このコラムは筆者の実際の資産運用の推移です。2006年4月から始めた想定ですので、13年4ヶ月目となります。
実際はもっと前からやっていますが、この時期に運用を始めた資金があるのでその推移をご案内しています。筆者の失敗や成功から、何か運用のヒントを感じてもらえれば幸いです。
<1.運用方針>
1.毎日、資産運用するヒマはないし、かけた時間だけの「あがり」は期待できないので、見直しは月1回のみとします。
2.投資対象は分散したいので、投資信託を中心とします。
3.目標利回りは年5%。割合、低めです(笑)。リスクは積極的に取りますが、安全性も重視します。
4.投資方針としては、「逆張り=下がったら買い」を目指していましたが、2015年から2016年にかけての株価下落を背景に「積極的な手仕舞い」モードに移り、現時点ではほぼ手仕舞い完了です。
<2.計算方法>
1.筆者の実際の運用結果に基づき利回りを算出しますが、あまり元本が少ないのも迫力がありませんし、あまり元本が多いのも真実味がない、ということで元本を大体500万円くらいに換算して計算します。したがって目標利回り年5%ですから年間25万円くらいの利益を目指すことになります。
2.2006年4月からスタートしたことにします。
3.手数料なども加味します。したがって、運用開始時はいきなりマイナス3%など、手数料分だけマイナスから始まります。
4.計算が面倒なので、お給料などの追加資金は含めません。
<3.現在の運用割合>
現在の運用割合ですが・・・投資資産のかなりの部分を売却し、9割超が普通預金となっています。
国内外の債券も日本株も先進国株も新興国株も海外REITもたたき売り、残る投資資産は国内REITだけとなっております。さっぱりしてしまいましたね・・・。
売却については2016年春先の株価下落に対して過剰反応してしまった気もしなくはないですが、吉と出るか凶と出るかは神のみぞ知る、です。今のところ・・・凶かもしれませんが。もう3年も経ちますしね。
<4.運用実績>
まずは運用実績の前月との比較です。今月は前月と比較して+1万円ということですね。残った唯一の投資資産である国内REITが上昇したということですが、ほとんどの資産を売却してしまった今となっては上昇しても下落しても全体の成績に大きな影響はありません・・・。
次に当ポートフォリオの通算成績はこのようになっています。
通算成績としては、繰り返しになりますがほとんどの資産を売却してしまったこともあり、当面は海外債券/先進国、海外債券/新興国、国内REIT、国内株式/高配当株、海外株式/高配当株、海外株式/中国、海外株式/アジアの黒字が確定、ということになります。
逆に言えば海外REIT、国内株式/新興市場、海外株式/ロシア・東欧、海外株式/ブラジル、海外株式/インドの赤字もまた当面確定ということになります。
そうしたわけで「7勝5敗」という全体成績もまた当面はこのままですね。
全体の通算成績の推移ですが、通算の運用益はプラス約80万円となっています。こちらも当面はこのままということです。
目標としては毎年25万円の利益ということなので、丸13年となる今年4月の目標は「325万円の黒字」が必要なわけですが・・・重い「宿題」となっています。
先は長いですが、どこかのタイミングで投資を本格的に再開していく中でこの目標値をクリアしたいものです。
<5.今月の追加投資/売却>
さてここからは相場全体を眺めながら投資再開のタイミングを探っていきたいと思います。まず株式相場を眺めてみるとこうなっています。
■日経平均
■アメリカ株(S&P500)
■先進国株(円建て)
どの指数も昨年10月から仲良く下落した一方で、1月から徐々に回復してきました。
最近では米中貿易戦争の再燃を受けて6月ごろに少し低下しましたが、足元ではアメリカの利下げ期待が膨らみつつある中で再び回復基調にあります。
「中国のそもそもの景気減速」や「ブレグジット問題」に加え、世界経済の後退懸念など、投資家を不安にさせる材料が目白押しだったわけですが、もし本当にアメリカが利下げに踏み切れば世界の株式市場は大きなターニングポイントを迎えることになります。
アメリカの利下げは世界の株価に対するカンフル剤のようなものですからね。
個人的には今の景気動向は利下げが必要な状況とはとても思えませんし、サブプライムローンと言った新たなバブルの要因となる可能性が高そうですが、中長期的な影響はともかく、短期的には株価にプラスですね。
ではそのように利下げ期待が高まる中、アメリカの長期金利の動向をチェックしてみるとこうなります。
■アメリカ長期金利
やはり金利低下が鮮明ですね。株価にはやはり「追い風」です。
なお日経平均や円建ての株価は為替相場の影響を受けますが、ドル円チャートをチェックするとこうなっています。
■ドル円相場
足元では108円台の円高となっています。「アメリカの金利低下→日米金利差の縮小→円高」という流れでしょうね。アメリカの金利がまだまだ低下するのであれば、円高傾向はまだまだ続きそうです。
とすると残念ながら日本株にとっては「逆風」の面もありそうです。
日本株には円高の逆風と、金利低下の追い風とどちらの影響が大きいのでしょうね?
さてアメリカの金利が下落すれば上昇しやすいのが新興国の株価ですが、こちらをチェックしてみるとこうなります。
■新興国株(円建て)
過去下がり続けてきた新興国株価ですが、ようやく底入れされたように見えます。足元でも少しずつ上昇しています。
そうしたわけで、株価については全体的に「アメリカの利下げ期待」の影響が出てきていますね。本当に利下げするのかどうかも含めて今後の動向が気になるところです。
さて筆者はこれまで景気後退期の株価下落局面をじっと待ちつづけてきたわけですが。
FRBが本当に利下げをするなら、本格的な景気後退期が来るのを待たずして、好景気が再加速する可能性が出てきました。
強引な利下げによってバブルが膨らむ危険性は高まるものの、破裂するまでは株価にはプラスですね。
これまでは
・景気後退 → 利下げ → 投資再開
というシナリオを持っていましたが、今回のような
・好景気維持 → 利下げ
という展開は投資再開の理由となりますかね?
まだ結論は出していませんが、投資を「多少」再開してもいいかなと思い始めています。アメリカ株は過去最高水準にあるのですけれどね・・・うーむ。
いつものように過去20年のアメリカ株(S&P500)の推移を見てみるとこうなっています。
2000年前後のITバブルや、リーマンショック前の金融緩和バブルをはるかに見下ろす水準まで株価は上昇しているということですね・・・昨年秋からの株価下落も過去の株価水準と比較すれば全然大したことはありません。後から振り返れば「○○バブル」と言われることになりそうです。
このタイミングで投資を再開するのですかねぇ・・・うーむ。
いずれにしてもリーマンショック後に投資した方は当然として、リーマンショック前に投資し、リーマンショックで大損を被った方もそのまま保持していれば十分な投資リターンを得ているということになります。教訓としたいです。
<6.他ファンドとの比較>
筆者の運用スタイルはハイリスク・ハイリターンというよりはミドルリスク・ミドルリターンですので、以下2つのファンドと比較しています。
・3分法ファンド(内外の株式・不動産・債券に分散して投資)
・グローバル・ソブリン・オープン(先進国の債券に投資)
そうするとこんな感じですね。3分法ファンドが緑、グロソブがピンクです。
当サイトのポートフォリオは残念ながら今月も2位となっています。1位の財産3分法ファンドとはだいぶ差が開いてきましたね・・・残念です。
では次回も来月のこの頃に更新予定です。
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