まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「今回のコロナショックはリーマンショック以上?リーマンショック以下?」では・・・
1位:リーマンショック以上 77%
2位:リーマンショック以下 15%
3位:まだ分からない 8%
となりました。1位は「リーマンショック以上」で8割です。なるほど。
今回のコロナショックは実体経済を直撃していますので確かに実感としてはリーマンショック以上という気がしますね。実際にそうなるでしょうし。
ただ一方で金融市場の恐怖感はリーマンショックの方がはるかに上だった気がします。リーマンショックは金融機関の救済策をアメリカ議会が否決したことから、株式市場の底が抜け、この先どうなるか全く分からない不安がありました。最終的にはヨーロッパの債務危機にまで広がりましたからね。
コロナショックは良い意味でも悪い意味でもおおよそ先が見えてしまう予見性があります。前例があるのは大きいですね。足元の株式市場や為替市場の不思議な静けさの理由もそういうことなのでしょう。
もちろん何度も書いているように、金融市場が今般のコロナリスクを完全に織り込んでいるかどうかは微妙ですが・・・。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは5月23日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=894
〔前回のコラム〕コロナショックはリーマンショック以上?
--- Ginkou ---
感染拡大でも休校なし、休業なし「壮大な社会実験」のスウェーデン、人々は今。【新型コロナウイルス】
https://headlines.yahoo.co.jp
50人に満たなければ集会は開くことができ、カフェには寛ぐ人があふれる。4月のスウェーデンの日常風景だ。
新型コロナウイルス感染拡大で、欧州では多くの国がロックダウン(都市封鎖)する中、スウェーデンは、ロックダウンをせずに国民の自主性を重んじる「スウェーデン方式」をとる。経済的な打撃を抑え込みながらも、一方で、致死率は高い。人々はどう捉えているのか。
人口1023万人のスウェーデンでは4月28日現在、新型コロナウイルスの感染者数が1万8900人超で、2274人が死亡している。イタリアやスペインと比べると、死亡率は大幅に少ないが、北欧諸国やアメリカより高い。
レストランやカフェは、カウンター席は使えないが、ほぼ普段通りに営業を続けている。ジムも開いている。小中学校は休校にもならず通常通りだ。
在宅勤務に切り替えつつも、通りには出歩く人の姿がある。政府が指示するソーシャルディスタンスを保つことを心がけながら、ほぼ普段通りの生活を送っている。
ただ、この状況を「壮大な社会実験」と捉え、結果を見守るという日本人ビジネスマンもいる。三菱商事ストックホルム駐在員首席の長野彰理さんだ。「死亡率はアメリカより高いが、それでも社会はこれまで通りに動いている。壮大な社会実験に参加している気分だ」と話す。
ストックホルムの映画編集者のトマス・ベイェさん(43)は、「新型コロナウイルスについての施策については、何が正解か分からない。そんな中、政府が経済へのダメージと人々の生活の維持のバランスを考えて世界でも珍しいこの方式をとっていると理解しています」と話す。その背景には、歴史的に培ってきた政府への信頼があるのだという。
ただ、一方で、専門家からは異議を唱える声は上がっている。多くの人が自然感染し免疫を持つことでウイルスの感染拡大を抑制する「集団免疫」を獲得することを目指す保健当局。専門家集団が、保険当局の施策は間違っていると指摘し、政府に政策変更を求める声明を4月14日に出した。
※抜粋
〔 出典:Yahooニュース 〕
--- Ginkou ---
コロナウイルス対策について、日本では「人命優先」ということでコンセンサスが出来上がっていますね。緊急事態宣言を歓迎し、営業を続けているパチンコ店に非難が集中しています。
筆者自身はもう少し意見の多様性があってもいいとは思いますが、ただ1日も早く緊急事態宣言を解除するためには患者の新規発生を減らしていくしかありません。
また仮に、一度収束した後しばらく小康状態が続く可能性があるのであれば、徹底した外出自粛によって「短期に自粛終了→本格的な経済活動再開」という道筋も見えてきます。
その点では今はそれぞれがきちんと我慢することで「ウイルス対策も経済も」という二兎を追うことができるのかもしれませんね。
他方で世界では色々な国や考え方があるもので、上記記事の通りスウェーデンではほぼ普段通りの生活を続けているということです。
その感染実態ですが、こういうことですね。
・感染者の割合:1万8,900人÷1,023万人=0.18%
・死亡者の割合:2,274人÷1,023万人=0.02%
つまり、5,000人に1人の割合で亡くなっているということです。
では日本ではどうなっているかと言うとこうです。
・感染者の割合:1万4,828人÷1億2,650万人=0.01%
・死亡者の割合:435人÷1億2,650万人=0.0003%
およそ30万人に1人ということで、何とスウェーデンとは3桁も違います。3桁!
今のところ日本では結果的にウイルス対策はかなりうまくいっているということです。もちろんその裏では医療従事者の方々の涙ぐましい努力があるのだとは思いますが・・・。
ちなみに感染者数は検査数によってかなり左右されますのであまり信用できませんが、さすがに死亡者数はどちらもほぼ正確なのではないかと思います。
日本で死亡者が100倍に増えるというのは全く受け入れられないとは思いますが、ただ今みんなが「緊急事態」を受け入れているのはこの状況が1ヶ月くらいで落ち着くと期待しているからだと思います。
言い換えれば緊急事態が2ヶ月、3ヶ月と伸びて行った時にいよいよ耐え切れなくなってくるのではないでしょうか。おそらく企業もバタバタと倒産していくでしょうしね。
先日のNHKスペシャルは所持金が数百円になったご家族が取り上げられていましたが、そうした困窮が身近に増えていくにつれ「経済も大切」という雰囲気が広がっていくように感じます。
どこかでウイルスと折り合いをつけながら、多少の感染リスクは許容して、経済活動を再開していくタイミングが来るのでしょうね。
というわけで今回の読者アンケートは、「経済とウイルス感染予防。どっちが大切?」でいきましょう。投票は5月29日まで。
■【読者アンケート】経済とウイルス感染予防。どっちが大切?(5月29日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=899
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