まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「みずほ銀行は1,000億円かけて店舗削減&ネット化を進めるようですが、それならいっそネット銀行をメインバンクにしても良いと思います。あなたのメインバンクはネット銀行?ネット銀行ではない?」では・・・
1位:ネット銀行 75%
2位:ネット銀行ではない 25%
となりました。1位は「ネット銀行」で8割となっています。なるほど。
従来の店舗型銀行の魅力はネット銀行と比較すると、通帳だったり、店舗で手続きできたり、銀行員に直接相談できたりする点なわけですが、もはやそれらは特に必要ないということなんですかね。
仮に必要だとしても「メインバンク」である必要はないということなのかもしれませんが。
こうした顧客のニーズ変化が銀行店舗の統廃合を生んでいるのか、逆に銀行店舗の統廃合が顧客のニーズ変化を生んでいるのかは分かりませんが、今後ますますネット銀行の隆盛が続きそうです。
むしろネット銀行がサービスを開始して20年も経つわけで、未だに大きなシェアを誇る店舗型銀行は「健闘している」と言えるのかもしれませんが。
金利や手数料を考えればネット銀行の方が遥かに有利ですからね。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは11月27日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1565
〔前回のコラム〕メインバンクはネット銀行でOK?
--- Ginkou ---
マンション改修の要件緩和 同意8割に
政府検討、老朽化対策促す 建て替えず長期利用
https://www.nikkei.com/
政府は分譲型の老朽マンションのリノベーション(大規模改修)をしやすくする。個人が専有する部分を含む改修は現在「所有者全員」の同意が必要だが「5分の4以下」にする案を軸に検討する。2024年度にも区分所有法を改正する。安全性を高めて寿命を延ばし、安価な物件の供給を後押しする。
マンションの建物を新しくする手法には主に(1)建物を解体して新しく建て直す「建て替え」(2)骨格を変えず内外装や設備、間取りなどを変える大規模改修(3)敷地を含めて売却し所有者に資金を分配して再生――がある。
政府は既に建て替えの同意の要件は現行の「5分の4」から「4分の3」などに下げる案を提示済みだ。さらにリノベの要件も緩める。建て替えの要件にあわせて「4分の3」にする案もある。
エレベーターや廊下、外壁などの共用部分だけの修繕なら要件は「過半数」または「4分の3」だが、個人が所有する専有部分を含める大規模改修は「全員」になる。
マンション市場に詳しい東京カンテイ(東京・品川)の高橋雅之主任研究員は「空室も所有者を探さないといけない。本人死亡時は相続人から連絡を取り、相続人が複数いる場合はさらに合意が難しい」と話す。
建物の骨格を残す大規模改修は建て替えより金額を抑えられる。建て替えの場合、所有者1世帯の平均負担は2012~16年の調査で1100万円ほどだった。要件の厳しさや資金面の問題で、全国の建て替え件数は国交省の把握分で21年度は7件しかなかった。
「要件の緩和だけでは不十分」との指摘もある。資金の問題だ。国交省によると共用部分のための修繕積立金ですら、計画通りに積み立てないマンションが全体の35%に上る。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
マンション人気が続いていますね。コロナ禍を経て郊外の戸建て人気が復活しているという話もありますが、とは言え同時にマンション価格の高騰も続いており、資材価格の上昇など供給側の事情もあるのでしょうけれど、底堅い需要もあるのだと思います。
震災直後は液状化等の連想から、湾岸部のマンションは3割くらい下がったものですが、今はそこから2倍近くになっていますかね。あの時に無理して買っておけばよかったと思わないでもないですが、人の気持ちの移ろいやすさを感じないではありません。
それはともかくとして、確かにマンション暮らしは便利ですし、快適ですし、何より安全です。シニア世代などはやはりマンションの方がいいのではないでしょうか。
他方で戸建てはお子さんのいる若い世帯にはメリットが大きいものと思います。スペースが取れますし、ライフステージの変化に柔軟に対応できますし、騒音の問題もほとんどないですし、何より今時マンションに比べれば安いですしね。
マンションはもはや高嶺の花と言えます。
とは言いつつ、そんなマンションにもデメリットがないわけではなく、最も大きいものは老朽化対策が整備されていないということですね。マンションの寿命が何年なのか意見が分かれるところかと思いますが、仮に40年くらいだとすれば、多くのマンション保有者がどこかで「老朽化問題」に直面することになります。
容積率が未消化であれば、より大きいマンションを建てることで経済的負担を軽くしながらの建て替えも可能ですが、それでもそれなりの費用がかかりますし、保有者がシニア世帯が中心とすると、合意形成も大変です。各世帯の経済事情も大きく差が広がっているでしょうからね。
経済的に困窮していれば建て替えに賛同したくてもできません。そうした事情を背景に上記記事によれば昨年のマンション建て替え実績は7件しかなかったとのことです。ナルホド。
「建て替え」ではなく、より安価な「大規模改修」についても触れられていますが、もちろん抜本的な解決にはつながりません。
条件を緩和すること自体はもちろんいいのでしょうけれど。
そのように考えると現実的には築30年・40年を過ぎたあたりでマンションを手放していく方が良さそうです。建て替えを視野に入れた業者が買い進める展開もあるでしょうし。
言い換えればマンションは「終の棲家」にはなりづらいということです。
もちろん戸建てだって老朽化し、築40年もすれば建て替えが視野に入ってきますから、結局はどちらも一緒という考えもあるのかもしれませんが。
いずれにしても、マイホームは買ったらおしまい、ローンを払い終わったらおしまいではないということです。現実的なライフプランが必要ですね。
しかしそのように考えると、35年ローンが完済した頃には建て替え資金が必要になってくるわけで、人生にはお金がかかるものです・・・。
と言うわけで今回の読者アンケートは、「建て替え条件や大規模改修条件の緩和が進む老朽化マンション対策ですが、それでもまだ抜本的な解決策はありません。それでもあなたはマンション派?むしろ戸建て派?」でいきましょう。投票は12月3日まで。
■【読者アンケート】建て替え条件や大規模改修条件の緩和が進む老朽化マンション対策ですが、それでもまだ抜本的な解決策はありません。それでもあなたはマンション派?むしろ戸建て派?(12月3日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1570
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