まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「マイボイスコムの調査によればインターネットバンキングの利用率は2008年をピークに減少が続いているようですが、あなたの利用率はどう変わった?」では・・・
1位:変わらない 63%
2位:むしろ増えた 36%
となりました。1位は「変わらない」で約6割となっています。
また2位は「むしろ増えた」で4割。つまりはこの「変わらない」と「むしろ増えた」の2つが回答のすべて、というわけですね。
要するに当サイトのアンケート結果からはインターネットバンキングの利用率がピークアウトしている様子はうかがえないわけですが、とは言いつつマイボイスコム社の調査が信頼できるものとすると・・・その答えは「若年層のインターネットバンキング離れ」ということなのかもしれませんね。
当サイトの読者の方々は運用ニーズがある方がメインと思われますので、比較的年齢が高めと考えられるからです。
では話を進めて、なぜ若年層のインターネットバンキング離れが進んでいるかを考えると、やはりPCを使っていないから、ということになるのでしょうね。なんでもかんでもスマホの時代ですが、そもそもスマホ対応していないインターネットバンキングもありそうですし、仮に対応していたとしてもセキュリティの高さがネックとなってログインしづらくなっている場合も多そうです。
仮説に仮説を重ねた話ですので、全く見当違いとなっている可能性もありますが、もしこの仮説が正しいとすれば中長期的にインターネットバンキング利用者の減少が続きそうです。
今、24時間スマホに慣れ親しんでいる層が、10年後・20年後にPCに戻ってくるということはないでしょうからね。
そうしたわけで本当にインターネットバンキング離れが進んでいるのであれば、業界関係者の方々はぜひ早めの対策をおススメしたいと思います。
言われなくてもわかっていると怒られるかもしれませんが。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月8日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1355
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1120
--- Ginkou ---
ヘッジファンド、マクロの成績振るわず-トランプ時代への期待先行
https://www.bloomberg.co.jp
2017年はマクロ戦略ヘッジファンドが輝く年と考えられている。しかしこれまでのところ、そうでもない。
年初の2カ月の成績は素晴らしいとは言い難い。ヘッジファンド・リサーチによれば、マクロファンドの2月末までの成績はプラス0.3%。これに対しヘッジファンド全体の平均はプラス2.2%。MSCIワールド指数は5%上昇した。
「トランプ氏が大統領に選ばれれば米金融当局がタカ派色を強めるだろうという読みがあった」と、アバディーン・アセット・マネジメントの米州ヘッジファンド担当責任者ダレン・ウルフ氏がインタビューで述べた。「米国と世界の他の国・地域との政策の乖離(かいり)は通常、マクロ戦略ファンドにとって追い風だ」と解説した。
ところがそうはいかなかったとヘッジファンド運用者らは言う。一つには、今までのところ変化が大きくはないためだという。市場は税制や貿易について実現した改革によってではなく、提案された政策に期待して動いてきた。同時に、運用者らは大統領選挙後の熱狂の波に乗ろうとしながら用心もしている。
一部のファンドは米国債の動きを読み間違えた。さらに、外国為替市場の動きもマクロファンドに「優しくなかった」と運用者向けニュースレターを発行するロバート・サベッジ氏は指摘。「大半のファンドが今もドルをロングにしているが、成果は上がっていない」と述べた。
日本株をロング、円をショートにする日本のリフレトレードでも損失が出た。「第4四半期には大きな利益を上げたが2017年に入ってからそれを返上した」とウルフ氏は話した。
それでも、マクロファンドの成績が上向く転換点は近いと多くの運用者が考えている。オディ・アセット・マネジメントのクリスピン・オディ氏は1月成績に関する顧客宛て書簡で、「各国政府が互いや自国の中央銀行と対抗する時期に入りつつあるように思われる。奇妙なことだが、これでやりやすくなる」と書いている。
〔 出典:Bloomberg 〕
--- Ginkou ---
最近は徐々に減ってきてはいると思いますが、それでもまだ「悪徳金融業者」を中心に「ヘッジファンド礼賛」の広告文言を見かけることがあります。
要するに、「世界ではものすごい成績の良いヘッジファンドがあるのに、日本では販売されていない。銀行の陰謀によって多くの日本人は無知であるが、富裕層は目ざとくそうした海外のヘッジファンドを利用して多額の利益をあげている。あなたもぜひそうしたヘッジファンドを通じて資産形成を!」と言った具合ですね。
確かに日本ではそれほど多くのヘッジファンドが販売されていませんが、その理由はもちろん「無知」だからではなく、単純に成績が冴えないからですね。これまでいくつかそうした日本市場向けのヘッジファンドが販売されたことがありますが、どれもあまりパっとしない成績で終了している感があります。
特に昨年=2016年以降は、株価指数やそれに連動するインデックスファンド(パッシブファンド)の運用成績は好調な一方、ヘッジファンドは悲惨な成績であるという話をよく耳にします。
ヘッジファンドの苦戦はその多額の手数料にも起因していると思いますが、では具体的な運用成績はと言うと上記Bloomberg社の記事を引用すると、2017年の成績は今のところこうなっているようです。
・MSCIワールド指数 : +5.0% ※インデックス
・ヘッジファンド全体 : +2.2%
・マクロ戦略ヘッジファンド : +0.3%
・・・確かに悲惨ですね!これでヘッジファンドのファンドマネージャーが数億円の報酬をもらっていると思うと、顧客でなくても怒りたくなるのではないかと思います。
いずれにしても具体的な数字を見る限り、冒頭ご案内した「ヘッジファンド神話」は全くのデタラメだということですね。
さてそのヘッジファンドについて伝説の投資家であるバフェット氏は、投資家向けの書簡の中で
・大したリターンも生み出さないのに、手数料だけはバカ高いヘッジファンド
・過去10年間で、投資家たちは手数料が高く、リターンの低いヘッジファンドに対する手数料の支払いで、推定1000億ドルをどぶに捨てた。
とこき下ろしたようです。手厳しいですね(笑)。
もちろんそうした結論に至るには理由があるからで、バフェット氏によればこうした経緯があったようです。
・我々は2007年、「10年越しで、パッシブ運用と、ヘッジファンドなどが採用するアクティブ運用のどちらが優れているか」という投資手法の賭けを、「ヘッジファンドに投資するファンド」のプロテジェ・パートナーズと始めた。
・私は、手数料の低いインデックス投資ファンドが、向こう10年間のリターンでヘッジファンドを上回ると見て、S&P500種指数連動ファンドを買い、ヘッジファンドを売る100万ドルのポジションを構築した。
・私と反対の相場観を持っていたプロテジェ・パートナーズはヘッジファンドへの投資に特化した5つの投資ファンドに資金を投入した。今年末の期限まであと1年を切った今、100万ドルの元手から、彼らは手数料支払い後22万ドルの利益を生み出したが、我々は85万4000ドルものリターンを叩き出した。2007年以来で比べれば、現時点でこの5つのファンドのうちS&P500種指数連動ファンドを上回っているものは一つもない。私が勝利を収めることは、もう確実だ。
バフェット氏はヘッジファンドの「売り」も組み合わせているようですので、これをもって単純にパッシブ運用(インデックス運用)の勝ち、と言えるのかどうかは分かりませんが、ただ統計的に言えば「アクティブ運用がパッシブ運用(インデックス運用)に勝利するのは難しい」と言われていますので納得できる結果だと言えます。
ちなみにこの賭けは、収益を慈善団体に寄付する目的ということですから単なる金持ちの道楽ではありません。いや、これこそ金持ちの道楽だという指摘はあるかもしれませんが・・・。
それはともかくとして、こうした話が指し示す結論は1つですね。要するに「統計的に勝つのはパッシブ運用=インデックス運用だ」ということです。
したがって投資に迷ったら「インデックスファンドを買っておけ」ということです。
また、くれぐれも「世界には凄いヘッジファンドがある」と言った胡散臭いセールストークに騙されないようにしてくださいね(笑)。そんなものがあるならとっくに販売されているはずです。
ということで今回の読者アンケートは「伝説の投資家であるバフェット氏は、大したリターンも生み出さないのに手数料だけはバカ高いとヘッジファンドをこき下ろしておりますが、あなたのヘッジファンドに対するイメージは?」でいきましょう。投票は4月15日まで。
■伝説の投資家であるバフェット氏は、大したリターンも生み出さないのに手数料だけはバカ高いとヘッジファンドをこき下ろしておりますが、あなたのヘッジファンドに対するイメージは?(4月15日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1357
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