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トルコリラ急落!新興国通貨は買い?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-8-15

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「定年前の50~64歳の正社員のうち約8割の人が定年後も働きたいと希望しているという調査結果がありますが、あなたは定年後も働きたい?働きたくない?」では・・・

1位:働きたくない 75%
2位:働きたい 25%

となりました。1位は「働きたくない」で約8割ですね。正直な回答かと思いますが、筆者が期待していたのとは全く違う結果ですね(汗)。

前回のコラムでもご案内したように、少なくとも老後資金の問題については定年後も働き続けることで大部分が解決します

そもそも働いている時間は無駄な出費がなくなるわけで、コストカットのメリットも見逃せません。人間暇になると余計なことを考え始めますしね(笑)。

そうしたわけで筆者は働ける限り働き続ける所存ですが、もちろん人生観や勤労観は人それぞれで、「やっぱり働きたくない」という方は老後を迎える前に1,000万円なのか3,000万円なのか5,000万円なのかは分かりませんが(1億円ではないと思います)、十分な老後資金を準備するよう努力いただければと思います。

ただし不動産投資や株式投資などで「不労所得」を手に入れようとする甘い考えは捨てた方が良いですね。もちろん適切な資産に投資すれば儲かる可能性は十分ありますが、同じくらい損する可能性があります。たとえば老後資金が3,000万円あるとすると、そのうち1,000万円くらいが投資資金の「上限」となるでしょうか。仮に投資に失敗して半分になっても2,500万円が残ります。

しかしそれも繰り返しになりますが「適切な資産に投資すれば」という前提です。筆者の考える適切な資産とは、

・大手金融機関で販売されている

・伝統的な投資商品である

・どれだけ損が出てもゼロにはならない

・為替などのゼロサムゲームではない

・十分な流動性があり、売却したい時に売却できる

と言ったことが条件です。具体的には

・株式

・債券

・REIT

くらいしか思いつかないですね。FXも仮想通貨も不動産投資も入ってきませんFXなら遊び感覚で少額投資するのはいいですが、平均的な勝率は5割を切ってくると思いますので「儲けよう」とは思わない方がいいです。

当たり前すぎてつまらないと思われるかもしれませんが、求めているリターンは年間数%ということではないでしょうか?それこそ1%でも満足できそうですね。それなら株式・債券・REITと言った「つまらない」商品で十分だと思います。

世の中ウマイ話はありませんので十分ご注意ください。

ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは9月8日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=434

〔前回のコラム〕
定年後も働きたい?働きたくない?


 --- Ginkou ---

円、NY市場で反落 トルコ通貨安一服でリスク回避後退
https://www.nikkei.com/


14日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落し、前日終値に比べ40銭円安・ドル高の1ドル=111円10~20銭で終えた。前日まで急落していたトルコの通貨リラへの売りが一服し、投資家が運用リスクを回避する姿勢を緩めた。米株式相場が上昇したこともあって、低金利で投資資金の調達通貨とされる円が売られた。

トランプ米政権が10日にトルコから輸入する鉄鋼とアルミニウムへの追加関税を引き上げると表明したのをきっかけに、トルコリラは2営業日で2割近く下落していた。13日にトルコ中央銀行が市中銀行の資金繰りを支援する流動性供給策を発表。14日には主要経済団体が通貨防衛に向けた利上げを求める共同声明を発表した。リラはドルに対して一時9%あまり上昇する場面があった。

投資家が運用リスクを回避する姿勢が後退したのを受け、米株式相場が上昇した。ダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反発し、前日比の上げ幅は100ドルを超えた。円はリスク回避目的の買いで前日に110円11銭と1カ月半ぶりの高値を付けていたこともあり、14日は売りが出やすかった。一時は111円31銭まで売られた。

もっとも、円の下げ幅は限られた。リラの急落でユーロ圏の銀行などが保有するトルコ向け債権の先行き不透明感が意識され、ユーロが円に対して売られて対ドルの円相場の下値を支えた。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

夏休み気分が吹き飛ぶような株価の下落で始まった今週の株式相場ですが昨日は一転して上昇し、一息つけましたね。上記記事の通りアメリカのトルコへの追加関税引き上げに端を発した今回の「トルコショック」ですが早くも終了となるのでしょうか?

急落が指摘されているトルコリラの為替相場はこのようになっています。



確かに急落していますね!1年前と比較すると半値近くまで下がっていることが分かります。通貨が下がれば対外債務が重くのしかかりますので危機的な状態ですね。

ちなみに同じように急落している通貨に南アフリカランドがあります。こちらはこういうチャートですね。



同じ高金利通貨として連想売りもあったのでしょうか。ただ昨年のこの時期と比較すればそこまで大きく下落しているわけではないですね。

資源国通貨というとブラジルレアルもそうかもしれませんがこちらはこうなっています。



足元で急落しているというより、過去1年間ずっと下落を続けてきたわけですね。

このように新興国通貨を見てみると恐らく大きく2つのトレンドがありそうです。

・短期:トルコショックによる通貨安

・中長期:アメリカの利上げに伴う通貨安

トルコショックについては早晩市場に織り込まれ材料視されなくなってくるのかもしれませんが、中長期的なトレンドであろうアメリカに利上げに伴う通貨安は今後も続くわけで、その点では新興国通貨に対する逆風はまだ続きそうですね。

ちなみにここで、最近よく話題になるアルゼンチンの金融市場についてチェックしてみたいと思います。まずアルゼンチンペソのチャートはこうなっています。



過去1年間の変動は何と-40%ですね!うーん、過激です。

次にアルゼンチンの株価チャートはこうなっています。



最近は弱含みですが、ただ過去1年で見るとプラスを維持していますね!もちろん外貨建てでは相応に下がっているのは間違いありませんが、長期的に見れば通貨安というのはアルゼンチン経済にとってプラスの面もあるでしょうから、そうした面を冷静に判断しているのでしょう。興味深いです。

いずれにしてもこのように新興国通貨が短期的にも中長期的にも下がっているとすれば投資したくなるのが人情ですね。「安売り」に心が動くのは誰でも一緒です。

では新興国通貨は今、買いなのでしょうか?

その答えを正確に予測することは難しいですが、今般の通貨安がアメリカの利上げを背景とする中長期的なものなのであれば、まだまだ下落が続くということですから「買い」とは言えないでしょうね。

逆に言えばアメリカの利上げが終わり、いよいよ「利下げ」となればそのチャンスですが、その時は規模はともかくとして世界的な景気後退期でしょうから、やっぱり新興国通貨には逆風が続くことになります。

言い換えれば新興国通貨の「買い時」は再び世界経済が回復に向かう時、ということになるのでしょうね。

今から新興国通貨に投資される方は今後の更なる下落リスクを考慮の上、5年・10年と言った長期的な観点から取り組んでいただければと思います。

その点では新興国通貨投資にFXはオススメできません。FXはレバレッジが効いている分、ちょっと通貨が下がればすぐにロスカットされてしまいますからね・・・。お気をつけください。

では今回の読者アンケートは、「短期的にはトルコショックを背景に、中長期的にはアメリカの利上げを背景に新興国通貨は下落傾向ですが、新興国通貨は買い?買いではない?」でいきましょう。投票は9月15日まで。

■【読者アンケート】短期的にはトルコショックを背景に、中長期的にはアメリカの利上げを背景に新興国通貨は下落傾向ですが、新興国通貨は買い?買いではない?(9月15日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=439



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