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平均4% ワンルームマンション投資は魅力?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-7-18

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「金融庁の調査によれば投信保有者の半数近くが赤字とのことですが、あなたの直近の投信の運用成績と生涯成績は赤字?黒字?」では・・・

1位:投信の直近の運用成績は赤字で、生涯成績も赤字 50%
2位:投信の直近の運用成績は黒字で、生涯成績も黒字 40%
3位:投信で運用していない 10%

となりました。1位は「投信の直近の運用成績は赤字で、生涯成績も赤字」で約5割ですね。

前回のコラムでご案内したように足元の金融市場の動向を踏まえれば、ずっと現在まで運用し続けている限り運用成績が赤字というのは考えにくいですが、そうなっていないところを見ると「赤字になって気持ちが折れてやめてしまった」という方が多いのかもしれませんね。

リーマンショック以降でも2016年や今年の2月に「世界同時株安」がありましたからね。そうしたタイミングで撤退した方は場合によっては赤字のままということもあり得そうです。かく言う筆者も2016年に株式投資から一旦撤退しておりますので人のことは言えませんが・・・。

というわけで日経平均の過去15年のグラフはこのようになっています。



過去3度の株安に耐えた方は今、その果実が得られているということですね。

次にNYダウはこうなっています。



日経平均のグラフと時間軸が全然違っていて引用元としては適切ではありませんでしたが(汗)、それでもこの10年の3回の「世界同時株安」を乗り越えて上昇を続けていることが分かります。

そうしたわけでこれから投資を始めようとする方や、すでに投資を始めている方は、短期的な株価の動きに一喜一憂することなく長期的な視点で運用を続けていってもらえればと思います。そうすれば運用成績が赤字になることはまずないと思います。

かく言う筆者は短期的な株価の動きに一喜一憂した結果、「次の金融危機待ち」というスタンスですが、そのタイミングはいつ来るんでしょうねぇ・・・。

こうした「金融危機待ち」という投資戦略が正しいのかどうかは分かりませんが、最も悪いのは「株価上昇局面で焦って投資方針を変更する」ことですので、その答えは株価下落局面で振り返ってみたいと思います。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは8月11日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=415

〔前回のコラム〕
投信保有者の半数が赤字!なぜ?


 --- Ginkou ---

ワンルーム投資平均利回り4% 女性は男性よりプラス バンブーC調べ
https://www.asahi.com/


企業や団体などの広報・PRコンサルティングサービスを提供するバンブークリエイティブの不動産・金融・証券サポートチームはこのほど、会社員でワンルーム投資をしている全国の20~59歳の男女200人を対象に、「不動産投資に関する調査」を実施した。

その結果によると、実質利回りは全体の平均が4%であることが分かった。50代の平均が3.8%であったのに比べ、20代の平均が4.5%。男女別に見ると、女性の平均が4.4%と、男性の平均3.8%を上回った。

年間家賃利益については、「プラス」と回答したのは76.5%だった。このうち20代および30代では「プラス」との回答が8割超となり、若い世代の投資が順調である様子がうかがえた。

投資マンションの築年数で最も多かった回答が、5~15年未満で約3割。男性は築年数の浅い物件から古い物件まで分散して購入している傾向があるのに対し、女性は築5~15年未満の物件を購入している人が8割超だった。借入金の利用については、「利用した」という回答は40代(64.1%)が最も多く、20代(23.5%)が最も少なかった。

物件投資の目的は、「年金不安」「節税対策」という回答が5割でトップ。物件投資で不安に思っていることは、1位が「空室のリスク」(66%)、2位が「家賃の下落」(56.5%)であった。マンション購入のきっかけとして「ネット(ブログ・SNS)」の利用を挙げた人は、女性が40%で男性の15.5%を大きくしのいだ。

※抜粋

〔 出典:朝日新聞 〕

 --- Ginkou ---

夏のボーナスが支給されるこの時期にワンルームマンション投資に代表される不動産投資に興味を持つ方は少なくないかもしれません。預金に預けても0.01%とかですから、何かもっとうまい運用をしてみたいと思うのは当然ですね。

また「持ち家信仰」が根強いように、我々日本人はそもそも不動産への愛着も強そうです。

さらに「大家さん」には「不労所得」の響きもあるわけで、不動産投資に「単なる投資以上のもの」を感じる方は多いでしょうね。要するに損得以上の「憧れ」があるということです。

もちろん筆者も不動産投資に憧れが全くないわけではありませんが、しかしこれまで何度もご案内してきたように、サラリーマンが借金をしてワンルームマンションなどの不動産投資をすることにはネガティブです。なぜなら・・・「まず儲からない」からですね。

上記記事ではワンルームマンション投資を行っている方向けのアンケート調査で、実質利回りは平均4%になったということです。残念ながらこの水準では赤字確定です・・・。

ざっくり不動産ローンの金利が2.5%、修繕積立金や各種管理費・税金などの諸経費を1%とすると(実際にはもう少し高そうですが)、合計3.5%となり、利回りが4%なら0.5%のプラスとなります。

しかし現実的にはこれは赤字ですね。というのも建物の価値は年々減価していくからです。仮に50年後に価値がゼロになるとすると年間2%のロスが発生しているわけで、それを考慮に入れれば上記の例で言うと実質的には-1.5%のマイナスということになります。

そしてこの「建物の減価」が怖いのは毎年のキャッシュフローに直接影響しないという点です。この減価が表面化するのは転売する時か、50年後に建物を取り壊す時ですね。

正確には修繕積立金によって多少はカバーされるでしょうし、ワンルームマンションの価格の中には土地代も含まれているわけで、それを考慮すれば実際のロスは年間-1%~-1.5%程度かもしれませんが、それでもトータルの損益がマイナスになるのは間違いありません。

加えて、家賃自体も築年数に準じて徐々に下がっていきますし、空室率も高まっていくことになります。家賃が下がれば客層も変わりますのでトラブルも増えそうですしね・・・。

つまりはワンルームマンション投資などの不動産投資は「始めはいいが、後が怖い」 ということです。残念ながら元データが見つかりませんでしたので詳細は分かりませんが「年間家賃利益については、「プラス」と回答したのは76.5%だった。このうち20代および30代では「プラス」との回答が8割超となり、若い世代の投資が順調である様子がうかがえた。」との記事本文からは、後で徐々に採算が悪化していく不動産投資の厳しい現実が示唆されている気がするのは筆者だけでしょうか?

そうでなくても4人に1人は表面的な家賃利益さえマイナスになっているわけですからね!現実は厳しいです。

そうしたわけでこれから不動産投資を行おうとする方は「借入をしての投資はまず間違いなく赤字になる」という点を十分考慮に入れた上でその是非を判断してもらえればと思います。

そもそも借入をしても必ず儲かるような物件なら、不動産業者が自社で運用しますよね・・・。

では今回の読者アンケートは、「アンケート調査によればワンルームマンション投資の平均利回りは4%ということで借入をしたら間違いなく赤字になる水準です。あなたは不動産投資に興味がある?」でいきましょう。投票は8月18日まで。

■【読者アンケート】アンケート調査によればワンルームマンション投資の平均利回りは4%ということで借入をしたら間違いなく赤字になる水準です。あなたは不動産投資に興味がある?(8月18日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=419



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