まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「4月の日銀新総裁就任後、長期金利の変動幅拡大やイールドカーブコントロールの撤廃など、実質的な利上げを予想する市場関係者が多いですが、あなたは異次元緩和は終了すべきだと思う?終了すべきでないと思う?」では・・・
1位:終了すべきだと思う。 73%
2位:終了すべきでないと思う。 27%
となりました。1位は「終了すべきだと思う。」で7割。意外と大差がつきましたね!
異次元緩和が終了すれば、金利が上昇し、物価が下がる一方で、円高となり、株価は下がり、景気は悪くなります。
「預金者目線」「消費者目線」に立てば異次元緩和終了は喜ばしい一方で、「ビジネス目線」「投資家目線」に立てば残念である、ということになります。
ただ一方で、「景気が十分に過熱し、物価だけでなく、賃金も上昇する、良いインフレになった」ということであれば、異次元緩和終了は当然だと言えます。
その点では今後は物価だけでなく賃金も上昇していく、「右肩上がりスパイラル」に入っていくかどうかに注目ですね。
しかし、次期総裁と目される植田氏にとってはかなり難しい政策判断となりますね!仮に景気が失速すれば「緩和終了が早すぎた」と集中砲火を浴びるのは間違いありません。うまく行っても褒められることはないでしょうし。
火中の栗を拾うとはまさにこのことですね。ご多運をお祈りしたいと思います。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは3月8日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1653
〔前回のコラム〕異次元緩和は終了すべき?終了すべきでない?
--- Ginkou ---
訪日客進む消費回復 年2兆円上積みも
1月150万人、中国除きコロナ前の7割
https://www.nikkei.com/
新型コロナウイルス禍で沈んだ訪日外国人(インバウンド)消費が回復軌道に入った。1月の訪日客数は149.7万人で、コロナ前の2019年1月比で56%の水準だった。中国本土以外からの訪日客に限れば76%にまで回復した。順調にいけば年2000万人台が視野に入る。小売りや観光関連の消費復活が成長の支え役となる。受け入れ体制の再構築に向け、人手不足が最大の課題となる。
「台湾や東南アジアからの客が売り場で特に目立つ」。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)では訪日客への高級ブランド販売が好調だ。1月の既存店売上高は三越伊勢丹の前年同月比24.5%増を筆頭に、百貨店大手5社すべてで2桁以上増えた。
日本政府観光局(JNTO)が15日発表した1月の訪日客数は22年12月から12.7万人増えた。国・地域別で最多の韓国が56.5万人で19年1月の73%、米国は8.8万人で同85%まで回復した。台湾も25.9万人で同67%だった。東南アジアはベトナムが5.1万人で19年1月比で46%増、シンガポールが2.6万人で18%増と伸びが顕著だ。
香港を除く中国からの訪日客は3.1万人で同96%減と戻りが鈍い。検査の義務付けなど厳しい水際対策が響いた。
訪日客数が月150万~200万人ほどで推移すれば、23年通年で2000万人前後になるとの期待もある。観光庁によると、訪日客数が1973万人だった15年のインバウンド消費は3兆4771億円だった。22年は8991億円(速報値)にとどまった。23年は前年より2兆円超の上積みにつながる可能性がある。
人手不足が懸念材料だ。客室稼働率が高まるホテル業界では、清掃や配膳を担う従業員が足りず客室上限まで予約を取れない施設もある。都内大手のホテル幹部は「人手不足で稼働は依然8割が上限だ」と話す。米ヒルトンでは日本で運営するホテルのアルバイト採用条件を緩和した。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
正直、何でここまでインバウンドが増えたのかよく分かりませんが、コロナ前まで訪日観光客は右肩上がりで増えてきました。円安の効果や、LCC普及による運賃の低下が背景にあったのですかね。
しかし想像だにしなかったコロナ禍によってインバウンドビジネスは壊滅しました。観光客はほぼほぼゼロになりましたからね。
そして2020年の春からちょうど丸3年が経って、いよいよインバウンドが回復してきたということです。丸3年・・・振り返ってみれば短いような気もしますが、しかし長い長い月日ですね。みなさん、よく頑張ってこられましたね・・・すばらしい。
1月の訪日客は150万人ということで、コロナ前の56%=約6割の水準まで回復したわけですね。
このまま行けば年間2,000万人への回復が見えてくるわけですが、果たしてどうなるでしょうか?くれぐれも強毒性のコロナが出てこないことを祈りたいと思います。
ちなみにインバウンドは、内需型企業が円安の恩恵を直接受けられるほぼ唯一の手段かと思いますので、筆者はもちろんインバウンドの回復・成長に大賛成です。
円安によって輸出企業も内需企業も収益が上がるのであれば理想的だと言えます。
他方で、局所局所で見ればインバウンド増大による軋轢も生じているのかもしれません。都内の外国人観光客の多くはマスクをつけていませんし、マナーの問題や、文化の違いによるトラブルも、訪日客数と比例して伸びているものと思います。
それこそ、国内にないコロナの新種もインバウンドによって入ってくるのでしょうしね。
であれば複雑な気持ちを抱いている人も少なくはなさそうです。「国を開く」というのはそういうことなのでしょうけれど。
ということで今回の読者アンケートは、「水際対策の撤廃によってインバウンドはすでにコロナ前の6割まで回復している状態ですが、あなたはインバウンド回復に賛成?反対?」でいきましょう。投票は3月16日まで。
■【読者アンケート】水際対策の撤廃によってインバウンドはすでにコロナ前の6割まで回復している状態ですが、あなたはインバウンド回復に賛成?反対?(3月16日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1658
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