まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「スマホ決済であるLINEペイが銀行口座に直接送金できるサービスを始めたとのことですが、スマホ決済を利用したことがある?今でも利用している?」では・・・
1位:利用したことがない。 70%
2位:利用したことがあるが今は利用していない。 20%
3位:利用したことがあるし今でも利用している。 10%
となりました。1位は「利用したことがない」で約7割ですね。なるほど。これが世の中の平均値とさほどズレていないとすれば、スマホ決済が広がっていくのはまだまだ先なのでしょう。
かく言う筆者も残念ながら利用したことがありません。今のところ利用するメリットが見当たらないからですね。クレジットカードであればチャージなどをしなくてもすぐに使えます。
その点ではEdyなどの電子マネーがそこまで広がらなかったのも、この「チャージの壁」があるのかもしれません。
ただ電子マネーとスマホ決済が違うのは、スマホ決済は口座と紐づいており、振込代わりに使える点ですね。既存の銀行振り込みより便利だと思いますので、ジワジワ広がっていく可能性があります。
とは言いつつそうした個人間の銀行振り込みの市場がどれくらいの規模なのかは分かりませんし、かつその市場から収益を上げるのはさらに難しいのではないかと思います。
正直、筆者はスマホ決済の将来性に疑問を感じてしまいますが、しかしそれでも1割の方が「利用している」と回答しているわけで、仮に全預金者の1割が利用するだけでも膨大な顧客数となります。
加えて、こうした勝算の見えない挑戦に果敢に挑むアニマルスピリットには素直に敬意を表したいと思います。やるからには、筆者のようなスマホ原始人には全く思いつかない新たなビジネスモデルを構築してほしいものですね。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは1月11日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=785
〔前回のコラム〕スマホ決済は魅力的?
--- Ginkou ---
銀行手数料上げに備え 来年、「優遇」大幅見直し
https://www.nikkei.com
2020年は銀行の手数料引き上げが相次ぐ。みずほ銀行は預金額に応じて手数料を優遇するプログラムを改定し、20年3月に振込手数料などを実質的に引き上げる。メガ銀行や地方銀行では稼働していない口座に手数料を課す検討も進む。スマホ決済のLINEペイは銀行より安い手数料で振り込めるサービスを始めた。内容を見極めて金融サービスを使いたい。
みずほ銀は預金残高などに応じ、3段階のステージがある「みずほマイレージクラブ」を大幅に見直す。優遇が縮小し、実質的な負担増となる。
提携先のATMで現金を引き出す場合はステージを問わず、20年3月からセブン銀行とローソン銀行を使うと手数料が生じる。ステージの判定は20年1月末時点の取引状況で確定する。みずほ銀とイオン銀行のATMを対象にした時間外手数料の優遇措置は続ける。
銀行が手数料を上げるのは、長引く低金利で収益力が下がっていることが背景にある。マネーロンダリング(資金洗浄)対策の強化を受け、身元確認などへのシステム対応や人手にかかる経費がかさんでいる。たとえば海外送金では銀行窓口で書類の確認が厳重になっており、ある大手行では関連する人件費が1年で約4割上がったという。
無料が当たり前だったサービスでも銀行は有料化を検討している。三菱UFJ銀は2年間取引がない口座に手数料をかける検討に入った。検討を進めている案では、20年10月以降に開設された新規分を対象とし、年1200円(税抜き)の管理手数料を自動的に引き落とす。2年間取引がない口座が対象となるので、手数料の引き落としが始まるのは最短でも22年秋からになる。
りそな銀と埼玉りそな銀行は04年から、入出金などで2年稼働していない口座に1320円の手数料を課している。残高がなくなると自動で解約されるしくみだ。管理手数料を取る信用金庫も出始めており、大手行や地銀でも徴収への流れが強まる可能性がある。
手数料の体系はますます複雑になっている。手数料の引き上げをきっかけに、ネットバンキングやスマホ決済とも比べながら銀行のサービスを利用したい。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
金利低下の流れの中で銀行の個人向けビジネスは苦戦を強いられているわけですが、特にその苦境が露になったのは2016年にマイナス金利政策が発動されてからですね。
銀行としてはいくら預金を集めてもほぼ儲からなくなったわけで、各銀行が手数料の引き上げに乗り出しているのは当然だと言えます。
上記記事ではみずほマイレージクラブの「改悪」が取り上げられていますが、その内容はこのようになっています。
分かりやすいのがATM手数料でこういうことですね。
・変更前:セブン銀行、ローソン銀行、イーネットで月4回まで無料
↓
・変更後:イーネットで月2回まで無料
対象ATMも回数も大幅に縮小することが分かります。改悪ですねぇ。
加えて衝撃的だったのが記事でも触れられているように、2020年10月以降の新規口座について、三菱UFJ銀行が年1,200円の口座管理手数料を導入しようとしている点ですね。これまでは「優遇を減らす」と言った動きが主でしたが、いよいよ新たな手数料を導入するという話になれば、銀行の「赤字対策」は次のステージに向かうことになります。
ただこの口座管理手数料自体は目新しいアイデアではなく、2000年前後の新規参入銀行では割と「標準装備」だった気がします。実際に徴収されるかどうかは別にして。
それがいつの間にやら各銀行が取りやめた経緯がありますので、今回のこの動きも「いつか来た道」なのだとすれば、金利が上がったタイミングで再び撤廃される運命にあるのかもしれませんね。いや、絶対そうなる気がします。
それはともかくとして、筆者がこの口座管理手数料に賛成か反対かと言うと意外と賛成だったりします。
銀行側からすれば「優良顧客へのサービスを手厚くしたい」というのは当然ですし、顧客側からしても「取引をまとめればより優遇を受けられる」というのは悪い話ではありません。
また、残高がほぼないような口座はむしろ解約してもらった方が手間が無くていいわけで、口座管理手数料によって結果的に使っていない口座が整理されることは、顧客にとっても一定のメリットがあるように感じます。
そうしたわけで筆者はアリかなと感じるわけですが、読者のみなさんはいかがでしょうか?
ちなみに当然ながらそれは「口座管理手数料導入に見合うだけの優遇サービスがある」という前提であり、「優遇がないのに口座管理手数料=ペナルティだけ」というのはもちろん賛同しません。
では今回の読者アンケートは、「三菱UFJ銀行が2020年秋からの新規口座に対し、年1,200円の口座管理手数料の導入を検討しているとのことですが、あなたは口座管理手数料に賛成?反対?優遇サービス次第?」でいきましょう。投票は1月18日まで。
■【読者アンケート】三菱UFJ銀行が2020年秋からの新規口座に対し、年1,200円の口座管理手数料の導入を検討しているとのことですが、あなたは口座管理手数料に賛成?反対?優遇サービス次第?(1月18日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=790
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