・・・それはないでしょうね。
そもそもモバイル対応していないインターネットバンキングもありそうです。となると、スマホ全盛の時代にインターネットバンキングに逆風が吹くのも当然なのかもしれません。
また、「語感」としてインターネットバンキング=PCとすると、スマホ経由のインターネットバンキング=スマホバンキングを「インターネットバンキングではない」と思って回答した人もおられるかもしれませんね。
しかし筆者がインターネットバンキングの利用率の低下の理由として真っ先に思い浮かんだのは、「ネット不正送金被害の拡大」と、それに伴う「セキュリティの強化」ですね。
今やワンタイムパスワードが業界標準となりつつある現状では、インターネットバンキングへのログインがかなり面倒になっているのは間違いありません。乱数表ならコピーすれば簡単に持ち歩けたわけですが、もはやデバイス=機械ですからね。
ログインのしやすさと言う点では、より安全だったガラケー時代の方がマシだったかもしれませんね・・・。
というわけで全く根拠はないものの(笑)、筆者はこの「セキュリティ強化主犯説」を支持しますがいかがでしょうか?
それはともかく過去6年で10%も利用率が低下したインターネットバンキングの将来を懸念してしまいますが、さらに技術革新が進み、高いセキュリティレベルを維持したまま簡単にログインできる手法が開発されることを期待したいと思います。
ということで今回の読者アンケートは「マイボイスコムの調査によればインターネットバンキングの利用率は2008年をピークに減少が続いているようですが、あなたの利用率はどう変わった?」でいきましょう。投票は4月8日まで。
■マイボイスコムの調査によればインターネットバンキングの利用率は2008年をピークに減少が続いているようですが、あなたの利用率はどう変わった?(4月8日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1355
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