まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「ここに来てビットコインの価格が急上昇し、最安値から2.5倍の水準となっていますが、それでも最高値からは半分以下です。ビットコインの上昇は続く?続かない?」では・・・
1位:続かない 50%
2位:わからない、興味ない 30%
3位:続く 20%
となりました。1位は「続かない」で5割ですね!筆者も全く同感ですが、では足元のビットコインのチャートをチェックしてみるとこうなっています。
直近のピークである100万円から早くも崩れ、83万円にまで下がっています。もし裏で値段を吊り上げ、高値で売り抜けた人がいるとすれば、やはり今回も食い物にされたのは個人投資家ということになるのでしょうか・・・。
しかも「100万円」という切りのいい数字が上限になったことを考えると、仕掛けたのも、食い物にされたのも、どちらも日本人という気がしますねぇ。
実体がないという点でこんなに純粋なバブルはないと思えたビットコインバブルですが、その後の価格下落や、今回の「半値戻し」も、極めて典型的なバブル崩壊後の値動きになっているように見えます。
株式であれば「企業の収益」という根源的な価値があるわけですが、ビットコインの場合はそうしたものがないわけで、本格的な復活は難しそうですね。
そもそもビットコインの価格には「通貨」機能に対する期待が乗っかっていたと思いますが、それがなくなった今でも同じ価値を維持できると考える方がおかしいですね。
ビットコインが我々に教えてくれることは多いです・・・。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは6月29日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=653
〔前回のコラム〕ビットコインの上昇は続く?続かない?
--- Ginkou ---
人生100年「2000万円不足」 金融庁、年金以外の資産形成促す
https://www.nikkei.com
金融庁は3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめた。長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。公的年金制度に頼った生活設計だけでは資金不足に陥る可能性に触れ、長期・分散型の資産運用の重要性を強調した。
金融審議会で報告書をまとめ、高齢社会の資産形成や管理、それに対応した金融サービスのあり方などを盛り込んだ。
平均的な収入・支出の状況から年代ごとの金融資産の変化を推計。男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦では、年金収入に頼った生活設計だと毎月約5万円の赤字が出るとはじいた。これから20年生きると1300万円、30年だと2千万円が不足するとした。
長寿化が進む日本では現在60歳の人の25%は95歳まで生きるとの推計もある。報告書では現役時代から長期積立型で国内外の商品に分散投資することを推奨。定年を迎えたら退職金も有効活用して老後の人生に備えるよう求めた
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
それなりに波紋を投げかけているように感じるのが、上記記事の通り金融庁が「年金だけでは老後に2,000万円足りなくなる」と指摘した、という報道です。
筆者が驚いたのはその内容ではなく、「その指摘が波紋を投げかけている」という点です。
「老後に○千万円足りなくなる」という指摘はごくありふれたものであり、1年に1回は目にしているような気がしますが、なぜ今回、話題となっているのでしょうね?
やはり金融庁が試算した、という点が大きいのでしょうか。
ただいかにありふれた話とは言え、確かに金融庁がホラーストーリーで国民を煽るというのは違和感がないではありませんので出典を見てみると、「金融審議会/市場ワーキング・グループ(第24回)」という会議で作られた資料のようですね。
つまり金融関係者同士で意見交換する資料の中の一部分が独り歩きしたということなのでしょうから、それなら納得できます。
では本題に戻って「年金だけでは老後に2,000万円足りなくなる」という指摘は正しいのでしょうか?
結論から言えば正しいとも言えますし、正しくないとも言えます。
こうした「○千万円足りなくなる」という試算は一般的には
・(平均的な老後の生活費 - 平均的な年金額) × 老後の年数
によって計算されます。
金融庁の試算では、上記記事にもあるように「毎月約5万円不足する」という前提から、老後が20年なら1,300万円、30年なら2,000万円不足するという結論になったわけですね。
ただしこの試算には大きな誤解が2つあります。
まず1つ目は、「老後の生活費はコントロール可能」だという点ですね。 試算では
・平均的な老後の生活費:26万3,718円
・平均的な年金額:20万9,198円
となっているようですが、老後の生活費が必ず26万3,718円となるわけではありません。当たり前ですが。
36万円に設定してもいいですし、16万円でやり繰りするのも個人の自由です。
上記の例で言うと仮に生活費を月20万円に抑えれば、「老後の資金は年金だけでも永遠に不足しない」ということになります。
2つ目は「65歳以降も働ける」という点です。足りないのが5万円ならどちらかが月に10日、2人で月に5日働けば十分賄えますね。
仮に2人で年100万円くらい働くとして、75歳くらいまではみなさん元気でしょうから、10年とするとそれだけで1,000万円の収入が加算されることになります。
そうなれば老後の家計は大きく改善されますね。
もちろん「2,000万円足りなくなりそうだから今の内に貯めておこう!」と危機感を持つのは悪くないとは思いますが、ただ現実的には「何とかなる」わけで必要以上に悲観的になる必要はないですね。
もし本当に老後に2,000万円必要なら、周りで老後破産が多発しているはずですが、実際にはそうではないですからね。ご安心ください。
ということで今回の読者アンケートは、「金融庁の試算では老後資金として年金以外に2,000万円必要とのことですが、あなたはいくら必要だと思う?」でいきましょう。投票は7月5日まで。
■【読者アンケート】金融庁の試算では老後資金として年金以外に2,000万円必要とのことですが、あなたはいくら必要だと思う?(7月5日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=658
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