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クラウドファンディングに処分!

執筆者: ginko 発行日付: 2017-03-29

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「仮に不正送金の被害に遭ったとしても、最新のOSやウイルス対策ソフトを利用していれば銀行がその損失を補てんしてくれるということを知っている?知らない?」では・・・

1位:知らない 63%
2位:知っている 36%

となりました。1位は「知らない」で約6割となっています。

意外と知らない方が多いのですね!当サイトで何度か取り上げた記憶があるのですが、随分前だったかもしれません。

いずれにしても最新のOSやウイルス対策ソフトを利用するなど、利用者に責任がないとされる場合には銀行がその損失を補てんしてくれることになっておりますので、安心してインターネットバンキングをご利用いただければと思います。

ちなみにその「損失補てん割合」ですが、金融庁の発表によればこうなっています。

・25年度 : 91.2%
・26年度 : 84.0%
・27年度 : 84.4%
・28年度 : 84.0%


この3年はピッタリ84%台に張り付いていて違和感がありますが、ほとんどのケースで補てんされているということですね。

逆に言えば補てんされていない残り16%の内訳が気になるところですが、暗証番号と乱数表を一緒に紛失したなどでしょうか?

いずれにしても、もし金融機関側の対応に一方的なものがあれば、恐らくこれまでの間に何等かの形で表面化しているはずで、そうならないところを見るとやはりそれなりに適切に運営されていると信じて良さそうです。

ちなみに28年度はまだ終わっておりませんが、このインターネット不正送金の発生件数を「月平均」で見るとこのように推移しています。

・25年度 : 163件
・26年度 : 117件
・27年度 : 128件
・28年度 : 70件


今年度は明らかに減少傾向にありますね!各銀行のセキュリティ強化のおかげかと思います。

インターネットバンキング利用者の立場で言えばこれ以上利便性を下げてほしくない気もしますが、引き続き不正送金の被害が減少していくことを願いたいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月22日まで。

〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1359

〔前回のコラム〕https://www.ginkou.info/column/20170322.html



 --- Ginkou ---

監視委、ネット小口融資で初の処分勧告
http://www.nikkei.com


証券取引等監視委員会は24日、インターネットで不特定多数から小口融資を募るクラウドファンディング(CF)を手掛ける「みんなのクレジット」に対し、金融商品取引法に基づき行政処分するよう金融庁に勧告した。CF業者に対する処分勧告は初めて。同社は顧客への説明とは異なる融資先に貸し付けていたり、不適切な運用をしたりしていた。

監視委によると、同社は昨年4月以降、数千人の出資者から約44億円のお金を集めた。出資者への説明とは異なり、ほとんどのお金を同社の親会社や関連のグループ会社に貸し付けていた。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---


世の中、怪しげな金融商品は少なくないわけですが、その中の1つがクラウドファンディングソーシャルレンディングと呼ばれる、ネットで個人から投資を募る仕組みです。

もちろん全てのクラウドファンディングやソーシャルレンディングが「悪徳」というわけではなく、昨年ヒットしたアニメ映画「この世界の片隅に」もクラウドファンディングを利用したことで有名ですね。この場合は「真っ当だった」ということになります。

場合分けしていくと、「最も真っ当」なのは「個人からの資金は必要ではないけれど、宣伝目的・マーケティング目的でクラウドファンディングを利用する」というケースです。要するに話題作りや、顧客との「」作りが目的なわけですね。

資金的に余裕があるはずの大企業がクラウドファンディングを利用するのはこのケースに該当します。

その次の「おそらく真っ当」なのは「新商品開発などの明確な資金使途のあるベンチャー企業が、資金確保のほか、宣伝目的でクラウドファンディングを利用する」というケースです。

出資すればその商品の完成後にもらえるパターンが多く、その点では「購入予約」に近いですが、もし商品開発に失敗すれば投資家は出資金を失うことになります。上記「この世界の片隅に」もこのケースですね。もちろんこの映画の場合は「開発」に大成功したわけですが。

ただそれでも完全に「真っ当」と言えない点としては、「偽の商品開発計画」を提示して出資金を持ち逃げしてしまうことがあるからで、海外ではすでに何件もそうした事件が発生しているようですから注意が必要です。

では逆に「最も怪しげ」なクラウドファンディングというのは何でしょうか?

それは「出資してくれれば、6%や8%、10%といった高利回りで運用できますよ」と謳うケースですね。専門的には「融資型クラウドファンディング」ということになるのでしょうか。

上記記事に取り上げられている「みんなのクレジット」もこの「融資型」にあたります。

なぜこの「融資型」が怪しいかと言えば、超低金利となっている日本の金融市場において、「リスクがゼロで6%や8%、10%と言った高利回りの運用などできるはずがない」という一点に尽きます。

もしそんな運用手法が本当にあるのであれば、わざわざ高い利息を払ってまで個人資金を集める必要はなく、金融機関から融資を受ければ済む話ですね。何と言っても「カネ余り」の時代であり、金融機関は融資先を死に物狂いで探しておりますから、1%や2%と言った低金利で簡単に融資してもらえるものと思います。

言い換えれば、それができないからクラウドファンディングを頼るわけで、相当リスクが高い運用をしているか、そもそも貸付などせず個人からの資金集めだけが目的の「投資詐欺」の可能性すらあります。

しかもこれら「融資型」クラウドファンディング各社の広告やホームページを見ると「リスクの低さ」を強調するばかりですから悪質です。「ローリスク・ハイリターン」の運用を強く示唆しているわけで、もちろんそんな運用など投資の常識からしても、経済合理性からしてもあり得ませんので、「ぜんぶ一律詐欺!」と声を荒げたくなってしまいます(苦笑)。

それはともかく、では今回の「みんなのクレジット」は何が問題だったかと言えば、「昨年4月以降、数千人の出資者から約44億円のお金を集めたが、出資者への説明とは異なり、ほとんどのお金を同社の親会社や関連のグループ会社に貸し付けていた」ということですね。

集めた資金をどんどん自社のお財布に入れていたということです。十分にお金を集めたところで計画倒産させれば多額の資産を手元に残すことも可能ですね。ひどい話です。

ちなみにこの記事では書かれておりませんが、金融庁の発表によればこの「親会社」は毎月多額の損失を出しており、すでに債務超過の状態にあるということです。今も投資家の資金はどんどん蒸発しているわけですね!

投資家保護の観点から今すぐ出血を止め、資産の保全と新規顧客獲得の停止が望まれます。

さらに他の「融資型」クラウドファンディングも経営内容は似たり寄ったりでしょうから、金融庁の速やかな経営チェックを期待したいと思います。

また読者のみなさんも「リスクがゼロで6%や8%、10%と言った高利回りの運用などできるはずがない」という点は肝に銘じていただければと思います。

そのような「ウマイ話」はこれまで100%、詐欺でしたからね。

ということで今回の読者アンケートは「融資型クラウドファンディングの1社である、みんなのクレジット社は、顧客への説明とは異なる融資先に貸し付けたり不適切な運用をしていたということで処分勧告されましたが、あなたの融資型クラウドファンディングの印象は?」でいきましょう。投票は4月29日まで。

■融資型クラウドファンディングの1社である、みんなのクレジット社は、顧客への説明とは異なる融資先に貸し付けたり不適切な運用をしていたということで処分勧告されましたが、あなたの融資型クラウドファンディングの印象は?(4月29日まで)
https://www.ginkou.info/column/20170329.html



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