まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「ここ数年は110円前後で安定して推移しているドル円相場ですが、現在109円のドル円は1年後に円高になると思う?円安になると思う?」では・・・
1位:変わらない/110円 50%
2位:円安/115円 30%
3位:円高/105円 20%
となりました。1位は「変わらない/110円」で5割です。確かにここ最近は為替相場は安定していますからね・・・。ドル円相場は過去5年でこのように推移しています。
特に2017年以降は106円から114円という狭いレンジで動いてきたことが分かります。去年はアメリカが利下げに転じるなど大きな材料があったにも関わらず落ち着いているのは不思議ですね・・・。
となると1年後も落ち着いて推移していると考えるのは当然です。この1年は少なくとも見えている範囲においては大きな材料となるイベントはないからです。
仮にトランプ大統領が再選できなければサプライズが起きて円高ドル安となりそうですが、しかしまぁ再選するでしょうし、仮に再選できなくても代わりに「普通の大統領」が登場するのであれば、早晩、金融市場は落ち着きを取り戻しそうです。
とは言え危機は予想できないところから起こるものですからね。「適温相場」がどこまで続くのか注目です。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは2月29日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=834
〔前回のコラム〕2020年、為替相場は円高?円安?
--- Ginkou ---
感染「次、日本で拡大も」東北大教授・押谷仁氏
https://www.nikkei.com/
武漢では想像のできないようなスピードで感染が広がっている。帰国した邦人の1%がかかっているところからみると10万人以上の規模に拡大している可能性がある。隠しているわけでなく、この規模だと検査が追いつかず、数えられないのが現実だろう。
中国の各都市では武漢から2~3週間遅れて流行が始まった。今後、すべての場所が武漢のようになるかを注視していかなければならない。
今回の病原体はSARSと同じコロナウイルスだが、感染力や病原性はかなり違う。そのことがコントロールを難しくしている。
SARSと違い、軽症者やウイルスに感染しても症状が出ない人がかなりの割合でいることが、対応を困難にしている。人から人に感染が広がっていく感染連鎖が見えない。潜伏期間でも感染するとなると、封じ込めを目指した公衆衛生対策にとって致命的だ。負け戦でしかない。
日本と中国との人の行き来を考えると、中国以外の国で最初に感染拡大するのが日本になる可能性は十分に考えられる。日本で感染連鎖がすでに成立している可能性もある。ある日突然、それまで見えなかった流行が顕在化することになる。
今回の感染症は人類が経験したことのない、まったく新しいタイプの呼吸器ウイルスによる感染症だ。いつどのような形で終わるかは見通せないが、今夏の東京五輪までに収束している可能性は低い。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
この数週間、世界を震撼させているのが新型コロナウイルス問題ですね。
筆者も正直、どのように対応すればいいのか思案しているというかよく分からないのが実感ですが、上記東北大教授の指摘は説得力があります。抜粋するとこうですね。
・10万人以上の規模に拡大している可能性がある。
・軽症者やウイルスに感染しても症状が出ない人がかなりの割合でいることが、対応を困難にしている。
・潜伏期間でも感染するとなると、封じ込めを目指した公衆衛生対策にとって致命的だ。負け戦でしかない。
・日本で感染連鎖がすでに成立している可能性もある。
・今夏の東京五輪までに収束している可能性は低い。
帰国した日本人の1%が感染していて、武漢市の人口が1,000万人を超えているわけですから、患者数がすでに10万人を超えているというのは間違いなさそうです。
逆に患者数が10万人を超えているのに死者数が490人(5日現在)なのであれば致死率は0.5%ということになりますが、実際はどうなのでしょうね・・・中国相手ですので数字が信用できないのが残念です。
当初言われていた3%にせよ、0.5%にせよ、裏返せば「仮にかかってもまず助かる」ということではあるのですが、しかしインフルエンザの致死率=0.001%と比べればはるかに高く、心配になる気持ちも分かります。
気になるのはこの感染の広がりがいつ収束するのかという点ですね。
潜伏期間が1~2週間なのであれば、とりあえず2週間じっとしていればあっという間に消えてしまうことになりますが、ただ一方で教授氏が指摘しているように「軽症者やウイルスに感染しても症状が出ない人がかなりの割合でいる」という点が、このウイルスの厄介なところなのでしょうね。それだけ毒性が低いということではあるのですが。
つまりすでに中国の幅広い地域で感染が拡大している可能性があるということです。場合によっては100万人規模となっていても驚きません。何と言っても人口が14億人近くいるわけですからね!その1%でも1,400万人です。
となれば遅かれ早かれ、日本でも蔓延していく可能性は十分あるということです。新型インフルエンザも結局は蔓延しましたからね。その時、我々はどう対処すればいいのでしょうね?
いずれにしても教授氏の指摘するように東京オリンピックの時でも収束していないとすると、競技運営に大きな影を落とすことになりそうです。
先日は、この新型肺炎患者に抗HIVワクチンとインフルエンザワクチンを組み合わせて投与したら治った、というニュースが流れていましたが事実なのですかね?事実なのであれば抗HIVワクチンの量がどれくらいあるかは分かりませんが、朗報と言えそうです。
デマの可能性もありますが、しばらくは新しい情報に振り回されることになりそうです。
この感染の行方も気になりますが、もう1つ気になるのが景気への影響ですね。上記の通り致死率はそこまで高くないとすれば中国や世界の景気を根底から揺さぶるものではないと思いますが、しかし中国はもはや世界第2位の経済大国ですからね。思った以上に影響が広がる可能性はあります。
現時点では株価はそこまで暴落しているわけではありませんが、先行きが見通せていないのは金融市場も同じです。今後の展開によっては暴落する可能性もあり、注意しておきたいですね。
では今回の読者アンケートは「新型コロナウイルスの感染拡大が止まりませんが、景気や株価への影響はどこまで深刻?」でいきましょう。投票は3月5日まで。
■【読者アンケート】新型コロナウイルスの感染拡大が止まりませんが、景気や株価への影響はどこまで深刻?(3月5日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=839
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