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円安を歓迎する?しない?

執筆者: ginko 発行日付: 2024-03-27

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日銀がついにマイナス金利解除を決めましたが、市場では早くも追加利上げ観測が出てきています。追加利上げはあると思う?ないと思う?」では・・・

1位:あると思う 55%
2位:ないと思う 27%
3位:分からない 18%

となりました。1位は「あると思う」で6割となっています。なるほど。インフレ率がこのまま2%を大きく超え、さらに歴史的な円安が続くようであれば「追加利上げ」の可能性が出てきますね。

ただそうは言いつつメインシナリオは

・インフレ率は緩やかに低下

・アメリカの利下げにより為替は円高

かと思います。 とすると「追加利上げはない」ということになります。

しかしこの1年間、専門家の予想はハズレっぱなしで、「インフレ率は下がらず、為替はどんどん円安」という状況が続いています。となるとやっぱり追加利上げはあるんですかねぇ。

マクロ的には、ようやく歴史的なインフレからの歴史的な賃上げが広がりつつあり、また日本の株価も歴史的な上昇となっているわけで、インフレの「良い側面」が出てきましたね。

その点ではもうしばらくインフレが続いてほしい気はします。やっぱり「インフレ=右肩上がり」の方が景気は盛り上がりますからね!

筆者の目が黒いうちに2%を超えるインフレが実現するとは思っていませんでしたが、日本経済のターニングポイントを刮目したいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは4月21日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=1950

〔前回のコラム〕
早くも追加利上げの観測!あると思う?

 --- Ginkou ---

円34年ぶり安値 米欧と金利差、個人が海外投資
https://www.nikkei.com


外国為替市場で27日、円相場が1ドル=151円97銭に下落した。19日に日銀がマイナス金利を解除した後も円安圧力が強い。政策金利の予想が反映されやすい2年物国債利回りは米国が4.6%、ドイツが2.9%。日本は0.2%と突出して低い。金利差に着目し、低金利の円を借りて他の通貨を買う「キャリートレード」が止まらず、円が全面安となっている。

米ゴールドマン・サックスは22日、「金利差の圧縮は期待できない」として3カ月後のドル円相場の見通しを従来の1ドル=145円から155円と円安方向に見直した。

企業が海外生産を増やし円安でも輸出数量が伸びない。企業は海外で稼いだ利益を現地で再投資し国内への還流が弱い。1月の経常収支は4382億円の黒字だったが、資金の流出入でみると「1.8兆円の赤字」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)だった。

「デジタル赤字」も増えた。海外企業が提供するクラウドサービスやネット広告への支払いが増加。23年は年間で5兆円の赤字、今年1月も4000億円超の赤字となった。

今年の特徴は個人の海外投資の拡大だ。財務省によると1〜2月には投資信託を経由して2.3兆円の海外証券投資が生じた。特に1月は単月として過去最大となる1.2兆円に膨らんだ。こうした変化から円の妥当な水準は円安方向に下がったとされる。円安の長期化が日本経済に与える影響は恩恵と負担の両面がある。

市場は為替介入への警戒を強めている。22年10月21日に151円94銭の安値を付けた際には、東京時間の深夜に政府が為替介入に踏み切り144円台まで押し戻した。1年半を経て当時の「防衛線」が突破された格好だ。

「国内の輸入企業や機関投資家、個人投資家などのドル買い需要は強く、円買い・ドル売り介入をしても140円を大きく超える円高にはなりにくい」(岡三証券の武部力也シニアストラテジスト)との声もある。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

円安が進んでいますね。 足元では151円台の円安水準です。マイナス金利解除・イールドカーブコントロール終了と日銀が異次元緩和を転換させる決断をしたにも関わらず円安になるわけですから為替は難しいものです・・・。

実際のところ上記記事の通り、ゴールドマンサックスがドル円相場の見通しを1ドル=155円に見直したということですから、金融市場の目線は「更なる円安」ということですね。

その要因としてはこれまた記事から引用すると

・円安でも輸出が伸びない構造変化

・実需面でも1月の資金は1.8兆円の赤字

・中でもデジタル赤字は1月に4千億円

・個人の海外投資も1月に1.2兆円

ということですね!分かりやすい。

輸出についてはこのまま円安が続くようであれば製造業が国内回帰し、輸出数量が増えていく展開もあるのでしょうけれど、「デジタル赤字」や個人の海外投資については当面このままなのでしょうねぇ。

とすると実需面からの円安圧力はずっと続くことになります。

ただそうは言いつつほんの2年前まではドル円は110円前後をウロウロしていたわけで、2年前と今とで日本経済の姿がガラリと変わったかと言うとそんなこともなく、とすると円高に戻り始めれば為替相場の修正は早いような気もします。



そのキッカケとなるのはやはり、今年後半と目されているアメリカの「利下げ」ですね。利下げが始まっても円安のままであれば、いよいよ本当に不可逆的な構造変化ということになりますが・・・。

円安には良い面も悪い面もあり、一概にどっちがいいとは言えませんが、急激な変化は混乱を産むだけですね。

円高にせよ円安にせよ為替相場が安定的に推移することを願っております。

ということで今回の読者アンケートは、「日銀がマイナス金利解除を決めた割には為替相場は1ドル=151円台と歴史的な円安が進んでいますが、あなたは円安を歓迎する?しない?」でいきましょう。投票は4月27日まで。

■【読者アンケート】日銀がマイナス金利解除を決めた割には為替相場は1ドル=151円台と歴史的な円安が進んでいますが、あなたは円安を歓迎する?しない?(4月27日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=1954

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