まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「2017年の日経平均は約2割上昇しましたが、現在2万3,777円の日経平均株価は1年後にいくらと予想する?」では・・・
1位:2万5,000円 33%
2位:2万8,000円以上 17%
〃 :2万3,000円 17%
〃 :2万1,000円 17%
〃 :全くわからない 17%
となりました。1位は「2万5,000円」で約3割です。今の水準から少し上昇する、ということですね。全体的にはこういうことになります。
・上昇 : 50%
・変わらず : 17%
・下落 : 17%
・分からない : 17%
やはり強気です。今までこうしたアンケートで強気な結果というのはあまりありませんでしたので意外な気もしますが、去年から今年にかけての株価上昇を振り返れば強気になるのも当然かもしれません。
とすると・・・世間全体としても今後、投資が盛り上がってくる可能性がありますね。
もしかするとすでに盛り上がっているのかもしれませんが、筆者の普段目にするメディアではあまりそういった「過熱感」を感じることはありません。
個人的には、多くの初心者の方々が投資を始めると「そろそろ上昇相場も終わりかな」と感じますので、その点ではいよいよ盛り上がってくると「終わりの始まり」と感じます。
これまで何度もご案内してきたように金融危機は概ね10年に一度繰り返されてきておりまして、リーマンショックからちょうど10年の2018年、つまり今年は大きな心理的節目を迎えることになります。
もちろんこれは単なるアノマリーですし、世界経済は好調で、アメリカでは大規模減税が予定されており、今年の株式市場の見通しは極めて良好です。
その点では今年いきなり株式市場がクラッシュしてしまうというのは考えにくいですが、ただ一方でみんなが強気な時ほど株価が崩れた時のサプライズは大きくなります。
株価が永遠に上昇し続けることはありませんからね・・・。
今年は株価が上昇すればするほど、「その終わり」を意識する必要がありそうです。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは1月27日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=291
〔前回のコラム〕2018年、株価は上がる?下がる?
--- Ginkou ---
株・為替・金利・海外…18年の注目点、NQN記者予想
https://www.nikkei.com/
日銀の黒田東彦総裁が4月、任期を迎える。後任人事については現時点で黒田氏続投が濃厚との観測が中心だ。総裁が交代した場合は政策変更の可能性などを意識した取引で金融市場がやや荒れる場面がありそうだが、景気の後押しと物価上昇を目指す日銀の基本政策に大きな変化はないとの見方が多い。
ただ、投資家は現行の金融緩和路線にある意味で「慣れて」しまっている。それだけに、日銀の姿勢にほんの少しでも変化があれば大きな取引材料として意識されるだろう。
17年に現行の金融緩和策を変更しなかった日銀について、市場の一部では18年中に金融政策の微修正に動くとの見方が広がりつつある。国内経済の順調な回復を支えに、日銀が大規模な金融緩和からの「出口」の模索を始める環境が整ってくるとの見立てだ。
19年ごろには米景気が減速するとの予想もあり、世界経済が安定しているうちに先手を打って「のりしろ」を作ったほうが良いという見方も、微修正観測を後押ししている。長期金利の誘導目標を現行の0%程度から0.2%前後へ引き上げた場合、10年物国債の利回りは0.15~0.30%程度に上昇する余地がありそうだ。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
いつもご案内しているように、なぜ今金利が大きく低下しているかと言えば、日銀が大規模な金融緩和を行っているからですね。金融緩和とは政策金利を引き下げ、金融市場にマネーを供給する金融政策ですので金利が低下するのは当然です。長期金利はこのように推移しています。
ではなぜ日銀が金融緩和を行っているかと言うと、広義には「景気を回復させるため」ですが、狭義には「インフレ率2%目標を達成するため」です。
つまり「デフレからの脱却」が至上命題となっているわけですね。
言い換えれば、インフレ率が2%に到達するといよいよ金融緩和が縮小し、市場金利も預金金利も上昇することになります。預金者からすれば待ち遠しい展開ですが、では「異次元緩和」が始まって約5年が経過する中、足元のインフレ率はこうなっています。
・消費者物価指数(CPI):全国 平成29年(2017年)11月分 前年同月比 総合=0.6%
まだ0.6%なのですね!このペースでいけばあと10年経っても2%を超えることはなさそうです。
というわけでインフレ率を見る限りにおいては「インフレ目標達成→金融緩和縮小→金利上昇」という展開は考えづらいわけですが、ただ上記記事の通り、市場では日銀が「18年中に金融政策の微修正に動くとの見方が広がりつつある」ということのようです。
実際、市場関係者のコメントを見るとそうした金利上昇を意識している方が少なくないことを実感できます。
その「金融政策の微修正」の背景としては「国内経済の順調な回復を支えに、日銀が大規模な金融緩和からの「出口」の模索を始める環境が整ってくる」ということですが・・・正直ピンと来ません(笑)。繰り返しになりますが現在の金融緩和の目的は「インフレ率2%達成」ですから、インフレ率が上昇しない限り、いくら国内経済が回復しても関係ないはずです。金融緩和の広義の目的は景気回復ではあるのですが。
その点ではこうした「微修正見通し」の信憑性は低く、「材料のための材料」であるような気がしますが、とは言いつつ全く可能性がないこともないのでしょうから、預金者としては「多少は期待しておく」ということになるでしょうか。
ただしそうなったとしてもあくまで「微修正」であり、予想される金利上昇は「長期金利の誘導目標を現行の0%程度から0.2%前後へ引き上げ」といった小規模なものですね。
もちろん0.2%でも金利が上昇するに越したことはありませんが、2017年は全く動かなかった金融政策が2018年はいよいよ動き始めるのでしょうか?
注目したいと思います。
というわけで今回の読者アンケートは、「2018年、日銀が長期金利の誘導目標を現行の0%程度から0.2%前後へ引き上げるという見立てがジワジワ広がっているようですが、あなたは今年の長期金利は上昇すると思う?低下すると思う?」でいきましょう。投票は2月17日まで。
■【読者アンケート】2018年、日銀が長期金利の誘導目標を現行の0%程度から0.2%前後へ引き上げるという見立てがジワジワ広がっているようですが、あなたは今年の長期金利は上昇すると思う?低下すると思う?(2月17日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=295
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