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ロシア危機!日本のエネルギー政策はどうする?

執筆者: ginko 発行日付: 2022-03-10

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「ウクライナの首都キエフはあと数日で陥落するという見立てもあるようですが、ウクライナはロシアに勝つ?負ける?」では・・・

1位:勝つ 30%
〃:負ける 30%
3位:明確な勝敗はつかない 20%
〃:分からない 20%

となりました。1位は「勝つ」と「負ける」がどちらも約3割で拮抗しています。実際、戦局の予想は難しいですね・・・。

短期的にはやはりロシアが勝利するものと思います。キエフや東部の主要都市は陥落し、ゼレンスキー大統領は拘束されるか撤退し、親ロシア派による傀儡政権が樹立されるものと思います。

他方でウクライナ全体を支配するにはロシア軍の人数が圧倒的に足りません。市民100人に対し1人の軍人が必要だとしても40万人のロシア軍が必要になってきます。

また仮にウクライナ軍がゲリラ戦を展開した場合、ゲリラを掃討するには4倍の戦力が必要だそうで、ウクライナ軍を10万人とするとやはり40万人のロシア軍が必要ですね。

ベトナムでもアフガニスタンでもゲリラ軍が最後は勝ったことを勘案すると、カギを握るのは士気であり、士気の高さはウクライナ軍の方が圧倒的に上ですから、やはりロシアには分が悪いです。

加えてウクライナ軍には西側諸国から軍事支援も得られるわけですからね。

そう考えると長期的にはウクライナが勝利するのでしょう。

ロシア市民が一体いつまでプーチン大統領を支持するのかと言うのも気になるところです。

個人的には1日も早く停戦してほしいですが、戦うのか降参するのかを選ぶのはウクライナの人々です。その決断を支援したいです。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは4月3日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1401

〔前回のコラム〕
ウクライナは勝つ?負ける?


 --- Ginkou ---

ドイツ、脱ロシアへLNG基地 侵攻受け政策転換
https://www.nikkei.com/


ドイツはロシア依存から脱却するため、エネルギー政策を大きく転換する。ドイツ政府は5日、国内初となる液化天然ガス(LNG)輸入ターミナルを建設すると発表し、ガス調達の多様化に動き出した。年末に廃止予定の原発の稼働延長論が浮上しているほか、再生可能エネルギーの拡大も焦点となる。

「ロシアからの輸入依存度を一刻も早く下げることが急務だ」。ドイツ政府は5日、国内初のLNG基地の建設でオランダのガス大手ガスニーなどと基本合意したと発表した。緑の党出身のハベック経済・気候相は声明で、ドイツと欧州のエネルギー安全保障のためにはLNG基地建設が不可欠だと強調した。

LNG基地はドイツ北部のブルンスビュッテルに建設しドイツの年間消費量の約1割に相当する80億立方メートルの再ガス化能力を持つ。完成時期について経済・気候省は「できるだけ早く」とし時期は示していない。ドイツメディアによると3~5年程度との見方がある。

ドイツは天然ガスの過半をロシアからの輸入に頼ってきた。米国などが再三、ロシアへの依存度を下げるためにLNG基地の建設を求めてきたが、ドイツは拒否し安くガスを調達するため、ロシアとの新しいパイプライン(ノルドストリーム2)建設を進めてきた。

だがロシアのウクライナ侵攻で潮目が変わった。ドイツはノルドストリーム2の認可手続きの凍結をいち早く決めた。ショルツ首相が2月27日に連邦議会で「特定のエネルギー供給者への輸入依存を克服する」としてドイツのガス貯蔵量の拡大やLNG基地を2つ新設することを表明した。

さらに2022年末に予定する原発全廃の先送り論も勢いづく。ハベック経済・気候相がドイツメディアで「考えることにタブーはない」と発言したことがきっかけだ。ハベック氏の緑の党は原発に強く反対する立場だが、稼働延長を最初から排除せずにドイツ政府として調査する考えだ。

ドイツは22年末に原子力、早ければ30年に石炭火力を廃止する方針だ。だがロシアからのガス調達への不安が高まり、経済界の一部からは「広範囲で停電が起きる現実的な危険がある」(ドイツ中小企業連盟のマルクス・イエーガー事務局長)との声が上がっていた。国際エネルギー機関(IEA)も3日公表の提言で、原発廃止の先送りを求めていた。

電力会社にとっては原発の稼働延長よりも石炭火力の方が手っ取り早く現実的というのが本音。褐炭を使う石炭火力であれば、ドイツで燃料を自給できる。温暖化ガス排出に目をつぶれば、電力不足をある程度補える。

ロシア依存脱却の切り札は再生エネルギーの拡大だ。脱原発を決めた11年からの10年間で電力に占める再生エネ比率は1割台から4割以上に高まった。ドイツ政府は30年までに8割まで高める目標で、導入を加速していく方針だ。ドイツには他国に依存しない再生エネこそが「自由のエネルギー」(リントナー独財務相)との考えがある。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

ウクライナ危機自体は遠い東欧のことであり、ユーラシア大陸の反対側に位置する日本にとっては少なくとも地政学的なリスクは今のところ低いですが、他方で直接的に影響があるのはエネルギー問題です。

昨日は少し下がったようですが、原油価格はこのように推移しています。



もう二度と見ることがないかと思った100ドルを大きく上回り110ドル台です。このまま定着すればガソリン価格は1Lあたり200円を大きく超えそうです。

個人として生活防衛をしていこうと思えば

・クルマでの移動を控える

・より燃費の良いクルマに乗り換える

という手がありますね。ハイブリッド技術の普及によって燃費は以前の1/2や1/3になりましたから、そこまで大きな影響がないのかもしれません。

他方で悩ましいのが国としてのエネルギー政策です。今のエネルギー比率はと言うとこういうことのようです。

・石油:6.3%
・石炭:31.0%
・LNG:39.0%
・原子力:3.9%
・再生可能エネルギー:18.1%

これらの中で、ロシアの比率はこういうことのようです。

・原油:4.8%
・天然ガス:8.3%
・一般炭:11.9%
・原料炭:6.8%

ざっくり言えば日本のエネルギーの5%程度をロシアに依存しているということですかね?5%程度であれば仮にロシア産エネルギーをシャットアウトしても何とかなりそうです。

では具体的にどうやって穴埋めするかと言うことですが、残念ながらどのエネルギーにシフトしたとしてもそれぞれデメリットがあります。

・石油、石炭、LNG→CO2が増える。

・原子力→放射性廃棄物が増える。

・再生可能エネルギー→電気代が増える。

ただ記事内でも指摘されているように「他国に依存しない再生エネこそが自由のエネルギー」と言うのはまさにその通りなのでしょうね。

これからは安全保障の観点からエネルギー政策を見直していく必要がありそうです。

災い転じて福と成すとは安易に言えないほどウクライナの状況は悲惨ですが、他人事ではなく自分達の事として安全保障を考えるべき時期に来てしまったようです。

と言う事で今回の読者アンケートは、「ロシア発のエネルギー危機によって日本のエネルギー政策も見直さないといけない状況ですが、代替エネルギーは何が良い?」でいきましょう。投票は4月10日まで。

■【読者アンケート】ロシア発のエネルギー危機によって日本のエネルギー政策も見直さないといけない状況ですが、代替エネルギーは何が良い?(4月10日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1406



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