執筆者: ginko (2023-04-29)
ユーザー参加型の銀行比較・ランキングサイトである銀行infoがご案内する、最新の銀行キャンペーンに関するニュース。今回は「SBI新生銀行:パワートラストNeo1年0.48%」です。
長引く低金利を背景に、銀行のサービス改悪が断続的に続いていますが、先日、三菱UFJ銀行が発表した「改悪」は、店舗・ATMにおける振込手数料を大幅に引き上げるというものですね。
銀行としても省人化したいでしょうからその意図は分かるものの、金額の引き上げ幅がなかなか強烈で、店舗での振込の手数料は何と990円です!ごはん食べられます・・・。
一方、ネットの振込手数料はそのままですので、要は「ネットを使え」ということです。
しかしそうやってネット誘導を続けていくということは、今後もどんどん店舗を削減していくということなのでしょう。リテール銀行の「ネット化」が着実に進んでいくということです。
それはそれで構いませんが、それなら全ての取引をネットでできるようにインターネットバンキングの利便性向上に努めてほしいものです。
そして浮いたコストを顧客に還元することも忘れないで頂きたいですね。
さて、まずは前回取り上げた商品・キャンペーンのみなさんの評価をみてみたいと思います。
前回の「キャンペーンを斬る」では、ソニー銀行の円定期預金プラスを取り上げました。具体的な金利水準はと言えば・・・
■ソニー銀行「円定期プラス」
・ステップアップ型 : 0.30%→3.00%
・フラット型 : 0.70%
最長10年という期間の制約はあるものの、割と良い金利ですね。
ちなみに最大金利で比較するとステップアップ型の方がいいですが、仮に最長10年まで延長されたとしても平均金利は「0.935%」に留まります。
実際には10年間延長され続ける可能性は低いでしょうし、仮に8年で終わると平均金利は「0.544%」に急落しますので、その点でも後者のフラット型の方が良さそうです。
さて投票結果ですが、5つ★満点で「3.2」。真ん中が3つ★ですからまずまずの評価です。
では、投票がまだの方はぜひ投票をお願いします。投票は5月23日まで。
>>>ソニー銀行の仕組み預金「円定期プラス」について詳しくはこちら
投票:https://www.ginkou.info/enquete/?p=1704
前回のコラム:「ソニー銀行:円定期プラス10年0.7%」
今回はSBI新生銀行の「パワートラストNeo(金銭信託)」を取り上げたいと思います。
ここでいつものように世の中の金利動向をチェックしておくと、こうなっております。
■長期金利推移(グラフ期間:5年)
2013年4月初旬の「異次元緩和」以降、一時的に金利が上昇することはあっても、全体的には長期金利は徐々に低下しています。つまりは超・低金利傾向が鮮明となってきているわけですね。
さらに大きな金利低下圧力になったのが2014年10月31日に発表された追加金融緩和策です。しかし金利の「最大の刺客」は2016年1月末にやってきました。皆さんよく御存じの「マイナス金利」政策です。これが驚くくらいに市場に波及し、長期金利はマイナス水準まで低下しました。
ただ2016年後半からは新しい金融緩和の枠組み=イールドカーブコントロールが始まったこともあって長期金利はプラス水準に回復しました。
となると預金者としては更なる金利上昇を期待してしまいますが、しかし日銀が長期金利の操作目標を「0%」に設定している以上、そこから大きくかい離して上昇するというのは考えにくいですね。
2018年7月と2021年3月、そして2022年12月に日銀が長期金利の変動幅を拡大させたことから、長期金利は現在「-0.50%~+0.50%」の範囲内で動いていくことになりましたが、それでもその上限は「0.50%」と低いままです。
とは言いつつこれまでと比べればその「上限」は随分と上がりましたので、定期預金金利も多少上昇することを期待したいと思います。
本日の長期金利も「0.385%」という事で一時よりは下がりましたが、それでも上昇していますね。
さて本題に戻りまして4月は定期預金キャンペーンとしては「閑散期」となっているわけですが、そうした中では通常の銀行預金以外の金融商品の利用を検討しても良いかもしれません。
そうした時に候補に入ってくるかもしれないのが、今回取り上げるSBI新生銀行の「パワートラストNeo(金銭信託)」です。
これまで何度かご説明しましたが、金銭信託は以前は(と言っても30年くらい前かもしれませんが)それなりにメジャーな商品で、金銭信託が扱える各信託銀行がそこそこ力を入れて販売していました。新聞でも広告をよく見かけましたしね。
その魅力はなんと言っても定期預金と比べて高金利という点にあったわけですが、世の中の金利低下が進み、さらに各銀行で「預金余り」が目立つようになるにつれ徐々に信託商品と定期預金との金利差が縮小し、優位性が薄れ、販売量が減り、現時点ではほぼフェードアウトしている商品です。
そのようにレトロな響きのある金銭信託ですが、商品性はというと銀行が販売してきたことからも分かる通り、極めて定期預金に近い商品です。利率=予定配当率に基づき、満期の時点でほぼ間違いなく、元本と利息が戻ってきます。
とは言いつつ仕組みとしては「固定金利の投資信託」という感じですかね?社債やMMFに近いと言ってもいいかもしれません。つまりは厳密に言うと元本保証ではなく、預金保険の対象とはならず、また中途解約の取り扱いも銀行によって異なります。
デメリットの分、定期預金と比べれば金利がよくなる構造にあると言えます。
すっかりマイナー商品となってしまった金銭信託ですが、今回のSBI新生銀行の「パワートラストNeo(金銭信託)」の気になる条件はと言うと・・・
■SBI新生銀行/パワートラストNeo(金銭信託)
・信託期間 : 1年
・運用、管理 : 新生信託銀行
・募集期間 : 2023年4月20日~2023年5月11日
・申込単位 : 50万円以上 10万円単位
・中途解約 : 原則として中途解約不可
ということになっています。運用先はSBI新生銀行ではなく、新生信託銀行ということですね。そして予定配当率はこうです。
・1年 : 0.48%
1年0.48%ということで定期預金とは比較にならない高利回りですね。
次に、この商品のリスクですがサイトを見るとこのように説明されています。
・ソフトバンクグループ株式会社を貸付先とする無担保貸付金を主たる運用対象とします。
・株式会社日本格付研究所から「J-1」の短期格付を取得しています。
現在大赤字中のソフトバンクグループ株式会社への投資ということでリスクは相応に高そうですが、後段の格付け「J-1」というのはあまり聞いたことがありません。こういうことのようです。
・短期債務履行の確実性が最も高い。
思ったより高い評価ですが、馴染みのある長期格付けで読み替えると「A」相当ということのようですね。であれば少なくとも1年後の満期まではそれなりに安心して投資できそうです。
ソフトバンクグループの長期での信用力はともかく、短期での信用力はそこまで低くないということですかね。
定期預金キャンペーンが終了した中で、お得な定期預金が見当たらないという方は検討してみてはいかがでしょうか。
ではこの、1年0.48%となる、ソフトバンクグループへの貸付を主たる運用対象とした、SBI新生銀行の「パワートラストNeo(金銭信託)」。あなたの評価を教えてください。筆者は・・・リスク内容からすると悪くない金利水準であることを考慮して「★★★★★」としておきます。つまり満点ですね。投票は5月29日まで。
>>>SBI新生銀行の「新生パワートラスト(金銭信託)」について詳しくはこちらから
■最新の定期預金金利比較はこちら
https://www.ginkou.info/tinycontent/tinycontent_id8.html
【読者アンケート】1年0.48%となる、ソフトバンクグループへの貸付を主たる運用対象とした、SBI新生銀行の「パワートラストNeo(金銭信託)」。あなたの評価は?(投票は5月29日まで)
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