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金利変動幅拡大!金利はどこまで上がる?

執筆者: ginko 発行日付: 2022-12-22

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「5年間で14.6兆円の防衛費増額の手当として増税案が浮上していますが、あなたは防衛費増税に賛成?反対?」では・・・

1位:渋々賛成 46%
2位:反対 38%
3位:賛成 15%

となりました。1位は「渋々賛成」で5割となっています。増税を喜ぶ人はいないので当然ですね。

ただ「賛成」の人も2割いて、「賛成+渋々賛成」=6割ということですね。こちらの数字の方が重要かもしれません。

言い換えれば「反対」の人は残りの4割だということです。

ただ反対の人も

・増税がイヤなのか

そもそも

・防衛費増額に反対なのか

気になるところです。

ウクライナ危機を鑑みれば防衛費増強はやむを得ないのかなとも思いますが、ただ街を歩いていてもシニアの方を中心とした、もろもろの安全保障政策に反対するデモや抗議活動を見かけますので、非武装中立を希求する夢想家の方々は一定割合いるのでしょう。

筆者からすれば現実離れしているようにも感じますが、他方で社会の中に右も左も、保守もリベラルも、リアリストもドリーマーも両方いる方が健全ですね。

その点では6:4に分かれた回答は意外とバランスが良いのかもしれません。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは1月15日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1598

〔前回のコラム〕
防衛費増税に賛成?反対?

 --- Ginkou ---

日銀、異次元緩和を転換 10年目で実質利上げ
長期金利上限0.5%に 債務依存に試練
https://www.nikkei.com/


日銀は19~20日の金融政策決定会合で大規模緩和を修正する方針を決めた。長期金利の変動許容幅を従来の0.25%程度から0.5%程度に広げた。長期金利は足元で変動幅の上限近くで推移しており、事実上の利上げを意味する。アベノミクスの象徴だった異次元緩和は10年目で転換点に差し掛かった。

今年に入ると米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切り、円安・ドル高が加速した。ウクライナ危機に伴う資源高も重なり、足元の消費者物価指数は3%台半ばまで上昇。家計の負担が増し、政府内では大規模緩和を続ける日銀への不満が高まった。

日銀は21年に長期金利の変動幅を0%からプラスマイナス0.25%にすると明確にしていたが、今回の会合でプラスマイナス0.5%に上げた。10年物国債を無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りも、これまでの0.25%から0.5%に上げた。

これまで黒田総裁は許容幅の拡大について「明らかに金融緩和の効果を阻害する」として否定的な考えを示してきた。しかし、20日の記者会見では「景気にはまったくマイナスにならない」と、従来の見解を転換した。

SMBC日興証券の丸山義正氏は「内容もタイミングも驚天動地だった」と指摘する。黒田総裁は「(今回の見直しは)出口戦略の一歩とかではない」と話すが、市場は日銀のスタンスを測りかねている。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

日銀が驚きのタイミングで金融緩和を修正してきましたね。これまで長期金利の変動幅を「-0.25%~+0.25%」としてきたところ、「-0.5%~+0.5%」に拡大するとのことです。

これだけを見れば「利上げ」という感じではないですが、現状、0.25%の上限に張り付いている長期金利の変動幅を拡大すれば金利が上昇するのは当然ですから、「実質利上げ」ということです。

実際のところ長期金利は綺麗に上昇しています。



日銀が仮に金融緩和を修正するとすれば今回のような「変動幅の拡大」しかないと思っていましたので、その点ではサプライズはありませんが、では何が驚いたかと言うとそのタイミングです。

今回の「実質利上げ」の狙いはもちろん円安対策ですね。歴史的な水準にまで下落した円安の理由は「日米の金利差」が主因と言われています。

であれば日本の金利を上げれば日米の金利差が縮小しますので、円高になるのは当然です。

日本経済全体で見れば円安の方がプラスなのではないかと思いますが、インフレ率が目標である2%を超えている今、国民のインフレに対する不満も高まっており、そうしたインフレを少し押さえるために「実質利上げ」を行い、為替相場を多少円高に修正しておきたいということなのでしょう。

その意図は分からなくもないですが、ただ足元の為替相場はと言うと、アメリカのインフレ率が11月・12月と順調に低下していることもあり、かなり円高方面に修正されつつあるのですね。



すでに円高方法に修正されつつあるところに、「実質利上げ」を行えば、さらに急激な円高が起こるわけで、為替相場についても安定的に推移することを望む日銀としては真逆の動きを呼び込むことになります。

もはや、「日銀も円安インフレ対策をした」というアリバイ作りのような施策であるとすら感じます。一体どういう意図があったのでしょうねぇ。

いずれにしてももう賽は投げられましたので、新しい金利変動幅の世界に適応するしかありませんが、気になるのは日銀がさらなる「実質利上げ」を行うのかどうかという点です。

可能性としては上限1%くらいまで変動幅を拡大する可能性はゼロではない気がしますがどうなのでしょうね?

ただ上記の通り、今後は日銀が何もしなくても、アメリカのインフレ率低下と共に日米金利差が縮小し、円安も解消されていくと思います。

とするとさらなる変動幅拡大は、可能性はゼロではないけれど、高くはないと言ったところでしょうか。

金利上昇を期待する預金者としては残念ですが、期待だけはしておきたいと思います。

では今回の読者アンケートは、「日銀が長期金利の変動幅を-0.5%~+0.5%に拡大し、実質的な利上げを行いましたが、長期金利はどこまで上がると思う?」でいきましょう。投票は1月22日まで。

■【読者アンケート】日銀が長期金利の変動幅を-0.5%~+0.5%に拡大し、実質的な利上げを行いましたが、長期金利はどこまで上がると思う?(1月22日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1603



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