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銀行関連ニュース

メルマガ「間違いだらけの銀行選び」5月号。

執筆者: ginko 発行日付: 2017-05-22

5月号の内容はこのようなものです。

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□ 2017年5月号のコンテンツ □

1.この1ヵ月で取り上げたキャンペーン

(オリックス銀行、イオン銀行、SBJ銀行他)

2.最新ランキング

3.読者アンケート結果

・この夏のボーナスの支給額予想はシンクタンクによって1.0%増・
0.5%増・0.3%減といった形で割れておりますが、あなたの夏
のボーナスは増えそう?減りそう?

・各社が参入を検討するなど仮想通貨の人気が高まっているようですが、
その理由の1つとして価格上昇期待が挙げられます。ビットコインな
どの仮想通貨は投資対象として魅力的?

・韓国の大統領選挙では、深刻化する格差などを背景に革新系の文在寅
氏が当選しましたが、世界の大統領選挙で反格差・反グローバリズム
の動きが支持を集めています。あなたはグローバリズムを支持する?
支持しない?

4.今月の購買力平価

5.今月の世界の株価収益率

6.自腹で資産運用中!(11年2ヵ月目)

7.12年5ヵ月目のひとりごと:
「気持ち悪さでゾワゾワしてしまうのです・・・」
+13,700本+222万円

8.お問い合わせ

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----------- バックナンバー --------------

ま ち が い だ ら け の 銀 行 え ら び
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銀行.info -よりよい銀行をもとめて-

https://www.ginkou.info

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□ 2017年4月号のコンテンツ □

1.この1ヵ月で取り上げたキャンペーン

(楽天銀行、住信SBIネット銀行、SBI証券他)

2.最新ランキング

3.読者アンケート結果

・融資型クラウドファンディングの1社である、みんなのクレジット社
は、顧客への説明とは異なる融資先に貸し付けたり不適切な運用をし
ていたということで処分勧告されましたが、あなたの融資型クラウド
ファンディングの印象は?

・じぶん銀行(現auじぶん銀行)利用者は、セブン銀行ATMからキャッシュカードがなく
てもスマホのみでお金を下せるようになりましたが、このサービスは
魅力的?

・オバマケア改革の失敗やシリア空爆を契機に円高・株安が進んでおり、
トランプ相場もターニングポイントを迎えつつあるように見えますが、
トランプ相場は続く?続かない?

4.今月の購買力平価

5.今月の世界の株価収益率

6.自腹で資産運用中!(11年1ヵ月目)

7.12年4ヵ月目のひとりごと:
「ワインの次はワンルームって・・・内藤忍氏、ご乱心!?」
+13,600本+219万円

8.お問い合わせ

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.info1:この1ヶ月で取り上げたキャンペーン
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■1.楽天銀行:円定期1年0.12%
https://www.ginkou.info/news/20170331.html

■楽天銀行「春の大感謝祭!円定期預金1年もの特別金利」

・1年 :0.12%

ということでまずまずの金利ですね。

当サイトで高金利の指標としているオリックス銀行も1年ものを0.12%
に引き下げましたので、結果的にこちらも「高金利」と言えそうです。

>>>読者アンケート:5つ★満点で平均「2.3」。
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/pollresults.php?poll_id=1362

真ん中が3つ★ですので、それを下回る「残念な結果」ということですね。

やはり0.2%台に乗らないと高評価は難しいということでしょうか・・・。

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■2.住信SBIネット銀行:スマートプログラム改善
https://www.ginkou.info/news/20170407.html

住信SBIネット銀行のスマートプログラムの内容を復習するとこういうこ
とでした。

・外貨預金と仕組預金の合計が500万円以上
→ ランク4:ATM月15回無料、他行振込月15回無料
・残高300万円以上もしくは住宅ローン
→ ランク3:ATM月7回無料、他行振込月7回無料
・残高100万円以上もしくは30歳未満
→ ランク2:ATM月5回無料、他行振込月3回無料
・それ以外
→ ランク1:ATM月2回無料、他行振込月1回無料

とりあえずランク2を目指すとすると、「残高100万円以上が必要」とい
うことですね。

それがこの4月からいくつか変更点があるわけですが、注目点はやはりラン
ク2の預金残高の条件が100万円から30万円に引き下げられた点ですね!

言い換えれば残高30万円あれば「ATM手数料月5回無料、他行振込手数
料月3回無料」の優遇を受けられるわけで、かなり良い内容と言えそうです。

>>>読者アンケート:5つ★満点で平均「3.5」。
https://www.ginkou.info/enquete/?p=56

真ん中が3つ★ですので、それを上回る「まずまずの評価」ということです
ね。

ただ残高と優遇内容を比較すればかなり良い内容であるのは間違いなくもう
ちょっと評価が良くてもいいのでは・・・と思わなくもありません。今後、各
種の顧客満足度調査で住信SBIネット銀行の満足度がどう変化するのか注目
ですね。

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■3.SBI証券:ソフトバンク劣後債1.61%
https://www.ginkou.info/news/20170414.html

■SBI証券が取り扱う、ソフトバンク社債の「既発・劣後債」

・第1回ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)

利率 : 2.50%
利回り : 1.61%
償還日 : 2021/12/17(約4年8ヶ月)

まず目を惹くのが2.50%という利率ですが、残念ながら注目すべきはそ
ちらではなく利回りの方ですね。実際に投資家が得られるリターンはこの利回
りの方だからです。

それでも1.61%と2%近いわけですから十分検討可能と言えそうですね。

>>>読者アンケート:5つ★満点で平均「2.3」。
https://www.ginkou.info/enquete/?p=81

真ん中が3つ★ですので、それを下回る「残念な評価」ということですね。

金利も1%を大きく超えているわけでもう少し評価が高くてもいいのかと思
いましたが、今回はリスクが気になったのでしょうか?

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■4.その他の取り上げたキャンペーン
https://www.ginkou.info/news/

・SBI証券:オリックス社債0.15%


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.info2:最新ランキング
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恒例の、ユーザーのみなさまの投票による銀行人気投票。その2017年版
の2月の途中経過は以下の通りです。

※不自然な投票は調整しています。

・総合ランキング(★は前月比、順位が上昇した銀行)
1位:新生銀行
2位:住信SBIネット銀行
3位:オリックス銀行

また各項目別ランキングの1位は以下の通りです。

・口座サービス:新生銀行
・円預金 :新生銀行、オリックス銀行
・外貨預金 :★新生銀行
・FX :SBI FXTRADE
・投資信託 :新生銀行、★楽天銀行
・住宅ローン :じぶん銀行(現auじぶん銀行)
・カードローン:★オリックス銀行
・セキュリティ:新生銀行
・証券会社 :GMOクリック証券

昨年の総合ランキングでは、これまで8年連続1位と圧倒的な強さを見せて
きた住信SBIネット銀行が2位に陥落したわけですが、今月も今のところ2
位ですね・・・。。

その住信SBIネット銀行の代わりに1位になったのが新生銀行だったわけ
ですが、今月も1位を維持しています!すばらしい。

ただその差はわずかですね。2017年もこの2つの銀行を中心にランキン
グは回っていくのですかねぇ。

それ以外のランキングでもまだ投票数が少ないこともあって先月の順位から
色々動いていますが、外貨預金ランキングで新生銀行が、投資信託ランキング
で楽天銀行が、そしてカードローンランキングでオリックス銀行がそれぞれ1
位になっています。

今後、どの銀行が順位を上げ、どの銀行が順位を下げるのか興味深いですね。

>>>投票開始!2017年版のランキング投票はこちらから
https://www.ginkou.info/enquete2.html

>>>2017年版のランキング詳細はこちら(2017年4月1日現在)
https://www.ginkou.info/ranking/


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.info3:読者アンケート結果
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■1.融資型クラウドファンディングの1社である、みんなのクレジット社は、
顧客への説明とは異なる融資先に貸し付けたり不適切な運用をしていた
ということで処分勧告されましたが、あなたの融資型クラウドファンデ
ィングの印象は?
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/pollresults.php?poll_id=1361

1位:魅力的なものもあれば怪しいものもある 55%
2位:怪しい 45%

となりました。1位は「魅力的なものもあれば怪しいものもある」で約6割
となっています。

筆者自身は、全てのクラウドファンディングが怪しいと言う気はありません。
宣伝目的・マーケティング目的のクラウドファンディングは比較的リスクが少
ないと思いますし、開発型のクラウドファンディングは相応のリスクはあると
思いますが、その意義や目的、経済合理性は理解できます。

それでも出資額は1万円程度に抑えておいた方が無難でしょうけれど。

一方で「全くもって怪しい」と感じてしまうのが「融資型」のクラウドファ
ンディングです。投資家に5%~10%と言った利回りを約束するのであれば、
融資先には10%や15%といった金利で貸し付けているわけで、今の低金利
の時代に「そんな高金利でしか借りられない会社」ということは、つまり「信
用力の乏しい会社」であるのは間違いありません。具体的には

・赤字の会社
・起業して間もない会社
・担保がない会社

と言ったケースが想定されます。逆に「黒字で、社歴が長く、担保力がある」
会社であれば銀行から1%を下回る金利で借り入れができるのではないでしょ
うか?何といってもマイナス金利の時代ですからね!

それができないからこそ、クラウドファンディングからの融資に頼っている
のだとすると、その「融資リスク」は投資家に転嫁されていることになります。

もちろん、投資家がそのリスクを完全に理解し、納得しているのであれば良
いですが、実際には各社のホームページではそうしたリスクに対する具体的な
説明は皆無であり、むしろ「これまで延滞なし」「100%担保あり」と言っ
た耳障りの良い言葉が並んでいる点は正直、「悪質」「詐欺的」とすら思って
しまいます。

さらに本当に第3者の会社に融資していればまだマシですが、今回の「みん
なのクレジット」社のように自分の会社に融資して、多額の損失を計上してい
るとなると最悪ですね!

ただ、どの金融機関も貸出先の開拓に苦慮している点を考慮すれば、他の融
資型クラウドファンディングでも「自社融資」が横行していたとしても不思議
ではありません。

加えて、ほとんどの融資型クラウドファンディングの投資先が不動産会社で
ある点も気になるところです。今のように地価や不動産価格が上昇基調の間は
良いですが、仮に景気後退期が訪れ下落に転じると次々と損失が発生する可能
性があります。

投資家に5%~10%といった利回りを約束しているのであれば、投資対象
の不動産がそれ以上の割合で値上がりしないと経営が成り立たないわけですか
らね。

もちろん賃貸ではこうした利回りを確保するのは不可能です。

そうした点を考慮すると・・・筆者の融資型クラウドファンディングへのス
タンスは「怪しい」以外の何物でもありませんねぇ。

他のタイプのクラウドファンディングにも言えることですが、投資家保護の
仕組みがほとんど全くない点を考慮の上、繰り返しになりますが上限を1万円
などとし、「失っても痛くない金額」で楽しむというのが基本的な付き合い方
なのではないかと思います。1万円でも本当に失えば痛いですが・・・。

もちろん100万円や300万円、500万円、1,000万円と言った規
模の投資は厳に戒めていただければと思います。今回の処分勧告の意味をしっ
かり受け止めるべきですね。

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■2.じぶん銀行(現auじぶん銀行)利用者は、セブン銀行ATMからキャッシュカードがなくて
もスマホのみでお金を下せるようになりましたが、このサービスは魅力
的?
https://www.ginkou.info/enquete/?p=54

1位:短時間で操作が完了するのであれば魅力的 27%
〃:魅力的ではない 27%
3位:セキュリティが高ければ魅力的 18%
4位:魅力的 9%
〃:操作が簡単であれば魅力的 9%
〃:分からない・どちらとも言えない 9%

となりました。1位は「短時間で操作が完了するのであれば魅力的」と「魅
力的ではない」がともに約3割で並びました。

どちらも共感できますし、現状では「短時間で操作が完了しない」というこ
とだと思いますので、どちらも同じことを言っているような気もしますね。

全体の投票結果をまとめるとこうなります。

・魅力的 : 64%
・魅力的ではない : 27%
・分からない : 9%

ただそのように「条件付き」かもしれませんが「魅力的」という回答が6割
を超えているのは、新しい銀行サービスとしては画期的かもしれません。キャ
ッシュカードを持ち歩く時代ではなくなってくるのですかねぇ。昭和世代とし
てはまた周回遅れとなりそうです・・・。

ただ、あまりスマホばかりに機能を集約すると落とした時や家に忘れた時な
ど大変そうですね。

その点では落としにくいだろうという意味で、腕時計型端末などの方が「キ
ャッシュカード代わり」としては向いていそうな気がします。

そもそもそのように「現金」にこだわる時点で「昭和」と言われそうですが
(苦笑)。

中国では電子マネーの普及で、現金は当然としてクレジットカードですら
「時代遅れ」のようです。いやはや。

それはともかく、じぶん銀行(現auじぶん銀行)関係者の方はぜひ「スマホATM」の技術革新
に挑戦していただき、キャッシュカードと変わらないスピードで出金できるよ
うにしていただければと思います。上記の通りニーズはありそうですからね。

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■3.オバマケア改革の失敗やシリア空爆を契機に円高・株安が進んでおり、
トランプ相場もターニングポイントを迎えつつあるように見えますが、
トランプ相場は続く?続かない?
https://www.ginkou.info/enquete/?p=79

1位:続かない 85%
2位:もう少しだけ続く 15%

となりました。1位は「続かない」で約9割と圧倒的です。筆者も全くの同
感です。

オバマケア代替法案の取りまとめに失敗したわけですから、これまでの株高
を支えてきた「大型減税」や「大規模な公共投資」の実現可能性も低下してい
ます。とすると金融市場の期待が後退するのも当然ですね。

加えて足元ではシリアや北朝鮮での地政学リスクも高まっておりますので、
これも金融市場の懸念を深めているものと思います。

そう考えると「トランプ相場」が続くはずがないと思ってしまうわけですが、
ただこれまでの我々日本人の「トランプ恐怖症」はことごとく杞憂に終わりま
した。とすると今回も予想に反して再び力強く株高に回帰する可能性はゼロで
はないのかもしれません。

「市場の動きは予測できるものではない」という謙虚さは一定割合必要なの
でしょうね。

さらに株高を支える要因として、アメリカの実体経済がかなり調子いいとい
う点は挙げられます。つまり「トランプ相場」が終わっても「業績相場」がそ
の後を引き継ぐことはあり得るわけですね。

また、2015年~2016年にかけて起きた「世界同時株安」の原因の1
つとなった中国株式市場がかなり復調してきたことも株高要因に加えても良い
かもしれません。中国経済も好調のようですしね。

それでも筆者の見通しとしては「トランプ相場の反動として、しばらく円高
・株安が続く」というものですが、果たしてどうなるでしょうか?株安を期待
しているわけではありませんが・・・。

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■4.その他の銀行関連ニュース
https://www.ginkou.info/column/

・積立NISA、対象アクティブ投信はわずか5本!?


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.info4:今月の購買力平価
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購買力平価とは1つのモノを外貨、例えばドルで買っても円で買っても同じ
値段になる為替相場のことです。モノの値段からその通貨が割高なのか割安な
のか分かるわけですね。

では今月=4月のドル円の購買力平価はと言うとこのようになっています。

・消費者物価ベース : 1ドル=125.48円
・企業物価ベース : 1ドル= 96.07円
・輸出物価ベース : 1ドル= 75.66円

歴史的にはこの真ん中の企業物価ベースの購買力平価を基準に、実勢相場が
上に行ったり(円安)、下に行ったりしながら(円高)、つかず離れず並走し
てきたことが分かります。

とすると「企業物価より上なら円安」「企業物価より下なら円高」と言える
わけです。

そして2017年4月の企業物価ベースの購買力平価は96.07円。要す
るに今は「円安」ということですね。


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.info5:今月の世界の株価収益率
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株価収益率(PER)とは、株価がその会社の利益の何倍くらいになってい
るか、という株価の割高・割安を示す尺度です。目安としては「20倍を超え
ていないかどうか」チェックすればいいと思います。

4月の株価収益率の平均は前月と比較して低下しました。先月の単純平均は
14.52倍で、今月は13.90倍ということですね。

下がったということは株価が「割安」になったということになります。

<世界主要株式市場の株価収益率(PER)一覧(2017年4月現在)>
https://www.ginkou.info/column/20170416.html


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.info6:自腹で資産運用中!(11年1ヵ月目)
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<運用実績(2017年4月現在)>
https://www.ginkou.info/column/20170417.html

2006年 4月の投資金額: 525万7,529円
2017年 4月の評価額 : 598万2,166円
損 益 : +72万4,637円

まずは運用実績の前月との比較です。今月は約-1万円ですね。わずかにマ
イナスです。

つまりは残った唯一の投資資産である国内REITが下落したということで
すが、すでにほとんどのリスク資産を売却してしまった今となってはプラスで
あってもマイナスであってもその金額は誤差の範囲内です・・・。

全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約72万円となってい
ます。こちらも当面はこのままということです。

<今月の追加投資/売却>

さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきた
いと思います。

まず世界の株式相場をチェックしてみると、日経平均も、アメリカ株も、円
建ての先進国株価もどれも昨年の11月以降ハッキリと上昇してきました!

その理由はもちろんアメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利し、そのトラ
ンプノミクスに対する期待が膨らんだからですね。公約になっていた「大規模
な減税」や「大規模な公共投資」に対する期待です。

ただ一方で、この1ヶ月でどの指数も明らかに低下し始めていることが分か
ります。投資家としては気になる動きですね・・・。

ではなぜここに来て株価が下落し始めているかと言えば、まず1つ目はアメ
リカ軍によるシリア空爆です。キッカケはシリア軍による化学兵器使用とは言
え、「アメリカ第一主義」を掲げてきたトランプ大統領の突然の変心に世界の
地政学リスクは大いに高まっています。

シリアだけでなく、北朝鮮に対する武力行使も現実味を帯び始めていること
から、わが日本にとっても全く他人事ではありませんね・・・その割には「日
本円」は相変わらずの安全資産として上昇を続けているわけですが。

そして2つ目は、オバマケア改革に関してトランプ大統領が与党共和党をま
とめきれず、改革を断念せざるを得なかったという点です。オバマケアについ
てはほぼすべての共和党議員が反対なのではないかと思いますが、それでも意
見が集約できなかったわけで、トランプ大統領の政策実現能力に大きな疑問符
が残ることになりました。

オバマケア改革ですらできないようであれば、より利害が対立しやすい「減
税」や「公共投資」で共和党をまとめるのは不可能なのではないかという気す
らします。

とするとこれまでの期待が大きくしぼんでしまうわけで、株価が下落するの
は必然ですね。

1つ目の地政学リスクについては、これまで定期的・周期的に拡大してきま
したので、放っておけば徐々に沈静化していく可能性がありますが、2つ目の
トランプ大統領の政策実現能力については、ある日大きく改善されるものでも
ありませんので、株価への長期的な悪影響という点でより深刻と言えそうです。

ここでドル円相場を振り返ってみると、こちらも昨年11月以降大きく円安
が進んできたわけですが、株価も為替も完全に「トランプ期待」が雲散霧消し、
「トランプ前水準」まで戻るとすればこのような水準まで巻き戻される可能性
があります。

・日経平均=17,000円

・1ドル=105円

そのような「円高・株安」を期待しているわけではありませんが、いろいろ
な可能性を念頭に入れながら、投資リスクを調整していっていただければと思
います。

ちなみに日経平均はともかくとして為替相場については、1ドル=100円
を超える円高となれば外貨投資を検討し始めてもいいかな?と思っております。
短期間でそこまで円高になるとは思っていませんが、ピンチなだけでなくチャ
ンスという点からも相場の動きに注目したいものですね。

ただし。

ではそのように為替相場や株式相場が「トランプ前」水準に戻ったからと言
って、一気に投資を再開するかと言えば今のところそれは考えてはおりません。

と言うのも中長期的な投資リスクを考えると、いつもご案内しているように
数年以内に世界的なリセッション=景気後退が到来する可能性があるからです
ね。

これまで概ね10年に一度繰り返されてきた世界的な金融危機を思い出せば、
リーマンショックから10年後の2018年というのは大きな心理的な節目と
なります。

もちろんそれは根拠のないアノマリーではあるのですが、そうでなくても2
009年から続く今の景気回復局面は長すぎますし、仮にそのような危機が勃
発すれば、大幅な「円高株安」局面となるのは間違いありません。要するにリ
ーマンショックの再現ですね。

そして、そうした「円高株安」局面こそ「本当の、そして絶好の投資機会」
と言えます。

投資機会をただただじっと待つというのはそれはそれでストレスを感じなく
もないですが、もちろん大切なのはストレスの有無などではなく着実・堅実な
運用リターンです。

フォローの風が強く吹くことをのんびり待ち続けたいと思います。


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.info7:12年5ヵ月目のひとりごと
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■「ワインの次はワンルームって・・・内藤忍氏、ご乱心!?」
+13,600本+219万円

最近は筆者の関心がそのまま反映され、政治ネタを取り上げることが多くな
っていた当欄ですが、今回は久しぶりに資産運用ネタを取り上げたいと思いま
す。

以前から少し気になっていたのですが、マネックス証券を辞め、今は資産デ
ザイン研究所の社長として活躍されている内藤忍氏が、都心のワンルームマン
ション投資を強力にPushしているのですね。

マネックス時代はインデックス投資・長期分散投資をブレなく勧める「優等
生」のイメージがあった氏ですが、独立後はワインファンドである「ヴァンネ
ット」を推奨するなど、どうもおかしな感じになってきました。

その「ヴァンネット」はすでに投資詐欺を行ったということで破綻しており
ますが・・・。

で、今はワンルームマンション投資というわけですから、「眉唾」と思って
しまうのも当然ではないかと思いますが、結論を急ぐと紙面が余ってしまいま
すので、内藤氏の主張をチェックしてみたいと思います。簡単に言えばこうい
ことのようです。

・中古ワンルームの利回り : 4%~5%
・借り入れ金利 : 1%台

金利差=収益=約3%というわけですね。今のような低金利の時代に3%も
のリターンが得られるのであれば確かにお得そうです。

しかし本当にそれだけ儲かるのであればみんなが群がっているはずですね。
群がっていないのは残念ながら「世の中にそんなウマイ話はない」ということ
です。

実際、こうしたワンルームマンション投資はバブルの時代、つまり3、40
年も前からありましたが、成功したという話は聞いたことがありません。失敗
したという話は山のように聞きますけれどね。やはりそれだけリスクがあると
いうことです。

では上記の例でいうとリスクはどこにあるのでしょうか?それはコストを考
えれば一目瞭然です。ざっくりこうしたコストが発生します。

・空室リスク
・管理コスト
・減価償却(建物の目減り)
・賃料下落リスク
・修繕費用
・支払遅延リスク
・不動産価格下落リスク

氏は空室率を「2%以下」と指摘していますが、世の中の賃貸物件の空室率
が30%を超えている現状を考えればあまりに楽観的ですね。少なくとも10
%は考慮しておかないといけないのではないでしょうか?

とすると仮に利回りが4%~5%の間をとって4.5%の場合、実質的な利
回りは4.05%になります。

次は管理コストですが、これは管理費・修繕積立金・管理会社への支払いな
どが挙げられます。これをざっくり1%とすると実質的な利回りは3.05%
になります。

次は減価償却ですね。これは建物の価値が経年で徐々に下落していくことで
避けられません。耐用年数が40年として、不動産価格に含まれる建物の価値
が7割とすると、7割部分が40年で価値がゼロになるわけですから、1年あ
たり1.75%の損失が発生することになります。

とすると実質的な利回りは1.3%になります。もともとの借入金利を「金
利差=3%」から逆算すれば1.5%ということになりますから、ここでもう
-0.2%の赤字ですね!

さらに賃料は年間1%程度下落していくと言われておりますので40年で4
0%下落することになります。これを年あたりで均せば-0.5%ですね。赤
字は-0.7%に膨らむことになります。

また20年に一度、100万円を超える修繕費用が別途かかるとすればこれ
も-0.5%くらいの費用となりそうです。赤字はついに通算で-1.2%で
すね。

加えて賃借人が必ず賃料を払ってくれるかどうかは分かりませんし、保険金
で100%カバーできるかどうかも分かりません。ただこのリスクは計算でき
ないので考慮しないことにします。

最後に不動産価格下落リスクですが、アベノミクス開始以降、マンション価
格は2~3割上昇しておりますので、逆に言えばそれくらい下落する可能性が
あるということです。仮に3割の下落が別途発生するとして、それを減価償却
と同様に40年でカバーしていくとすると1年あたり-0.75%の損失が発
生することになります。

その可能性は結構あるのではないかと思いますが、逆に上昇する可能性もゼ
ロではありませんのでこの点も考慮しないことにします。

というわけで、仮に「利回り」から「金利」を引いた「収益」が3%あった
としても、必ず発生する「空室率」、「管理コスト」、「減価償却」、「賃料
下落」、「修繕費用」を加味すれば実際の利回りは-1.2%に低下するとい
うことです。

35年後にローンが終わったとしても、利回りは+0.3%にしか改善され
ません。そして耐用年数は40年なわけですから、それまでの赤字をカバーす
ることなど永遠に不可能ですね!

40年後に新たにマンションを立て直したとしても同じことの繰り返しです
から赤字は永遠に膨らんでいくわけです。

言い換えれば「利回り」から「金利」を引いた収益が3%ではなく4.2%
以上あれば勝つ可能性が出てくることになります。

金利を1.5%とすると利回りが5.7%以上あればよい、ということです
が、実際の不動産ローンの金利は2%超なのではないでしょうか?仮に2.5
%とするとそこに4.2%を足すわけですから「利回りが6.7%以上あれば
勝つ可能性が出てくる」と言えそうです。

こうした投資用不動産の利回りは「5~6%」というイメージがありますが
だとすると「ギリギリ儲けが出ない水準」の高値で販売されているということ
ですね。

では投資家がなぜそんな明らかに儲からない「高値づかみ」をしてしまうか
と言えばその理由は大きく2つかと思います。

1.「空室リスク」や「賃料下落リスク」は後から発生する
2.「減価償却(建物の目減り)」はお金が出ていかないので実感しにくい

特に後者が主因なのではないかと思いますが、実際のところ、利回りが上記
の通り「-1.2%」だったとしても、その内の「-1.75%」は減価償却
コストですから、実感としては「+0.55%」に感じたとしても不思議では
ありません。

ではいつこの「減価償却(建物の目減り)」がコストとして実現するかと言
うと、「転売時」や「立て直し時」の「出口」の時ですね。

大きく下がった売却価格や、これまでの収益を大きく上回る立て直し費用を
目にして初めて「損していた!」ということに気が付くわけです。

そしてそうした「出口」はいつか必ずやってきます。

実感しづらいという点では素人の投資家が騙されてしまうのも理解できます
が、であれば尚のこと「専門家」はこうしたリスクについて誠実に丁寧に啓発
することが求められます。

内藤氏のように誤った情報を流布して投資家にリスクを取らせるのはもって
のほかで、言語道断、極めて悪質という気すらしてきます。いやはや、どういっ
た見識なのでしょうね。

ただ氏も実際にワンルームマンション投資を行っているようですので、単な
る「無知」というだけなのかもしれませんが・・・もちろん、それによって同
情することはできませんが。

そもそも、もし必ず儲かるような条件の良い物件であれば、不動産屋が手放
すはずがありません。自社でキープすれば安定した利益が確保できるわけです
からね。

また、リーマンショック後の不動産不況で真っ先に破綻したのはこうしたワ
ンルームマンション投資販売会社であったというのは有名な話です。もし安定
したビジネスなのであれば何とか生き残っているはずですね。

おそらく氏が実際にマンション投資を始めたのはここ数年なのではないです
かね?なのでおそらく、そうした歴史的事実もあまり把握されていないのでし
ょう。

最後に氏がメルマガで紹介していた「サラリーマン投資成功者M氏」の資産
状況はこうなっているようです。

・家賃からコストを引いた収益 : 年130万円
・資産残高 : 1億4,000万円
・借り入れ : 1億円

この資産は「8戸のワンルームマンション」だそうですが、コストはあくま
で利息や諸費用など、キャッシュアウトする分だけのようですので、上記の通
り1.75%と目される「減価償却(建物の目減り)」は含まれていないよう
です。

これが年間245万円の「隠れ損失」となるわけですから、M氏はすでに哀
れ年間-115万円の赤字投資家というわけですね・・・。

さらに家賃が年1%ずつ低下していくとすると、赤字は徐々に膨らんでいく
ことになります・・・アーメン。

そうそう、最後の最後に大切なことを。「利回りが6.7%以上あれば勝つ
可能性が出てくる」とご案内しましたが、これはあくまで新築など、「後40
年住める」ことを前提にしておりまして、仮に築10年であれば「残り30年」、
築20年であれば「残り20年」で回収する必要があり、求められる利回りは
さらに高くなります。

例えば築20年とすると単純計算で「減価償却(建物の目減り)」は3.5%
に跳ね上がりますので、求められる利回りは「約8.5%」ということになり
ます。

内藤氏は「中古ワンルームマンション投資」を推奨しているわけですが、そ
うしたリスクをどれくらい計算されているのですかねぇ。

参考にしてみてください。

<御礼>

今月もいくばくかの寄付を行いました。

1.植樹活動への寄付 :累計で13,500本相当になりました。
2.東日本大震災への寄付 :累計で216万円となりました。

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2017年4月/本間


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