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ビットコインなどの仮想通貨は投資先として魅力的?

執筆者: ginko 発行日付: 2017-05-03

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「この夏のボーナスの支給額予想は、シンクタンクによって1.0%増・0.5%増・0.3%減といった形で割れておりますが、あなたの夏のボーナスは増えそう?減りそう?」では・・・

1位:去年と変わらない 43%
2位:-0.3%以上減りそう 29%
〃:金額が分からないが減りそう 29%

となりました。1位は「去年と変わらない」で約4割ですね。

それに続く2位同率で「-0.3%以上減りそう」 ・「金額が分からないが減りそう」が約3割で並んでおり、お世辞にも景気がいい回答結果とは言えません・・・なかなか厳しいです。

しかしこうしたボーナスに関する「統計や予測」と、「個別のアンケート結果」はどうしていつもかなりの温度差があるのでしょうね?当サイトのアンケートに限らず、全般的に「前者」は割と良い内容でも、「後者」は厳しい結果になることが多い気がします。

日本人の控えめさがこういったところに出てくるということなのか、はたまた「0.5%増」にせよ「1.0%増」にせよ増加分が少なすぎて実感できないということなのか、あるいはお金に関する調査ではよくありがちな、一部の人のボーナスが大きく増える一方全体的にはボーナスが減る人の方が多いということなのかその真相は分かりませんが、いずれにしてもより多くの人が「増えた!」と実感しない限り、なかなか消費も物価も増加しないはずです。

デフレ脱却を目指して安倍政権は経済界にボーナスを含む賃上げを要請しており、実際これまでのところ上場企業を中心に賃上げは定着しつつあるわけですが、それでもインフレには程遠く、もしかするともう一歩踏み込んで「より多くの人が消費を増やそうと思える賃上げ」を目指すべきなのかもしれませんね。

具体的には「平均増加額」に着目するのではなく、「給料やボーナスが増えた人の数」に着目するということです。金額はともかくとして、一部の人に限らず誰もかれもの給料やボーナスが増え続けているなら、さすがに消費にも物価にも追い風となってくるのではないでしょうか?

まだかなり気が早いですが(笑)、夏のボーナス支給も、それに伴う商戦も、日本経済のためにしっかり盛り上がることを期待したいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは5月26日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=88

〔前回のコラム〕https://www.ginkou.info/column/20170426.html



 --- Ginkou ---

仮想通貨 運用しやすく
http://www.nikkei.com


SBIは新会社「SBIバーチャル・カレンシーズ」を立ち上げ仮想通貨と日本円の取引を仲介する「取引所」になる。流通額が2番目に多い「イーサリアム」も取り扱う。GMOインターネットグループも新会社を設立し投資家の需要をみながら仮想通貨の種類を増やす。カブドットコム証券や外国為替証拠金取引(FX)が主力のマネーパートナーズグループも参入準備を進めている。

4月に改正資金決済法が施行され、仮想通貨の取引には「仮想通貨交換事業者」としての登録が必要になった。財務状況や顧客資産の管理体制などを調べて財務局が登録を承認する。2014年に仮想通貨取引所のマウントゴックスが経営破綻したが「最低限の指針もなかったので利用者の安心感が高まる」とSBIバーチャル・カレンシーズの斎藤亮社長は話す。

参入が相次ぐ背景には投資対象を増やしたいとの狙いがある。ビットコインは1年間で価格が3倍に上昇した。仮想通貨全体の時価総額は4兆円規模との見方もある。参入を計画する企業は「価格上昇が続く仮想通貨は顧客のニーズを見込める」と期待する。

ただ、仮想通貨は流動性が低く価格が乱高下するリスクがある。ビットコインは中国で取引が盛んなため、中国の金融当局の政策次第で相場が大きく動く。海外の一部の銀行ではリスクが大きいとして仮想通貨の取引事業者のドル取引を拒否する事態も起きている。

決済や送金でのコストの安さが仮想通貨の利点だが、値動きが大きく国内では普及が進んでいない。仮想通貨が浸透すれば決済などに幅広く使われる可能性もある。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---


筆者自身は今一つピンと来ていませんが、仮想通貨が人気のようですね。

仮想通貨の魅力としては大きく2つではないかと思います。

・安価な決済手段

・値上がりが期待できる投資手段


前者についてはよく理解できます。大がかりなインフラや高い人件費などは不要で、インターネットで簡単に送金できてしまうわけですから価格優位性があるのは間違いなさそうです。

特に海外に送金しようと思うと銀行経由の場合、2~3,000円の手数料がかかりますから馬鹿馬鹿しいです。いつ着金するかも定かではありませんからね。仮想通貨を利用して数十円・数百円の手数料でほぼリアルタイムで送金できるのであれば十分魅力的です。

もちろん海外への決済手段としてはそれ以外にもインターナショナルキャッシュカードクレジットカードなども使えるわけで、全てのシーンで仮想通貨が有利ということはないでしょうけれど、特にBtoB=個人から個人への送金や、ATMでは引き出せないような高額の場合は親和性がありそうです。

普及のカギを握るのは安全性ですが、仮想通貨の代表格であるビットコイン2009年に運用が開始されてもう8年というわけですから、技術的にはそれなりに信頼してよさそうです。

上記記事にもあるように仮想通貨の取引所であるマウントゴックス社が破綻して、その主な理由は当時「ハッキングによる盗難被害」と報道されていましたが、実際には同社の「自作自演」だったようですので仮想通貨そのものに対する信頼は今のところ維持されているということなのでしょう。

他方、よく理解できないのが後者の「投資手段」としての仮想通貨ですね。

仮想通貨そのものに何か本質的な価値があるわけではありませんので、その価値は極めてあやふやなものです。例えばみんなが1ビットコイン=1ドルと思えば1ドルの価値を持つわけですが、2ドルと思えば2ドルに、0.5ドルと思えば0.5ドルになります。つまりはみんなの「合意次第」でその価値はいくらでも変化するわけです。

ある日、何かの理由でみんなが「ビットコインは無価値」と思えば、誰も現金と交換しませんので本当に無価値になるということです。

そもそもゴールドにしろ、紙幣にしろ、全てのモノやカネの価値はそんなものと言えるのかもしれませんが、ゴールドの希少性は100年後も200年後も変わりませんし、紙幣はそれを発行する国の信用力が後ろ盾となります。加えてどちらも数百年・数千年と利用されてきたわけで、齢8歳の仮想通貨とは安定性がまるっきり違います

大きく上昇することもあるのかもしれませんが、同じように大きく下落する可能性がある点には十分ご注意いただければと思います。10万円や20万円など少額で投資を楽しむ分には問題ないかもしれませんが、100万円や200万円といったそれなりの金額を投資されようとされている方は十分ご注意ください。

ここでそのビットコインの、これまでの価格推移をチェックしてみるとこうなっています。



最初は1ビットコイン=1円くらいだったのでしょうか?それが2013年末あたりから爆謄し、一時10万円を超えるレベルまで上昇したことが分かります。

その後は上記マウントゴックス社破綻の影響もあったのか3~4万円のレベルまで下落したものの、2016年から再び上昇を始め、足元では約17万円といった水準まで上昇していますね!つまり約2年で4~6倍になっているということです。

こうした実績を見れば確かに投資対象としても面白そうですが、ただ一般論を言えば上がりすぎたものは下がるわけで、さらにこのままずっと上昇を続けるとも考えにくいとすると、早晩「調整局面」が来そうです。要するに下がる可能性があるということです。

いずれにしても「株式」や「債券」などと違いこうした仮想通貨には全く実体がありませんので、その値段は大きく変動するのが宿命だと言えます。つまりハイリスクだということですね、投資対象としては。

盛大に価格が上昇しているのを見るとソワソワしてしまう気持ちはよく理解できますが、今後どのように変動していくのか全く読めない点を踏まえれば、やはり上記の通り10万円や20万円といった少額で投資するのが鉄則だと思います。

果たして10年後や20年後にこうした仮想通貨は生き残っているのでしょうか・・・気になるところです。

ということで今回の読者アンケートは「各社が参入を検討するなど仮想通貨の人気が高まっているようですが、その理由の1つとして価格上昇期待が挙げられます。ビットコインなどの仮想通貨は投資対象として魅力的?」でいきましょう。投票は6月3日まで。

■【読者アンケート】各社が参入を検討するなど仮想通貨の人気が高まっているようですが、その理由の1つとして価格上昇期待が挙げられます。ビットコインなどの仮想通貨は投資対象として魅力的?(6月3日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=93



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