銀行.info

銀行関連ニュース

11月の世界の株価収益率を更新しました。

執筆者: ginko 発行日付: 2018-11-17

11月の、世界各国の主要株式市場の株価収益率(PER)一覧を更新しました。

<1.株価収益率(PER)とは?>

株価収益率(PER)って何?という人にご説明しておきますと、株価が、その会社の利益の何倍くらいになっているか、という株価の割高・割安を示す尺度です。ある会社の一株あたりの利益が1万円として株価が20万円なら、20万円÷1万円=20倍、というわけですね。言い換えれば、「株価は利益の何年分か」を表していると言えます。株価収益率が20倍なら「利益の20年分の株価」ということですね。

で、なぜこれが大事かというと、株価が割高か割安か、全てこれだけで説明できてしまうような万能のモノサシだからです。歴史上、たくさんのバブルがありましたが、多くは株価収益率が40倍とか60倍とか80倍という、利益額から見れば気の遠くなるような株価になったんですね。

もちろん当時は、その「高い株価収益率」を正当化するもっともな理屈がたくさんあったのでしょうけれど、結果的にはどんなバブルもはじけ、高い株価収益率は「重力」に負けて低下し(時には破滅的なスピードで)、概ね15倍前後に落ち着いています。株価収益率は、特に株価が割高になっていないかどうか、目安としては「20倍を超えていないかどうか」チェックすればいいと思います。

一方で例えば15倍未満の株価収益率は相対的に割安といえますが、割安には割安な理由があるので、飛びつくのはオススメしません。あくまで「割高」のチェックに用いると良いでしょう。


<2.今月の株価収益率>

11月の世界の株価収益率の推移はこんな感じです(Bloombergの予想PERを利用しています)。



11月の株価収益率の平均は前月と比較して上昇しました。先月の単純平均は12.77倍で、今月は12.92倍ということですね。

上がったということは株価が「割高」になったということになります。株価が割高となる要因は以下の通りです。

・株価が上がる
・企業収益が減る


ここでいつものように最近の株価の動きをチェックしておきましょう。

■日経平均株価(6ヶ月)



■日本を除く、世界の先進国の平均株価(円建て:6ヶ月)



■世界の新興国の平均株価(円建て:6ヶ月)



1ヶ月前と比較すると意外と新興国の円建ての株価が上昇しているように見えます。具体的な数値をチェックしてみるとこうなります。

・日本 :下がる(22,694円→21,680円)
・先進国:下がる(649ポイント→645ポイント)
・新興国:上がる(905ポイント→917ポイント)


日本株は下がり、先進国はトントンで、新興国だけ上昇したということですね。今月は「新興国の株価上昇によって株価収益率=PERが上がった」となりそうです。

なお、この先進国株・新興国株の指数は円建てですので為替相場の影響を強く受けます。というわけで為替相場をチェックするとこうなります。

■ドル円相場



ジワジワ円安が進み114円前後という水準ですね。こうした傾向は円建ての株価指数に直接プラスとなるほか、日経平均にも上昇圧力となってきます。

しかしそれでも素直に株価が上昇しないのはやはり、ここ最近の株価下落の余韻が残っているということでしょうね。世界の個別の株価動向をチェックすると、まずアメリカ株はこう。

■アメリカ株(S&P500)



10月以降、株価が下落基調になっていることが分かります。中間選挙も終わり不確実性が払しょくされ、再度上昇に転じても良さそうなものですが、株価回復にはもう少し時間がかかりそうですね。

こうした株価下落の一因となったと指摘されているのがアメリカの長期金利の上昇ですが、チャートをチェックしてみるとこうなっています。

■アメリカ長期金利



確かに節目となる3%を超えて上昇しており、株価の重しとなっているのは間違いなさそうですね。

次に新興国をチェックしてみると、主要な新興国の株価はこうなっています。

■中国株(上海総合指数)



■インド株(MSIS)



■ブラジル株(ボベスパ)



■ロシア株(MOEX)



上記の通りこちらはどの国の株価も何故か足元で回復基調ですね!アメリカの金利が上昇する中で新興国の株価が回復するというのは違和感がありますが、中間選挙の結果、民主党が下院で勝利し、トランプ大統領の保護主義的な政策が多少弱まるという期待があるのかもしれません。

ただ実際には外交政策に関しては大統領の権限が大きく、むしろトランプ氏がますます強硬的になるという見方もあります。楽観は禁物ですね。

日本の株価も先進国の株価も新興国の株価も、上がるにせよ、下がるにせよ、落ち着くまでにはもう少し時間がかかりそうです。

最後に個別の株価収益率=PERはこのようになっています。



今月の割高市場アメリカ/ナスダック市場インド/MSISになっています。

次の15倍以上20倍未満のゾーンはアメリカ/NYダウ、と日経平均、そしてJASDAQですね。

株価は割高の時よりも割安の時に購入した方がいいわけで、これから株式投資をご検討の方はこうしたPERの状況にも注意しながら、なるべく割高な市場・タイミングは避けて投資先を選別していただければと思います。

だからと言って「低ければいい」というものではないのは申し上げた通りですが。

各株価指数のPERの具体的な推移はこちらをご参照ください。

>>>世界各国主要株式市場の株価収益率(PER)推移はこちら  https://www.ginkou.info/per/index.html


>>>間違いだらけの銀行えらび ~ 銀行.info<<<

思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!



スポンサードリンク

Copyright© 2017 Ginkou.info All Rights reserved.

PAGETOP MENU MENU