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アパート投資は魅力的?

執筆者: ginko 発行日付: 2019-02-13

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「クイック社の調査では金融機関を信頼している人より、信頼していない人の方が多いという悲惨な結果でしたが、あなたは銀行を信頼している?していない?」では・・・

1位:どちらとも言えない 40%
2位:信頼している 30%
〃 :信頼していない 30%

となりました。1位は「どちらとも言えない」で4割ですね。

また2位も「信頼している」と「信頼していない」 が並んでおり、銀行に対する評価は完全に分かれていることになります。

銀行関係者からは残念な結果と言えますが、ただ預金者のあるべきスタンスからすればこれくらいがちょうどいいという気もしますね。

基本的には預金者と銀行の利害は対立するわけですし、今や銀行も投信や外貨預金などのリスク商品を積極的に販売する時代ですので、「銀行が販売している商品だから損しない」「銀行で勧められた商品だから安全性が高い」などという事は決してありません。

中にはそうした商品を強引に売りつけようとする銀行員もいるでしょうから、一定の警戒心はむしろ好ましいと言えます。

ただそうは言いつつ。

銀行の良さを挙げるとすれば、前回のコラムでもご案内したように「ハイリスク・ノーリターン」と言った詐欺的な商品を売りつけられる可能性は限りなくゼロであるという点です。

銀行員のセールストークを鵜呑みにしてはいけませんが、銀行の商品選択能力については十分信頼していいという事ですね。

素人だとなかなか金融商品の真贋を見分けるのは困難ですので尚更です・・・。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは3月6日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=576

〔前回のコラム〕
銀行は信頼できる?信頼できない?


 --- Ginkou ---

アパート融資の退潮鮮明 昨年、新規16%減 スルガ銀問題で慎重に
https://www.nikkei.com


15年の税制改正で相続税の課税対象が拡大されたこともあり、土地所有者や富裕層を中心に投資用アパート・マンションの建築に火が付いた。所有地にアパートを建てると土地の評価額が下がり、借金で純資産額を圧縮することで相続税の負担を減らす策が注目された。

15年から17年にかけてアパート融資は新規の実行額が3兆円台まで膨らんだ。特に16年は15年比で22%増の高い伸びとなった。土地所有者の節税需要が一巡すると、副収入や資産形成を狙った会社員の投資用不動産の取得熱に注目が集まり、融資が増えた。日銀のマイナス金利政策もあり、銀行は投資用不動産への融資を競い合った。

暗転したのは18年。投資用不動産を取得したい会社員らへの融資に積極的だったスルガ銀行の不祥事が発覚した。借り入れ希望者の年収や資産などを示す審査書類の改ざん、取引価格を水増しした不動産売買契約書の偽造が横行していた。本来は返済能力の低い相手にも億円単位で貸した。

日銀によると18年10~12月期の新規融資額は14%減の5879億円。8四半期連続で前年実績を下回った。スルガ銀行は18年10月に金融庁から投資用不動産融資で6カ月間の業務停止命令を受け、新規融資を止めた。スルガ銀行は16年度に3900億円、17年度に2600億円をこの分野で新規に融資。同行の「市場退出」が全体の融資を押し下げた面もある。

国土交通省によるとアパートを含む貸家の新築着工戸数は18年に前年比で5%減の約39万6000戸だった。7年ぶりに減った。銀行が融資を絞り始めた影響が顕著で、不動産市況の変調を懸念する声も出てきた。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

上記記事の通りアパート融資が減速しているということですね。グラフはこのようになっています。



確かに新規融資額を見ると、2016年をピークに右肩下がりで下がっていることが分かります。

筆者は安易な不動産投資には反対ですのでこの傾向は好ましいもののように思います。

現状の新築物件の投資利回りは5%を切るくらいでしょうか?とすると空室率を考慮して実質的な利回りは4%程度とします。

費用として不動産投資ローンの金利を2.5%、建物の減価償却を1.5%とすると合計4%となり、すでにトントンですね!

税金や修繕費用、管理費用などを考慮すれば赤字間違いなしです。

さらに不動産投資が難しいのは、建物の経年劣化に伴い賃料が徐々に下がっていくことですね。賃料の下落と共に金利や減価償却などの費用が下がってくれればいいですが、もちろんこうした費用は1銭たりとも下がりません

逆に修繕費用などが増えていくとすると「収入が減る一方、費用は増えていく」わけで、耐えれば耐えるほど傷口が広がっていくという悲惨な状況が待っています。

不動産投資の最大の問題点はまさにこの「最初は良くても、徐々に苦しくなっていく」という損益構造ですね。

もちろんセールスの現場では「最初は良い」という部分ばかりがクローズアップされますので、騙される人が出てくるのも仕方がないようにも感じます・・・。

仮に賃貸ではうまくいかなくても相続税対策になるからいい!」と嘯く方もいらっしゃるかもしれませんが、確か筆者の理解が正しければ、入居者がいないとそうした相続税効果も得られないように思います。投資アパートの販売業者は基本的には「売ればお終い」というビジネスモデルですから、甘言に踊らされることなく、自己責任で慎重に投資の是非を検討していただければと思います。

税制そのものが変わるリスクもありますしね。やはり基本的には賃貸ビジネス単体でしっかり黒字化していく目途を持つことが最低条件な気がします。

ちなみにこうした不動産投資に対してよく言われる批判が、人口減少に伴い「家余り」が懸念される日本で、そんなにアパートを作ってどうするの?というものですね。

ではどれくらい作りすぎているのか、その数を検証してみたいと思います。まず上記記事の通り借家の新規着工件数は年間40万戸ということです。

次に借家の戸数をチェックしてみると、2013年の総務省「住宅・土地統計調査」によれば 1,852万戸となっています。仮にこうした借家が50年も経てばさすがに住めなくなるとすれば、年間37万戸が「退場」していくこととなり、「新規で年間40万戸」というのは規模を維持する上で意外と合理的な水準ですね!

ただ一方で顕著なのは空家率の増加傾向です。



こうした傾向は今後も続くのでしょうし、不動産投資ローンの返済期間は20年や30年と言った長期でしょうから、影響は間違いなく大きいものと思います。

FXで10万円損した、仮想通貨で100万円損した、という話なら可愛いものですが、不動産投資の場合、少なくとも数千万円、下手すれば1億円を超えますからね。人生を踏み外すことのないよう、しっかり勝算を計算して頂きたいものです。

では今回の読者アンケートは、「スルガ問題などの影響でアパート融資は減速しているようですが、個人投資家として不動産投資は魅力的?魅力的ではない?」でいきましょう。投票は3月13日まで。

■【読者アンケート】スルガ問題などの影響でアパート融資は減速しているようですが、個人投資家として不動産投資は魅力的?魅力的ではない?(3月13日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=581



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