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アセマネOneの元本確保型投信は魅力的?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-8-22

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「短期的にはトルコショックを背景に、中長期的にはアメリカの利上げを背景に新興国通貨は下落傾向ですが、新興国通貨は買い?買いではない?」では・・・

1位:中長期的には買い 50%
2位:買いではない 40%
3位:分からない、興味ない 10%

となりました。1位は「中長期的には買い」で5割ですね。なかなか前向きかつ楽観的で良いと思いますが、ただ2位は「買いではない」で4割となっており、その点では回答者の中でも楽観論と悲観論が拮抗しているということですね。

時間軸が異なりますのでもしかすると「短期的には買いではないけれど、中長期的には買い」ということで集約できるのかもしれませんが・・・。

筆者の意見はと言うと、確かに4割5割下落しているトルコリラアルゼンチンペソはともかくとして、それ以外の新興国通貨はアメリカの利上げが進む中でまだまだ下落するイメージを持っていますし、アメリカで利上げが止まる時はいよいよ世界経済が後退期に入る時ということですから、実体経済の落ち込みに引っ張られる形でやはり新興国通貨は下落するのではないかと思います。

つまり今後2段階で新興国通貨は下落する可能性があり、だとするとやはり「買い時」とは言えなさそうです。

ただ言い換えれば、そうした下落局面を抜けると今度は

・アメリカの利下げ

・実体経済の回復


という2つの要因の相乗効果で新興国通貨は上昇すると思いますので、いよいよ投資のチャンスが訪れることになりそうです。

とすると・・・筆者の意見もまた「短期的には買いではないけれど、中長期的には買い」 ということになるのですかね?

正確に言うと「短期的には買いではないけれど、中長期的には買いのチャンスが来ると期待している」ということであって、繰り返しになりますが今買おうと思っているわけではない点はお含みおきください・・・。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは9月15日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=439

〔前回のコラム〕
トルコリラ急落!新興国通貨は買い?


 --- Ginkou ---

販売会社、30社超に拡大 アセマネOneの元本確保型投信
https://www.nikkei.com/


アセットマネジメントOneが9月下旬にも設定する元本確保型投資信託の販売会社が、30社を超えることがわかった。投資したお金が目減りしない元本確保型投信は同社が7月に国内で初めて発売。この時の販売会社は大和証券1社だったが、今回は投資家の需要が大きいとみた金融機関が、相次ぎ採用を決めた。

商品名は「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」。アセマネOneの国際分散投資の運用成績を反映するように設計したゴールドマンの社債で運用する。社債なので、運用期間中の時価は変動するが、倒産などがない限り、満期まで保有すれば元本が返ってくる。

第1弾は7月31日に設定し、大和証券が307億円を販売した。デリバティブを使った仕組み自体は複雑だが、信託報酬も事実上、ゼロ%になるように設計されている。運用をしたいものの、相場変動や手数料によって元本割れするのを嫌がる層の購入が膨らんだ。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

一度取り上げてみたいと思っていたのが、DIAMアセットマネジメント改め「アセットマネジメントOne」社の元本確保型投信です。「元本保証」ではなくあくまで「元本確保」ですので、「元本保証を目指すけれどうまくいかなかったらゴメンね。」くらいの意味合いとなりますが、それでも「自己責任」と突き放されるよりはよっぽど親近感を感じることができそうです。

ちなみに筆者はこうした「元本確保型投信」にあまり良いイメージを持っていません。というのも期待されるリターンがそれほど大きくないからです。

一般的にこうしたファンドは、大部分をまず国債などの極めて安全性の高い資産に投資をして、そこから得られる配当や利息の範囲内でリスクの高い投資をする、という構造かと思います。遊ぶのはあくまで「利息」部分であって、「元本」部分は安全第一で運用するということですね。

響きとしては悪くありませんが、ただ問題は日本円のような低金利通貨の場合、国債などに投資をしても得られるリターンはごくわずかで、そのリターンから別の投資をするというのは困難です。実際、最近ではこのような「元本確保型投信」を目にすることはなくなりました。外貨建てなら別ですが・・・。

また、そもそも論から言って世の中にウマイ話はありません。リスクとリターンは比例していますので、リスクが下がれば下がるほどリターンも低下していくことになります。「元本はほぼ保証だけれど、リターンは高いよ!」と言った「ローリスク・ハイリターン」の商品などあり得ません。その点では「元本確保」という「元本保証もどき」に多少のうさん臭さを感じるのは筆者だけではないと思います。

ではここからは具体的に、販売好調により販売会社が大きく増える「アセットマネジメントOne」社の元本確保型投信である「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」の中身を見ていきたいと思います。その特徴をざっくりまとめるとこうなります。

・世界の株式、国債に分散投資する。

・10年後の円建て元本をゴールドマン・サックス社が保証する。

・信託報酬(手数料)は実質的に無料。

・運用益の10%が成功報酬としてゴールドマン・サックス社に支払われる。

利益の1割を諦めるだけで実質的に「元本保証」になるわけですから、魅力的に感じる方は多そうですね。だからこそ販売会社が増えるということなのでしょうけれど・・・。

ちなみに運用開始時点での投資ポートフォリオはこうなっています。



元本確保型」らしく、約8割国債での運用となっていますが、それでも日本国債は1割にとどまっており、思いっきり外貨建て資産に投資しているのが印象的ですね・・・。逃げている様子は全くありません

個別に見てみると株式の過半がオーストラリア株式になっていたり、国債もドイツ国債イギリス国債に多く投資していたりと結構いびつではありますが、それでも攻めていますね!

ゴールドマン・サックス社からするとこのポートフォリオによって10年後に運用益が赤字となる可能性はかなり低く、その可能性も、投資リターンの10%の成功報酬で十分カバーできるということなのでしょうね。

単に株価の下落リスクだけならそんな気もしますが、ただこのファンドの場合、為替リスクもゴールドマン・サックス社が丸ごと負っているわけですからね・・・ちょっと話が旨すぎるように感じるのは筆者だけでしょうか?

世界一の投資銀行であるゴールドマン・サックス社が10年後に破綻していることはまずないでしょうしね。

言い換えれば、現時点では筆者が理解していないリスクがどこかにあるのかもしれません。このファンドに投資しようとされる方はぜひしっかりそのあたりもチェックしていただければと思います。

ちなみにバフェット氏が指摘するように「自分がわからないものに投資してはいけない」のだとすると・・・筆者にとってはこのファンドに投資するのはまだ時期尚早のようです(汗)。

では今回の読者アンケートは、「世界一の投資銀行であるゴールドマン・サックス社が元本保証する、アセットマネジメントOne社の元本確保型投信は魅力的?魅力的ではない?」でいきましょう。投票は9月22日まで。

■【読者アンケート】世界一の投資銀行であるゴールドマン・サックス社が元本保証する、アセットマネジメントOne社の元本確保型投信は魅力的?魅力的ではない?(9月22日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=443



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