このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、11年8ヶ月目となります。
実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。
<1.運用方針>
1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、2015年から2016年にかけての株価下落を背景に「積極的な手仕舞い」モードに移り、現時点ではほぼ手仕舞い完了です。
<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。
<3.現在の運用割合>
現在の運用割合ですが・・・ついに投資資産のかなりの部分を売却し、9割超が普通預金となりました!
国内外の債券も日本株も先進国株も新興国株も海外REITもたたき売り、残る投資資産は国内REITだけとなっております。さっぱりしてしまいましたね・・・。
売却については2016年春先の株価下落に対して過剰反応してしまった気もしなくはないですが、吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る、です。
<4.運用実績>
まずは運用実績の前月との比較です。今月は+5,394円と少しプラスです。残った唯一の投資資産である国内REITが上昇したということです。
ただし、すでにほとんどのリスク資産を売却してしまった今となってはプラスであってもマイナスであっても大勢に影響はありません・・・。
次に当ポートフォリオの通算成績はこのようになっています。
通算成績としては、ほとんどのリスク資産を売却してしまったこともあり、当面は海外債券/先進国、海外債券/新興国、国内REIT、国内株式/高配当株、海外株式/高配当株、海外株式/中国、海外株式/アジアの黒字が確定、ということになります。
逆に言えば海外REIT、国内株式/新興市場、海外株式/ロシア・東欧、海外株式/ブラジル、海外株式/インドの赤字もまた当面確定ということになります。
そうしたわけで「7勝5敗」という全体成績もまた当面はこのままですね。
全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約71万円となっています。こちらも当面はこのままということです。
目標としては毎年25万円の利益ということなので、丸11年となる今年4月の目標は「275万円の黒字」が必要だったわけですが・・・重い「宿題」となりそうです。
先は長いですが、どこかのタイミングで投資を本格的に再開していく中でこの目標値をクリアしたいものです。
<5.今月の追加投資/売却>
さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきたいと思います。まず株式相場を眺めてみるとこうなっています。
■日経平均
■アメリカ株(S&P500)
■先進国株(円建て)
毎回書いているうように、日経平均も、アメリカ株も、円建ての先進国株価もどれもこの1年間ハッキリと上昇してきました。その理由はもちろん昨年11月のアメリカの大統領選挙でトランプ氏が勝利し、そのトランプノミクスに対する期待が膨らんだからですね。公約になっていた「大規模な減税」や「大規模な公共投資」に対する期待です。
ただ政権発足から半年以上が経過し、足元では大規模減税実現に向けての議論が進んでいるものの、当初の期待も懸念も後退したのではないかと思います。実際、「トランプラリー」は株高・ドル高・金利高の「トリプル高」だったわけですが、「ドル高」も「金利高」もすでに頭打ち状態となっています。
■ドル円相場
ドル円は昨年12月にピークをつけた後、112円前後をウロウロしています。
■アメリカ長期金利
アメリカの長期金利も3月にピークをつけた後、これまた2.3%前後をウロウロしています。
つまり株価だけが上昇を続けているということですね。これはおそらく、先月もご案内したように「アメリカや世界の実体経済が好調だから」ということではないかと思います。つまり「業績相場」に入ったということですね。
加えて株価をサポートしていると思われるのが、これまた先月もご案内したように、「アメリカの中央銀行であるFRBの利上げや金融引き締めペースが緩やかであると予想されている」という点です。
上記の通り本当に大規模減税が実現すれば、それも株価上昇要因となるでしょうしね。このまま株高が続くことを期待したいと思います。最近では、現在の株価について「バブルである」という指摘も増えてきておりますが・・・。
ちなみにアメリカの金利が上昇すれば下がるという「逆相関」の関係にある新興国の株価は今のところ上昇基調ですが、これも「アメリカの金利次第」ということになるのでしょう。
■新興国株(円建て)
今後の懸念をあえて挙げるとすれば、アメリカで大規模減税が実現した場合、財政赤字拡大に対する懸念が拡大しアメリカの金利が再上昇することですね。アメリカの株価は減税効果を意識して高値を維持しそうですが、資金流出の可能性が高まる新興国の株価は下落しそうです。
再び「先進国株高・新興国株安」という動きが起こるかもしれませんのでご注意ください。
今のところ、減税法案がアメリカの下院で可決されても新興国の株価は反応していなさそうですので杞憂かもしれませんが・・・。
なお、トランプ氏当選以降の世界的な株高の動きに完全に乗り遅れてしまった筆者でありますが(苦笑)、このタイミングで投資を再開するかと言えば今のところそれは考えてはおりません。
と言うのも中長期的な投資リスクを考えると、いつもご案内しているように数年以内に世界的なリセッション=景気後退が到来する可能性があるからですね。
これまで概ね10年に一度繰り返されてきた世界的な金融危機を思い出せば、リーマンショックから10年後の2018年というのは大きな心理的な節目となります。
もちろんそれは根拠のないアノマリーではあるのですが、そうでなくても2009年から続く今の景気回復局面は長すぎますし、仮にそのような危機が勃発すれば、大幅な「円高株安」局面となるのは間違いありません。要するにリーマンショックの再現ですね。
そして、そうした「円高株安」局面こそ「本当の、そして絶好の投資機会」と言えます。
投資機会をただただじっと待つというのはそれはそれでストレスを感じなくもないですが、もちろん大切なのはストレスの有無などではなく着実・堅実な運用リターンです。
チャンスがやってくることをのんびり待ち続けたいと思います。
<6.他ファンドとの比較>
筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。
・3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
・グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)
そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが緑、グロソブがピンクです。
当サイトのポートフォリオは残念ながら今月も2位となってしまいました。これもまた耐えなければいけないストレスの1つなのかもしれません・・・。
では次回も来月のこの頃に更新予定です。
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