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2月の世界の株価収益率を更新しました。

執筆者: ginko 発行日付: 2019-02-16

2月の、世界各国の主要株式市場の株価収益率(PER)一覧を更新しました。

<1.株価収益率(PER)とは?>

株価収益率(PER)って何?という人にご説明しておきますと、株価が、その会社の利益の何倍くらいになっているか、という株価の割高・割安を示す尺度です。ある会社の一株あたりの利益が1万円として株価が20万円なら、20万円÷1万円=20倍、というわけですね。言い換えれば、「株価は利益の何年分か」を表していると言えます。株価収益率が20倍なら「利益の20年分の株価」ということですね。

で、なぜこれが大事かというと、株価が割高か割安か、全てこれだけで説明できてしまうような万能のモノサシだからです。歴史上、たくさんのバブルがありましたが、多くは株価収益率が40倍とか60倍とか80倍という、利益額から見れば気の遠くなるような株価になったんですね。

もちろん当時は、その「高い株価収益率」を正当化するもっともな理屈がたくさんあったのでしょうけれど、結果的にはどんなバブルもはじけ、高い株価収益率は「重力」に負けて低下し(時には破滅的なスピードで)、概ね15倍前後に落ち着いています。株価収益率は、特に株価が割高になっていないかどうか、目安としては「20倍を超えていないかどうか」チェックすればいいと思います。

一方で例えば15倍未満の株価収益率は相対的に割安といえますが、割安には割安な理由があるので、飛びつくのはオススメしません。あくまで「割高」のチェックに用いると良いでしょう。


<2.今月の株価収益率>

2月の世界の株価収益率の推移はこんな感じです(Bloombergの予想PERを利用しています)。



2月の株価収益率の平均は前月と比較して上昇しました。先月の単純平均は12.51倍で、今月は12.98倍ということですね。

上がったということは株価が「割高」になったということになります。株価が割高となる要因は以下の通りです。

・株価が上がる
・企業収益が減る


ここでいつものように最近の株価の動きをチェックしておきましょう。

■日経平均株価(6ヶ月)



■日本を除く、世界の先進国の平均株価(円建て:6ヶ月)



■世界の新興国の平均株価(円建て:6ヶ月)



1ヶ月前と比較するとどの株価指数も明らかに上昇していますね。中でも新興国株は回復が早いように見えます。

具体的な数値をチェックしてみるとこうなります。

・日本 :上がる(20,666円→20,900円)
・先進国:上がる(2,222円→2,310円)
・新興国:上がる(1,386円→1,404円)


やはりどの指数も上昇しています。今月は「株価上昇によって株価収益率=PERが上がった」ということになりそうです。

なお、この先進国株・新興国株の指数は円建てですので為替相場の影響を強く受けます。というわけで為替相場をチェックするとこうなります。

■ドル円相場



年末年始の大幅な円高で一時107円台になったドル円も、足元では110円台の円安水準です。という水準ですね。こうした傾向は円建ての株価指数に直接プラスとなるほか、日経平均にも上昇圧力となってきます。

次に世界の個別の株価動向をチェックすると、まずアメリカ株はこう。

■アメリカ株(S&P500)



かなり力強く回復していますね!これまで株価を抑えてきたアメリカの長期金利ですが、最新の動きをチェックするとこうなります。

■アメリカ長期金利



大きく低下していますね!こうした動きがアメリカの株高を支えているのは間違いなさそうです。

ただ金利低下なのに、ドル高が起きているのはどういう理由なのでしょうね?普通は金利低下=通貨安なはずですが・・・。どちらかが間違えているのだとすると、今後「金利上昇」か「ドル安」かのどちらかが起こりそうです。

それはともかくとして、アメリカの金利が下がれば、特に新興国の株価には上昇要因となってきますが、主要な新興国の株価はこうなっています。

■中国株(上海総合指数)



■インド株(MSIS)



■ブラジル株(ボベスパ)



■ロシア株(MOEX)



やはりどの指数も足元では回復傾向ですね。特にブラジル株の回復は目覚ましいものがあります。一方、ロシア株はまだ本格回復とは言えませんが、少なくとも下落は止まっている状態ですね。

結局のところ「アメリカの金利が下がれば全て丸く収まる」ということなんですかね・・・。

ただ今年の金融市場を俯瞰すると「米中貿易戦争」や「ハードブレグジット」など懸念が山積していますし、日本でも秋に消費税増税が控えており、国内景気のスローダウンは避けられません。

加えて、より深淵な「世界経済が後退するのではないか?」という悲観論は根強いですね。

確かにリーマンショック以降ずっと続いてきた景気の回復局面は長すぎますのでいつ腰折れてもおかしくないわけですが、ただこのタイミングでいきなり景気が悪化していくかどうかは分かりません。実体経済は好調ですからね。

その点では、今後の株価動向に対する不透明感はかなり強く、投資家としては予断を持たずリスクをコントロールしていくことが求められそうです。

要するに株価が急落しても困らないよう準備しておくということです。

最後に個別の株価収益率=PERはこのようになっています。



今月の割高市場アメリカ/ナスダック市場インド/MSISになっています。

次の15倍以上20倍未満のゾーンは日経平均JASDAQ、そしてアメリカ/NYダウですね。

株価は割高の時よりも割安の時に購入した方がいいわけで、これから株式投資をご検討の方はこうしたPERの状況にも注意しながら、なるべく割高な市場・タイミングは避けて投資先を選別していただければと思います。

だからと言って「低ければいい」というものではないのは申し上げた通りですが。

各株価指数のPERの具体的な推移はこちらをご参照ください。

>>>世界各国主要株式市場の株価収益率(PER)推移はこちら  https://www.ginkou.info/per/index.html


>>>間違いだらけの銀行えらび ~ 銀行.info<<<

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