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ブレグジット、無事に離脱できる?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-12-12

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「経団連の1次集計によれば冬のボーナスは+3.5%増と過去最高になることが予想されていますが、あなたの冬のボーナスは増えそう?減りそう?」では・・・

1位:変わらない 40%
2位:増えそう 20%
〃 :減りそう 20%
〃 :ボーナスはない 20%

となりました。1位は「変わらない」で約4割ですね。なるほど。

回答全体の加重平均をとっても「変わらない」ということになります。経団連の集計では冬のボーナスは過去最高とのことですが、読者の方の実感とは異なりそうですね・・・。

ちなみに日経新聞がまとめた冬のボーナス調査では、全産業の平均支給額は83万4,391円最高額となったようです。前年比は3.28%増で、6年連続で前年を上回ったとのことで経団連の1次集計にほぼ準じた結果となっています。その内訳はこうですね。

・製造業:+3.38%

・非製造業:+2.86%

経団連の調査と違って、製造業の方が増加率が高いですね。とは言いつつ業種ごとに見るとその増減は結構バラバラです。



製造業で言えば、最高が前年比16.2%増の鉄鋼であるのに対して、最低は4.7%減の紙・パルプとなっています。

また非製造業では、最高が17.4%増のマスコミ・出版・広告であるのに対して、最低は0.2%減の商社となっています。

どの業種に属するかで冬のボーナスの風景も大きく異なるということですね。読者の方のアンケートの回答結果がバラバラなのも当然と言えそうです。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは1月5日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=515

〔前回のコラム〕
2018冬のボーナス、増える?減る?


 --- Ginkou ---

市場、政権交代を懸念 「合意なし」上回る混乱も
https://www.nikkei.com


メイ首相は10日、議会下院で11日に予定していた離脱協定案の採決見送りを表明した。経済が混乱しかねない「合意なし離脱」の懸念がくすぶる中、金融市場が同等かそれ以上に恐れるシナリオがある。政局の混迷が総選挙の引き金となり、最大野党・労働党が政権を奪うリスクだ。

離脱案の採決延期は、与党・保守党内でも強硬な反対に遭うメイ氏の八方ふさがりを印象づけた。議会の声をEU側に伝えるというが、今後の道筋は不透明になった。

「合意なしは怖くない。最悪なのは政権交代だ」と、英ヘッジファンド関係者は語る。今後、着地点を見いだせないまま議会運営が行き詰まれば、解散・総選挙に至る恐れはゼロではない。

労働党政権の誕生に気をもむ投資家は多い。強硬左派のコービン党首は2015年に就任後、反企業的な立場を鮮明にしてきた。鉄道や郵便といった社会インフラの再国有化、法人増税、金融取引税の導入など、労働党の政策には英金融街シティーが嫌う項目が並ぶ。

離脱案の採決で市場が注視していたのはメイ氏の負け方だった。大量造反で票差が開けば政権存立が危うくなりかねない。

例えば、議会通過と引き換えに総選挙を約束するなどの道もゼロではない。任期満了前の総選挙には下院議員3分の2以上の賛成が必要でハードルは高いが、無視はできないとの見方だ。

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

イギリスのEUからの離脱=ブレグジットが混迷していますね。11日に予定されていた離脱協定案のイギリス議会での採決も見送りとなりました。

そのまま採決しても協定案は拒否された可能性が高かったようですので、見送りそのものは正しい判断だったと思いますが、ただそれによって打開策が見つかる可能性は低く、メイ首相としては引き続き八方塞がりの状態と言えます。

とりあえずEUに対して交渉の余地を探るのでしょうけれど、EUのトゥスク大統領は採決延期を受けツイッターに「英国との離脱案の再交渉には応じない」と投稿したとのことですので、単なる先延ばしで終わりそうですね。

イギリス議会側が妥協せず、EU側も譲歩しないということになると交渉の決裂は確実です・・・あな恐ろしや。

今のところ考えられるシナリオは以下3つです。

・奇跡的にイギリス議会とEUが折り合い離脱協定案に合意 → ソフトブレグジット

・合意できないまま時間切れ → ハードブレグジット

・イギリスがEU離脱を撤回 → EU残留

最も可能性が高いのはやはり2つ目の合意なき離脱=ハードブレグジットです。

もしそうなれば金融市場にもリスク要因として暗い影を投げかけるのではないかと思いますが、上記日経新聞の記事ではヘッジファンド関係者の印象的な声が紹介されていますね。「合意なしは怖くない。最悪なのは政権交代だ」とのことです。

仮にメイ首相が解散・総選挙に踏み切れば最大野党である労働党の政権ができる可能性があるわけですが、その労働党のコービン党首の主張はこういうことのようです。

・鉄道や郵便といった社会インフラの再国有化

・法人増税

・金融取引税の導入

再国有化」など全くピンと来ませんが、かなり筋金入りの左派ということですね。金融市場が気をもむのも当然かもしれません。

個人的にはさすがに今度国民投票をすれば、EU残留派が勝利すると思いますので再投票というのも悪くないとは思いますが、果たしてメイ首相とイギリス議会はどう判断していくのでしょうか?

最近の株価低迷にもこのハードブレグジット懸念が影響しているのだとすれば我々日本人も無関係ではいられませんね。

離脱協定案の行方を注意深く見守っていきたいと思います。

では今回の読者アンケートは、「イギリス議会で予定されていたEUからの離脱協定案の採決は見送りとなりましたが、イギリス議会とEU双方が歩み寄る可能性は低く、合意なき離脱=ハードブレグジットの可能性が高まっています。あなたはどういう結末を予想する?」でいきましょう。投票は1月12日まで。

■【読者アンケート】イギリス議会で予定されていたEUからの離脱協定案の採決は見送りとなりましたが、イギリス議会とEU双方が歩み寄る可能性は低く、合意なき離脱=ハードブレグジットの可能性が高まっています。あなたはどういう結末を予想する?(1月12日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=520



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