まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「為替介入の効果が薄れる中、本気で円安を止める機運となれば日銀の利上げが視野に入ってきます。長期金利も0.25%を少し上回っていますが、日銀は利上げをする?しない?」では・・・
1位:利上げをしない 50%
2位:利上げをする 25%
3位:分からない、為替相場次第 25%
となりました。1位は「利上げをしない」で5割となっています。なるほど。
確かに利上げをすれば景気が悪くなりますし、そもそも日銀の黒田総裁が利上げを否定している以上、その言葉を信じれば「利上げはない」ということになります。
他方で、長期金利の変動幅を現在の「-0.25%~+0.25%」から、例えば「-0.5%~+0.5%」に拡大させるのは、「実質的な利上げ」ではあるものの「利上げではない」という説明はできるわけで、これまでの黒田発言と矛盾しません。
カギを握るのは為替相場での円安の進行ですが、ただここ数日は円安が止まりつつあるように見えます。
もちろん為替介入の影響もあるのでしょうけれど、それに加えて、アメリカの長期金利が少し低下傾向にあるのも要因です。
まだ数日の動きなので予断は許しませんが、為替相場が安定すれば日銀が利上げする必要性は薄れます。
預金者にとっては低金利維持というのは悩ましい話ではありますが、当面は為替相場に注目ですね。
■ドル円相場
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは11月20日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1560
〔前回のコラム〕日銀は金利を上げる?上げない?
--- Ginkou ---
みずほ、来店不要へDX 1000億円投資
海外送金もネットで 店舗削減、相談に特化
https://www.nikkei.com/
銀行の事務手続きをオンライン化し、顧客の来店を不要とする動きが加速してきた。みずほフィナンシャルグループ(FG)は2026年度までの5年間で1000億円を投じ、口座解約や海外送金をネットで完結できるようにする。三菱UFJ銀行、三井住友銀行などもデジタルトランスフォーメーション(DX)を急いでおり、銀行店舗は専門的な相談などに特化した場として生まれ変わろうとしている。
みずほ銀行では、すでに個人の口座開設や住所変更などの届け出はネットでできる。今後は、現在店舗での手続きが必要な口座解約をネットでできるようにするほか、アプリで海外送金やカードローンの返済を可能にするシステムを開発する。法人向けではすでに来店なしで口座開設は可能で、今後新たに代表者や住所の変更などをネットで対応する計画だ。
規制緩和により銀行の手続きをデジタル化できる環境は整ってきた。18年に犯罪収益移転防止法の施行規則が改正され、銀行が口座開設時に義務付けられている顧客の本人確認を身分証の画像送信などによりネットで完結できるようにした。
口座解約など規制の壁がなくてもデジタルで対応していないサービスもあったが、新型コロナウイルス禍で来店が予約制になったり、法人手続きを受け付けない個人特化店舗を増やしたりと環境が大きく変化。それによってデジタルチャネルの充実の必要性が高まったことも背景にある。
大手各行は年1000億~2000億円程度をIT投資に振り向けてきた。今回の投資額はその一環。みずほは19年に全面稼働した新勘定系システムの開発・移行期間中、機能の追加など積極的な投資ができず、21年にはシステム障害が相次ぎ、対応に追われた。今後5年で16~20年度のリテール分野のデジタル投資額(約150億円)のおよそ7倍を投じて、巻き返しを図る。
店舗の削減も急ピッチで進めている。大和総研が大手行、地方銀行、第二地方銀行の開示資料を集計したところ、店舗の削減数は今後数年間で約1000店舗に達するという。みずほでは17年、約100拠点の統廃合を24年度末までに進める計画を公表していた。
一方、残る店舗網はコンサルティングに特化するのが大手行に共通する戦略だ。みずほの予測では、10年後は同行顧客の9割超がネットバンキングなどセルフ端末で事務を済ませるようになる。それでも「人生で最初の口座をつくるときや、大事な運用相談をしたいときなど、銀行に『ヒューマンタッチ』を求める人はいる。店舗の役割は変わっても価値は残る」(みずほ銀行担当者)。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
みずほ銀行が5年間で1,000億円を投じ、口座解約や海外送金をネットで完結できるようにする、という記事。
1,000億円あれば新しいネット銀行を5つか10個か作れそうですが、それはさておき、低金利を背景に儲からなくなったリテール部門&店舗網のリストラは待ったなしの状態ですね。
預金者からすればどんどん利便性が低下していくわけで場合によって銀行取引の再考が必要になってきますが、ではこの際、メインバンクはネット銀行でいいという方はどれくらいいるのでしょう?
給与振込口座が指定されている場合もあると思うので、まだまだネット銀行をメインバンクにされる方は少ないのかもしれませんが、しかし手数料はネット銀行の方が安いですし、金利もネット銀行の方が高いです。
とすると店舗型銀行の残る利点は
・通帳
・税金の支払いなどの窓口サービス
・コンサルティングサービス
くらいに絞られるのですかね?かく言う筆者のメインバンクは「ネット系」ですが、店舗がなくても何の問題もありません。
他方で会社関係のメインバンクはやっぱり店舗型銀行になっています。これは融資取引があるからと言うのもありますが、何かと通帳が必要だったりと、「紙文化を前提にした取引慣行」もあります。
税金の支払いについても全てバーコードがペイジー対応していればいいですが、そうでないものやコンビニで払えないものも結構ありますしね。
そのような現実を考えると、まだまだ店舗型銀行のニーズは根強くありそうです。
個人的にはもちろん、どんどんネット取引に移行していってほしいですが。
と言うわけで今回の読者アンケートは、「みずほ銀行は1,000億円かけて店舗削減&ネット化を進めるようですが、それならいっそネット銀行をメインバンクにしても良いと思います。あなたのメインバンクはネット銀行?ネット銀行ではない?」でいきましょう。投票は11月27日まで。
■【読者アンケート】みずほ銀行は1,000億円かけて店舗削減&ネット化を進めるようですが、それならいっそネット銀行をメインバンクにしても良いと思います。あなたのメインバンクはネット銀行?ネット銀行ではない?(11月27日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1565
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