まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「SBIによる新生銀行への敵対的買収=TOBが注目を集めていますが、あなたはSBIによる新生銀行買収に賛成?反対?」では・・・
1位:買収に反対 58%
2位:よく分からない、どちらとも言えない 25%
3位:買収に賛成 17%
となりました。1位は「買収に反対」で約6割ですね。まぁ確かに新生銀行がSBIに買収されても良いことは1つも思い浮かびません。系列の住信SBIネット銀行の金利は低いですので高金利は望めませんし、手数料などについても今より無料サービスが増えることは考えにくいです。
仮に住信SBIネット銀行と新生銀行が経営統合したら、ただ単に手数料の低い銀行が1つ減るだけ、ですからね。
加えて、もしSBIが考えているように「地方銀行の中央銀行」になるということなら、新生銀行がリテールから撤退してしまう可能性すらあります。今の時代、リテールは儲かりませんので・・・。
そのように考えると筆者もSBIによる新生銀行買収には反対です。
ただ、それを回避するためにはSBIより高値で新生銀行を買収しようとするスポンサーが必要で、そういう会社はなかなかないでしょうね。
あえて言えばマネックス証券ですが、果たしてそんな資金調達力があるのでしょうか?
結局のところはSBIによって買収されてしまうのではないかと思いますが、今後の趨勢を見守りたいと思います。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは10月16日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1268
〔前回のコラム〕SBIによる新生銀行の買収に賛成?反対?
--- Ginkou ---
立民「アベノミクスは失敗」 検証結果
https://www.nikkei.com/
立憲民主党は21日、安倍晋三前首相の経済政策「アベノミクス」の検証結果を発表した。消費が低迷する理由を消費税増税だと明記した。潜在成長率低下や格差拡大を招いたと指摘し、枝野幸男代表は「アベノミクスは失敗だった」と結論づけた。
立民は検証をもとに時限的な消費税の減税などを衆院選で訴える方針だ。安倍政権下での2度の消費税率引き上げが「消費を腰折れさせた」と分析した。
日銀による大規模な金融緩和は「輸出産業を中心に収益増となった」と評価する一方、地方銀行の経営悪化などの副作用もあったと言及した。安倍政権の成長戦略は研究開発力を低下させたとも批判した。
枝野氏は「新型コロナウイルスによる消費低迷と生活困窮を踏まえると、時限的な消費税の5%への減税が必要だ」と述べた。政府が掲げる2025年度の基礎的財政収支の黒字化目標は「凍結せざるを得ない」と記者団に語った。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
自民党の総裁選が佳境を迎え、「数の力」では岸田氏に軍配が上がりそうな気がしますが、果たしてどうなるでしょうか。
それはともかくとして、各候補の経済対策を見てみると、良い意味でも悪い意味でも大きな差が無いように感じます。つまりはアベノミクスの継承ですね。
確かにコロナ禍による経済の落ち込みの中では、
・機動的な財政政策
・大胆な金融緩和
以外に選択肢はありませんし、さらに3本目の矢である「規制緩和による成長戦略」についても総論として反対する人はいないと思います。
もちろん国家観としては、岸田氏はハト派、高市氏はタカ派、河野氏は中道ということで大きな差がありますが、とは言え経済に関して言えば奇策があるわけでもなく、誰がやっても似たような政策となるのは当然な気がします。
さてそのアベノミクスについて立憲民主党が検証をしたようで、結論としては「失敗だった」とのこと。もちろん野党として「成功だった」と言わない・言えないのは予想通りですが、具体的に何が失敗だったと言っているのでしょうか。
記事から抜粋すれば「安倍政権下での2度の消費税率引き上げが消費を腰折れさせたと分析した」となっています。
いやいやいや!
上記の通りアベノミクスは「金融緩和」「財政政策」「成長戦略」で構成されているのであって、増税はアベノミクスに含まれていません。
そしてそもそもこの「2度の消費税引き上げ」は安倍総理が決めたことではなく、立憲民主党の前身である民主党の野田政権が決めたことですから!!
さらに野田政権の経済産業大臣は枝野氏ですから!!!
と言うわけで正直、開いた口がふさがらないという感想しかありませんし、そんなことをしている限り、誰も野党に政権を任せようという気にならないと思いますが、まぁそれは自業自得ですので仕方ありません。
個人的には
・株価が上昇
・失業率が低下
・賃金が上昇
・デフレ状態から脱却
と言った成果を考えればアベノミクスは成功だったと思います。ただそれでも消費が伸び悩んだのは事実であり、その理由は消費税ではなく、やはり「少子高齢化」ということなのでしょうね。
次の総理が誰になるにせよ、移民の拡大や大胆な子ども手当などを通して、人口問題に真正面から取り組んでほしいものです。
では今回の読者アンケートは、「立憲民主党は、民主党時代に決めたはずの二度の増税で景気が腰折れたというよく分からない理由でアベノミクスは失敗だったと結論づけましたが、あなたはアベノミクスは成功だと思う?失敗だと思う?」でいきましょう。投票は10月22日まで。
■【読者アンケート】立憲民主党は、民主党時代に決めたはずの二度の増税で景気が腰折れたというよく分からない理由でアベノミクスは失敗だったと結論づけましたが、あなたはアベノミクスは成功だと思う?失敗だと思う?(10月22日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1272
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