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実況中継!自腹で資産運用~前月比+1万円

執筆者: ginko 発行日付: 2017-05-14

このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、11年2ヶ月目となります。

実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。

<1.運用方針>

1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、2015年から2016年にかけての株価下落を背景に「積極的な手仕舞い」モードに移り、現時点ではほぼ手仕舞い完了です。

<2.計算方法>

1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。

<3.現在の運用割合>



現在の運用割合ですが・・・ついに投資資産のかなりの部分を売却し、9割超普通預金となりました!

国内外の債券日本株先進国株新興国株海外REITもたたき売り、残る投資資産は国内REITだけとなっております。さっぱりしてしまいましたね・・・。

売却については2016年春先の株価下落に対して過剰反応してしまった気もしなくはないですが、吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る、です。

<4.運用実績>



まずは運用実績の前月との比較です。今月は約+1万円ですね。わずかにプラスです。

つまりは残った唯一の投資資産である国内REITが上昇したということですが、すでにほとんどのリスク資産を売却してしまった今となってはプラスであってもマイナスであってもその金額は誤差の範囲内です・・・。

次に当ポートフォリオの通算成績はこのようになっています。



通算成績としては、ほとんどのリスク資産を売却してしまったこともあり、当面は海外債券/先進国海外債券/新興国国内REIT国内株式/高配当株海外株式/高配当株海外株式/中国海外株式/アジアの黒字が確定、ということになります。

逆に言えば海外REIT国内株式/新興市場海外株式/ロシア・東欧海外株式/ブラジル海外株式/インドの赤字もまた当面確定ということになります。

そうしたわけで「7勝5敗」という全体成績もまた当面はこのままですね。



全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約73万円となっています。こちらも当面はこのままということです。

目標としては毎年25万円の利益ということなので、丸11年となる今年4月の目標は「275万円の黒字」が必要だったわけですが・・・重い「宿題」となりそうです。

先は長いですが、どこかのタイミングで投資を本格的に再開していく中でこの目標値をクリアしたいものです。

<5.今月の追加投資/売却>

さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきたいと思います。まず株式相場を眺めてみるとこうなっています。

■日経平均



■アメリカ株(S&P500)



■先進国株(円建て)



毎回書いているうように、日経平均も、アメリカ株も、円建ての先進国株価もどれも昨年の11月以降ハッキリと上昇してきました。その理由はもちろんアメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利し、そのトランプノミクスに対する期待が膨らんだからですね。公約になっていた「大規模な減税」や「大規模な公共投資」に対する期待です。

ただ一方で先月はどの指数も明確に低下し始めました。なぜかと言えばまず1つ目はアメリカ軍によるシリア空爆です。キッカケはシリア軍による化学兵器使用とは言え、「アメリカ第一主義」を掲げてきたトランプ大統領の突然の変心に世界の地政学リスクは大いに高まりました。北朝鮮に対しても同様ですね。

そして2つ目は、オバマケア改革に関してトランプ大統領が与党共和党をまとめきれず一旦は断念せざるを得なかったという点です。現状のオバマケアについてはほぼすべての共和党議員が反対なのではないかと思いますが、それでも意見が集約できなかったわけで、トランプ大統領の政策実現能力に大きな疑問符が残ることになりました。

では今月はどうなっているかと言うと・・・今度は明確に再上昇していますね!日経平均は2万円近くまで迫り、アメリカ株は過去最高値を更新する勢いです。

つまりは1ヶ月で株式相場の雰囲気は一変したわけですが、何が変わったかと言うとまず上記地政学リスクについては、その後新たな動きがなかったことから沈静化しつつあります。

またオバマケア改革についても永久に断念かと思いきや、知らない間に新たな修正案が再提出され下院を通過しました。上院通過には更なるハードルがあるようですが、それでもトランプ大統領政権に対する期待がそれなりに回復するのには十分ではないかと思います。

しかしこの株式市場に大きな影響を与えそうな法案再提出について日本ではなぜ全く報道されていなかったのでしょうね!いきなり下院を通過ということでとても驚きました。日本の報道関係者にセンスがないということなのでしょうね・・・安易なマスコミ批判はしたくはありませんが。

それはともかく、さらにフランス大統領選挙で中道のマクロン氏が、極右勢力であるルペン氏を破ったことも買い安心感につながったものと思います。Brexit→トランプ氏と続いてきた先進国でのナショナリズムの連鎖が止まったということです。

となると世界的に株高となるのも当然のような気がしますが、そのような「リスクオン」局面では株高だけでなくドル高=円安が進むのがセオリーであり、ドル円相場を見るとこうなっています。

■ドル円相場



やはりこちらもこの1ヶ月で明確に反転し、円安ドル高が進んでいることが分かります。つまり日本の株価は「世界的な株価上昇×円安」のWの恩恵を受けているわけで大きく上昇するのも当然ですね!

逆に言えばこうした動きが逆回転すれば、「世界的な株価下落×円高」の往復ビンタで日本の株価は大きく下がる宿命にあるわけですが・・・。

いずれにしてもこのように「リスクオン」モードで世界の株価が上昇し始めるとソワソワしてしまうのが投資家心理ということではないかと思います。実体経済自体も好調ですからね。

ただ今後も株価上昇が続くかと言うと、懸念がないわけではありません。その最大のものはやはりトランプ大統領がFBI長官をクビにしたことが政治的なスキャンダルに発展するのかどうか、そして発展した場合、どれくらい深刻化するのかという点です。

巷でウワサされているように、もし本当にトランプ氏とロシアとの間で「黒い関係」があるのだとすれば、「ウォーターゲート事件」クラスの騒動となる可能性があります。

さすがにそこまでシリアスな状況にはならないとは思いますが、今後の株式市場に対する影響は要注意ですね。

そうした懸念を何度も振り払って粘り続ける「トランプラリー」ですが今回はどうでしょうか?

なお今回もまたトランプラリーが驚異的な粘りを見せたとしても、筆者が一気に投資を再開するかと言えば今のところそれは考えてはおりません。

と言うのも中長期的な投資リスクを考えると、いつもご案内しているように数年以内に世界的なリセッション=景気後退が到来する可能性があるからですね。

これまで概ね10年に一度繰り返されてきた世界的な金融危機を思い出せば、リーマンショックから10年後の2018年というのは大きな心理的な節目となります。

もちろんそれは根拠のないアノマリーではあるのですが、そうでなくても2009年から続く今の景気回復局面は長すぎますし、仮にそのような危機が勃発すれば、大幅な「円高株安」局面となるのは間違いありません。要するにリーマンショックの再現ですね。

そして、そうした「円高株安」局面こそ「本当の、そして絶好の投資機会」と言えます。

投資機会をただただじっと待つというのはそれはそれでストレスを感じなくもないですが、もちろん大切なのはストレスの有無などではなく着実・堅実な運用リターンです。

フォローの風が強く吹くことをのんびり待ち続けたいと思います。

しかし、株価下落局面では投資を続け、株価上昇局面では投資を控えないといけないのだとすれば、心理的には常に「不安な選択」を強いられるわけで、投資とは「いつもストレスとの戦い」なのかもしれませんね(苦笑)。ストレスに見合うリターンを得たいものです。

<6.他ファンドとの比較>

筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。

3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)

そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが、グロソブがピンクです。



当サイトのポートフォリオは残念ながら今月は2位となってしまいました。これもまた耐えなければいけないストレスの1つなのかもしれません・・・。

では次回も来月のこの頃に更新予定です。

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