まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「ロシア発のエネルギー危機によって日本のエネルギー政策も見直さないといけない状況ですが、代替エネルギーは何が良い?」では・・・
1位:放射性廃棄物には目をつぶって原子力 54%
2位:CO2増加に目をつぶって石油・石炭・LNG 15%
〃:電気代上昇には目をつぶって再生可能エネルギー 15%
〃:どこまでも省エネ 15%
となりました。1位は「放射性廃棄物には目をつぶって原子力」で5割超と意外にも圧倒的でした。
理想論的には再生可能エネルギー、現実論的には化石燃料かと思いましたが、読者の方々の選択はもっとアグレッシブでした。それだけCO2や温暖化に対する問題意識が高まっているということかもしれません。
ただ別の調査でも30代以下は原発再開に前向きという結果だった気がします。
311からはもう11年ですが、良い意味でも悪い意味でも人間は忘れる生き物だということなのでしょうね。
ちなみにこれまで何度か書いていますが、もし新しく原発を建てるなら福島第一原発跡地がベストだと思います。周辺に人が住むことはできませんし、原発が稼働して地元に多額の利益が流れるようになれば、移住せざるを得なかった方々への支援がより手厚くなるからです。
さすがにまだそこまでは機が熟していないかもしれませんが、いずれにしても安全保障という観点からは原子力を含めた複数のエネルギー源を持っておくことが重要ですね。
最終的には安価なバッテリーが普及し、再生可能エネルギーで賄える時代が来るのでしょうけれど。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは4月10日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1406
〔前回のコラム〕ロシア危機!日本のエネルギー政策はどうする?
--- Ginkou ---
NY原油急落、一時100ドル割れ 中国でコロナ拡大響く
https://www.nikkei.com/
米国市場で14日、国際指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物(期近)が急落した。一時前日比9.57ドル(9%)安い1バレル99.76ドルまで下落し、節目の100ドルを割り込んで約2週間ぶりの安値をつけた。原油の最大輸入国の中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、需要減の観測が広がった。
日本時間15日の取引でも100ドルを下回る取引がみられた。中国の新規感染者数は足元で過去最多を更新したとされ事実上の都市封鎖(ロックダウン)範囲も広がる。
ロシアとウクライナ間の停戦交渉も進められており「停戦合意に至る可能性が市場で意識され、不透明感の後退につながった」(国内商品先物会社)との見方もある。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
前回のコラム内容と被りますが、ここ最近、ウクライナ危機を背景に急上昇してきた原油価格ですが、足元では大きく下落しています。
もはや100ドルを割り込み、95ドルですね。ロシアの蛮行を予見できなかったとは言え、さすがにドタバタしすぎな気がします。
もちろん価格が下がったことはありがたいのですが、その理由の1つとして「中国におけるロックダウン」が挙げられていることに驚きます。風が吹けば桶屋が儲かる・・・という話ではないですが、世界は意外な形でつながっているということですね。
ただ記事で気になったのは主題の原油価格の方ではなく、ロシア・ウクライナの停戦の方です。金融市場では停戦合意に至る可能性が意識され始めているとのことです。
ロシアにしてもウクライナにしても「絶対に負けられない戦争」ですから、筆者は停戦にはかなり悲観的ですし、ロシアはこれまでウソしか言ってきませんでしたので、仮に停戦合意ができたとしても本当にそれが守られるのかかなり怪しい気がします。
とは言えもちろんウクライナの悲惨な状況を見れば、今すぐ停戦してほしいわけですが、では具体的にどういう条件が整えばロシアは停戦に応じるのでしょうか?考えられるのはこういった条件でしょうか。
・ウクライナの中立化(NATO加盟断念)
・ウクライナ東部のロシア支配地域の固定化
・ゼレンスキー大統領の退陣
これらが揃えば、プーチン大統領が掲げた「ウクライナの中立化」「非ナチ化」「ロシア系住民の保護」がまがりなりにも満たされることになります。
とは言いつつウクライナにとっては2つ目の「支配地域の固定化」が一番受け入れがたいのでしょうから、これらを両者が納得できる玉虫色の形に落とし込めるかがカギとなるのかもしれません。例えば「東部地域の自治領化・非武装化」などはどうなのでしょう?ロシア系住民の保護にも資することになります。
しかしこうなってくると、なぜ2月の時点でウクライナや欧米諸国は「ウクライナをNATOに入れない」と約束しなかったのでしょうね?
ロシアの蛮行を擁護する気持ちは1%もありませんし、先にクリミアを盗んだのはロシアであって、ロシアが100%悪いのは間違いありませんが、ウクライナを含め欧米側にも外交上の失敗があったのは間違いなさそうです。
5月上旬まで戦えばロシアは戦い続けられなくなるという分析もあるようですが、1日も早く停戦が実現することを祈っています。
と言う事で今回の読者アンケートは、「金融市場ではロシア・ウクライナ間での停戦の可能性が意識され始めているようですが、あなたは停戦がいつだと思う?」でいきましょう。投票は4月16日まで。
■【読者アンケート】金融市場ではロシア・ウクライナ間での停戦の可能性が意識され始めているようですが、あなたは停戦がいつだと思う?(4月16日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1410
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
銀行.info メインメニュー