まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「足元では109円前後とやや円安となっているドル円相場ですが、ズバリ今は円高?円安?適正水準?」では・・・
1位:今は適正水準 41%
2位:今は円安 33%
3位:今は円高 16%
4位:分からない・どちらとも言えない 8%
となりました。1位は「今は適正水準」で約4割ですね。個人的には意外な結果です。
最近の120円台の為替相場が印象に残っている人は今は「円高」だと思うでしょうし、以前の80円台の為替相場が印象に残っている人は今は「円安」だと思うのではないかと感じますが、適正水準というのはどういう理由なのでしょうね?
まさに120円台だと円安で80円台だと円高であり、その間の110円前後というのは「適正」ということでしょうか?為替の相対的な動きではなく、「レンジ=変動幅」から判断しているということになりますが、それなら理解できる気もします。
実際、為替相場も円高の動きが止まりつつあり、より「適正水準に到達した」感は強いと言えるのかもしれません。
ただ、決して落ち着いてくれないのが為替相場ですね。足元ではアメリカの利上げ懸念が再び高まっていることや、原油価格の上昇、あるいは日銀の追加緩和期待から徐々に「円安圧力」が増えている状況なのではないかと思いますが、そのどれかが崩れれば再び円高に向かうことになります。
そもそも相場というのは、そのように上下を繰り返しながら落ち着きどころを探っていくわけですね。その点では相対的な変動としての円高と円安が繰り返されるのは当然ですが、しかし足元では特にそうした変動の機運が高まっているように感じるのは筆者だけでしょうか?
投資の上ではそうした変動はピンチでもありチャンスでもあるわけですが・・・少なくとも筆者は1ヶ月先の為替相場が今より円安になっているのか、円高になっているのか、それともあまり変わらないのか全く読めません。
そうした時はやはり「君子、危うきに近寄らず」ということなのでしょうね、きっと。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは6月25日まで。
〔投票〕http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1266
〔前回のコラム〕http://www.old-ginkou.info/modules/xfsection/article.php?articleid=1031
--- Ginkou ---
夏のボーナス1.98%増、製造業は伸び鈍化
http://www.nikkei.com
日本経済新聞社が22日まとめた賃金動向調査(10日時点)で、2016年夏のボーナスの全産業平均の支給額は15年夏と比べて1.98%増の84万6478円だった。プラスは4年連続で、15年夏の伸び率(1.89%)をわずかに上回った。だが製造業は1.47%増と15年夏の伸びを下回った。新興国経済の減速に加え、年初来の円高基調で抑える動きが出ている。
上場企業などを対象に、15年夏と比較できる206社の数字を中間集計としてまとめた。
製造業の平均支給額は92万1768円。伸び率は15年の1.87%増に届かなかった。鉄鋼が大幅減となり、電機や造船がマイナスに転じた。
非製造業の平均支給額は15年夏に比べて4.89%増の53万7973円で、伸び率は15年夏の3.65%を上回った。支給対象の人数が多い中部電力や全日本空輸(地上職)の増額が押し上げ、製造業も含めた全体の伸びにもつながった。
中間集計段階の全産業の平均支給額はリーマン・ショックの前の07年夏(83万7036円)を超えた。だが、14年夏の9.06%増に比べると低い伸びが続いているうえ、全体の社数の8割を占める製造業の伸び率が鈍いことから、息切れし始めた国内消費の支援材料にはなりにくそうだ。
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
6月となり、いよいよサラリーマンにとっては年に2回のお楽しみである夏のボーナスシーズンが近づいておりますね。賃金は上昇傾向という話も聞きますし、失業率も完全雇用に近く、人手不足が指摘されています。さらに企業業績も今期はともかく前期については増益かと思いますので、増える理由は多そうですが実際のところはどうなのでしょうね?
ということで上記日経新聞の記事をチェックしてみると、上場企業206社の数字はこういうことですね。
・製造業 : +1.47%
・非製造業 : +4.89%
・全体平均 : +1.98%
非製造業については+4.89%ということでなかなかの水準ですが、これは中部電力や全日空の数字が影響したとのことで、サンプル数が十分ではないのか個別企業の影響が大きいようです。
ちなみに翌日の報道ではこのようになっております。
・製造業 : +2.15%
・非製造業 : +1.85%
・全体平均 : +2.08%
どちらが正しいのかよくわかりませんが、全体的には2%程度の上昇ということのようですね。次に業種別で見るとこのようになっています。
こちらはかなりのバラツキがありますね!鉄鋼の-18.9%から電力の+38.0%まで様々です。それでも全体としては微増に収まるというのが興味深いですが、いずれにしても業種によってかなり悲喜こもごもということになりそうです。
ちなみに三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートによればこうなっています。
・製造業 : +0.7%
・非製造業 : +0.4%
・民間企業 : +0.5%
・公務員 : +2.4%
こちらは総じて低めですね。この違いは・・・日経新聞の調査は「回答があった上場企業」ですから、かなりバイアスがかかっているということなのでしょう。要するに上場企業なのでそもそも収益基盤がしっかりしている上に、悲惨な支給状況の会社は回答しないでしょうから、数字が高く出やすいのではないか、ということです。
というわけでより実態に近いのは後者の数字なのではないかと思いますが、目を引くのはもちろん・・・公務員ですね!上場企業の平均より高い伸びとなっているのは間違いなさそうです。
筆者のように心が狭ーい人間は複雑な感情を抱かないでもないですが、ただ日本経済にとってはこのように公務員であれ収入が増えるのは良いことであるのは間違いありません。政府が目指すインフレ経済も、その源泉はやはり賃上げですからね。
あのピケティ氏も「インフレを目指すなら公務員の給料を率先して引き上げろ!」と仰っておりました。
そうしたわけで公務員の方々は増えた賞与を貯金に回すのではなく、積極的に消費することで、政府や国民の期待に応えていただければと思います。
なお筆者も含め、自分はそんなに増えない!と思われる方も少なくないのではないかと思いますが、こうした「お金の平均」というのは一般的に、一部の恵まれた方の数字によって実感や実態より「高め」に出るのが普通です。
民間企業全体で「+0.5%」なら、実感・実態としては・・・「±0%」あたりが現実的なところなのかもしれませんね。その点では難しいかもしれませんが、「平均値」だけでなく「中央値」についても情報提供してほしいものです。
ということで今回の読者アンケートは「夏のボーナスは前年比で、製造業+0.7%、非製造業+0.4%、公務員+2.4%といった見通しもあるようですが、あなたの夏のボーナスは増えそう?減りそう?」でいきましょう。大きなお世話と言われそうですが・・・。投票は7月1日まで。
■夏のボーナスは前年比で、製造業+0.7%、非製造業+0.4%、公務員+2.4%といった見通しもあるようですが、あなたの夏のボーナスは増えそう?減りそう?(7月1日まで)
http://www.old-ginkou.info/modules/xoopspoll/index.php?poll_id=1268
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