まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「この衆院選では与野党ともにバラマキ合戦の様相を呈していますが、あなたはバラマキ合戦を支持する?支持しない?」では・・・
1位:支持しない 90%
2位:支持する 10%
となりました。1位は「支持しない」で約9割ですね。筆者も同感です。
結局のところ、野党共闘が伸び悩んだ一方で維新の会が躍進したのも、維新の場合、単なるバラマキではなく「改革+バラマキ」ということで、自民党含め他の党に比べ「まだマシ」というイメージが広がったのかもしれません。
筆者も消去法で自民党に投票しましたが、これからは維新というのも選択肢の1つですね。次回以降の国政選挙では維新の公約についても注目したいと思います。
「改革は地方から」でしたっけ?「革命は辺境から」でしたっけ?オリジナルの言い回しは忘れましたが、大阪を地盤とする維新にこそ中央政府の改革ができる・・・と言うのはさすがに過大評価でしょうけれど、「改革政党」として存在感を示してほしいものです。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは11月27日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1296
〔前回のコラム〕バラマキ合戦支持する?支持しない?
--- Ginkou ---
膨らむ円売り、資源高が誘発
https://www.nikkei.com/
10月、世界の外為市場では久々に円相場に脚光が当たった。「エンヤス(Enyasu)」。ゴールドマン・サックスの米英アジア拠点のアナリストらは下旬、こんな題名の英文リポートを世界の顧客に配信した。主要国の利上げが強く意識されるなか、米金利の変化に対する感応度の高さが、円の対ドルでの下落をもたらしたと分析した。
実際、円は同月中旬、1ドル=114円台後半と一時3年11カ月ぶりの円安・ドル高水準をつけた。
JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部は10月中旬時点で、2年債の金利差と円相場の動きから「FRBによる1回分の利上げの織り込みで円は対ドルで4円以上、下落する」との関係を見いだした。
米金融市場が22年末までに2回以上の利上げを織り込むなか、月末にかけて円安の勢いはいったん止まった。JPモルガン・チェース銀の佐々木融氏は「円の売り方の持ち高はすでに高水準に膨らみ、追加的な円売りが出にくくなっている。織り込みが過度に進んでいる可能性もあり、金利の動きに円がついていかなくなった」と指摘する。
それでも円が反転上昇するとみる市場参加者は少ない。代わって注目されるのが、エネルギー価格の世界的な急騰の影響だ。
エネルギー価格の高騰は経済活動のコストとしてのしかかり、国内需要を冷やす方向に働く。とくに日本は過去の長いデフレ経験も手伝ってインフレは本格化しにくく、利上げへの道のりは遠い。価格高騰に伴い、同じ量のエネルギーを輸入するのに必要になる円売りの規模も膨らむ。景気への影響や経常収支の悪化懸念が、改めて円売りの材料として着目されるようになってきた。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
円安が進んでいますね。過去1年のドル円相場の推移はこのようになっています。
1年前は1ドル=106円だったところ、足元では114円ですから、8円程度円が安くなっていることが分かります。
その理由として一番大きいものはアメリカの利上げ観測ですね。アメリカの金利が上がると日米の金利差が拡大することから短期的には円安になるのがセオリーですが、実際のところアメリカの金利上昇に歩調を合わせるように円安が進んでいます。
加えて上記記事で指摘されているのは「エネルギー価格の急騰」です。エネルギー価格が高くなると輸入額が増え、円を売ってドルを買う動きが強まりますので円安圧力となるわけですが、では原油価格がどうなっているかと言うとこうなっています。
確かに大きく原油高が進んでいることが分かります。これはドルベースですので、円ベースで見れば更なる高騰ですね。要するにWパンチだということです。
さらに今後、日米の金利差は拡大していくでしょうし、資源高についても
・コロナ収束に伴う消費の回復
・カーボンニュートラル推進下で逆風
を考慮すれば高止まりする可能性があり、素直に考えればやはり今の円安基調は続いていくのではないでしょうか。
加えて政府の借金=国債が増え続けることによる円安圧力もありそうです。
短期的には通貨供給量が増えることで円安になるでしょうし、長期的には通貨としての信頼低下に伴う円安が起こりそうです。
それこそ円の格付けが投機的水準となれば大幅な円安になるのでしょうね。
特に最近の政治のバラマキ志向を見るにつけ「円安は不可避」の感が強まる筆者ですが、ただ為替相場はプロですら読むのが難しく、明日には逆に大幅な円高となっている可能性もゼロではありません。
とは言いつつ、リスクヘッジの観点からも、投資リターンの観点からも、外貨建て金融資産に投資する意義は今後ますます高まりそうです。
では今回の読者アンケートは、「日米の金利差拡大や資源高の影響で円安が進んでいますが、これから更に円安が進む?進まない?」でいきましょう。投票は12月3日まで。
■【読者アンケート】日米の金利差拡大や資源高の影響で円安が進んでいますが、これから更に円安が進む?進まない?(12月3日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1298
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