まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「現在、ビットコインの価格は120万円程度でピークから半値に下がっている状況ですが、今年ビットコインは上がると思う?下がると思う?」では・・・
1位:下がる/10万円~50万円 33%
2位:下がる/50万円~110万円 22%
3位:上がる/200~300万円 11%
〃 :上がる/130~200万円 11%
〃 :変わらない/110~130万円 11%
〃 :下がる/10万円未満 11%
となりました。1位は「下がる/10万円~50万円」で約3割です。今の水準からさらに1/4程度まで下がるということですね。もしそこまで下がるのであれば完全にバブル崩壊ですが・・・果たしてどうなるでしょうか。
ちなみに全体の割合はこうなっています。
・下がる : 66%
・上がる : 22%
・変わらない : 11%
もしこれが投資家全体の見通しを表しているのであれば、今後のビットコインの価格がどうなるかは明確ですね。ビットコインは実物資産と全くリンクしていませんし、ビットコイン単体では何の利益も生みませんので、その価値に正解はありません。それこそ0円になってもおかしくありませんし、逆に1ビットコイン=1,000万円になることも理論的にはありえます。みんなが「ビットコインの価値は1,000円だ」と思えば1,000万円になるということです。
言い換えれば、みんなが「下がる」と思えば本当に下がってしまいます。とすると投資家の過半が上記の通り「下がる」と思っているのであれば下がり続けることになるわけですが・・・果たしてどうなるでしょうか。
奇しくもこの週末には仮想通貨であるNEMの流出騒動もありましたしね。仮想通貨の脆弱性を露わにした事件として、またビットコインバブルに止めを刺した事件として記憶に留まるかもしれません。
なお、この「NEM事件」について言えば2つの点が気になっています。1つ目はネット上の「取引記録」を見れば流出したNEMの行方が追跡できてしまうという点です。もし何等かの方法でこのNEMを取り返すことができればかえって仮想通貨のもつ安全性が印象付けられるかもしれません。
2つ目はこの約500億円の損失について、取引所であるコインチェック社が自社で補填する意思を表明しているという点です。筆者の感覚からすれば、仲介役にすぎない取引所自体が巨額の利益を確保しているというのはピンと来ませんし、もっと言えば「絶対無理だろう」という印象の方が強いですが、仮に自社でも一定の仮想通貨を保有していて、相応の含み益があるのだとすれば・・・可能なのかもしれません。ビットコイン社自身は所有する仮想通貨を売却する可能性を否定しておりますが。
この、コインチェック社が本当に返済できるのかどうかという点も仮想通貨の今後の命運を握っているのでしょうね。
筆者自身はビットコインバブルには否定的ですが、とはいえ投資家のNEMが無事に戻ってくることを祈っております。
さて恒例となりつつあるビットコインチャートはこのようになっています。
気が付けば107万円台まで下がっていますね!facebookが仮想通貨の広告を禁止したというニュースが報道されていましたが、それも影響しているのでしょうか?
仮に100万円を割り込むと、心理的にさらに冷え込むことになりそうですね。
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは2月24日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=300
〔前回のコラム〕2018年、ビットコインは上がる?下がる?
--- Ginkou ---
適温相場に変化の兆し 日米で金利上昇、株安進む ドル安・原油高が起点に
https://www.nikkei.com/
29日の欧米市場では欧州中央銀行(ECB)の金融引き締めを巡る思惑から欧州債が売られ、米債売りにつながった。米10年物国債利回りは一時2.7%台と2014年4月以来およそ3年9カ月ぶりの高水準をつけた。
30日には欧米の金利上昇が日本にも波及。国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは一時0.095%と、17年7月以来、約半年ぶりの高水準を付けた。
なぜ米長期金利は上昇したのか。みずほ証券の上野泰也氏は「米金利の上昇はドル安が起点」と指摘する。日欧の金融正常化が早まるとの観測が強まり、ドルが円やユーロに対して売られやすくなっている。
ドルの総合的な強さを示す米インターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は約3年ぶりの低い水準にある。対円では1ドル=108円台後半と年初から4円ほど円高・ドル安が進んだ。
金利上昇は米経済の強さを反映するが、上昇の勢いが急だと世界の市場を不安定にしかねない。通常、米長期金利が上昇し、日米金利差が拡大するとより金利の高い米国に資金が流れて、ドル高・円安の流れができるが、今の相場の動きは正反対だ。あおぞら銀行の諸我晃氏は「米国の保護主義懸念や日欧の金融政策の正常化観測で投機筋を中心にドル売りに傾いている」と指摘する。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
2017年は為替相場が全く動きませんでしたので、今年は為替相場に関する見通しはスキップしようかと思いましたが、ここに来て急に動き始めましたね。現時点で1ドル=108円台といきなり5円近く円高となっています。過去1年のドル円チャートはこのようになっています。
急に動いたわけですね・・・もう一段円高となれば「昨年来高値」となり、心理的な節目を超えることになりますが果たしてどうなるでしょうか。
ちなみに今回のドル安円高は、「日欧の金融正常化の動きを受けて」と説明されています。これまで大規模な金融緩和によって金利を引き下げてきた日欧が金融正常化=金融緩和縮小に動けば金利が上昇します。金利が上昇すれば通貨も上昇するわけで、そうした見通しを受けて円高・ユーロ高が起きているという見立てですね。
ではユーロ高が起きているかと言えばこうなっています。
本来は「ユーロドル」チャートを見るべきかもしれませんが、それでも上記「ユーロ円」チャートを見てもユーロ高が進んでいることは明白です。円高なのにユーロ高ということですから通貨の力関係は現状こうなっているわけですね。
・ユーロ > 円 > ドル
ちなみにユーロ圏の金利はどうなっているかと言うとドイツの長期金利はこうなっています。
思いっきり上昇していますね!ちなみに日本の長期金利はこうです。
こちらも一応、上昇しておりましてその点では
日欧の金融緩和縮小観測
↓
日欧の金利上昇
↓
円・ユーロの上昇
↓
ドル安
という解説は一応筋が通っていることになります。
ただ一方で。
アメリカの長期金利をチェックするとこうなります。
こちらも同じタイミングで急上昇しているのですね!「日欧の金利が上昇しているからアメリカの金利が上昇して当然だ」という指摘もあるかもしれませんが、日欧だけでなくアメリカの金利も一緒に上昇しているのであれば、「円・ユーロの上昇」や「ドル安」は起こらないはずです。上記の通り金利が上昇すれば通貨も上昇するからです。
要するに・・・今は「アメリカの長期金利が急上昇しているにも関わらず、ドルが下がる(=ドル安)。」という、何だかよく分からないことが起きているわけです。
米財務長官の「ドル安容認発言」が効いているのかもしれませんが、いずれにしても「日欧の金融緩和縮小観測」
だけではちょっと説明ができない事態です。特にわれわれ日本人の一般的な感覚からすれば「日本の金融緩和の縮小はまだまだ先」ということでしょうから、なおさら違和感がありますね!
真相はよく分かりませんが、いよいよ動き出した為替相場がさらなる円高に向かうのか、一転して円安となるのか注目です。
アメリカ経済の好調が続くのであれば「円安」となりそうですが、一方で大規模減税や大規模公共投資でアメリカの財政がますます悪化するのであれば「円高」ということもありそうです。トランプ政権にとっても雇用や輸出、製造業のことを考えれば「ドル安」の方がいいのでしょうしね。
というわけで今回の読者アンケートは、「2017年は動かなかった為替相場ですが、ここにきて円高ドル安に動き始めています。1年後のドル円は今より円高?円安?」でいきましょう。投票は2月28日まで。
■【読者アンケート】2017年は動かなかった為替相場ですが、ここにきて円高ドル安に動き始めています。1年後のドル円は今より円高?円安?(2月28日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=305
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