まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「4月末に韓国と北朝鮮の「南北首脳会談」の開催が決まりましたが、北朝鮮の非核化を期待できる?できない?」では・・・
1位:期待できない 88%
2位:どちらとも言えない 13%
となりました。1位は「期待できない」で約9割です。まぁ・・・そうでしょうね。筆者も同感です。
さてこの北朝鮮問題についてはその後大きな進展がありましたね!何と今度は「米朝首脳会談」が開催されることになりました。アメリカと北朝鮮の最終意思決定者の2人が会うことで事態が大きく好転する可能性はゼロではありません・・・が。
北朝鮮にとって唯一、最大のカードは核ミサイルですし、「イラク、リビアは核がないので倒された。」と信じているようですので(実際、そうだとは思いますが)、そう考えると核ミサイルは絶対手放さないと思います。
北朝鮮が核ミサイルを手放さないとすれば、アメリカ側が譲歩することもないわけで、会談は物別れに終わる可能性が高そうですね。
「北朝鮮が核ミサイル実験を停止している間は経済制裁を少し緩める」といった程度の譲歩はあるかもしれませんが・・・いやないのかな。今まで国際社会はずっと騙されてきたわけですし。
ただそうは言いつつ、北朝鮮が本気でアメリカを攻撃する気も、アメリカが本気で北朝鮮を攻撃する気もないことがお互い雰囲気で伝われば、表面上はファイティングポーズを続けていても、実質的な緊張緩和につながります。
国際社会とすれば引き続き北朝鮮に対する経済制裁のレベルを高めつつ、そうしたトップ同士の人間的な関係を築いていくのが重要なのでしょうね。
そのアメリカでは国務長官のティラーソン氏がいきなりクビになるなど心配の種は尽きませんが(苦笑)、「南北首脳会談」と「米朝首脳会談」を通じて北朝鮮の核ミサイル問題が少しでも良い方向に向かうことを期待しています!
ではアンケートへの投票がまだの方は、ぜひ投票をお願いいたします。アンケートは4月7日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=328
〔前回のコラム〕北朝鮮の非核化、期待できる?できない?
--- Ginkou ---
政権、森友問題の幕引き苦心
https://www.nikkei.com
学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書の書き換えを受け、与野党は13日、佐川宣寿前国税庁長官の国会招致などをめぐって攻防を繰り広げた。与党内の一部からは佐川氏の国会招致を容認する意見が浮上する一方、麻生太郎財務相の進退をめぐる対立は激しさを増している。今後のシナリオなどを分析した。
【シナリオ1】数の力で突破
自民党の竹下亘総務会長は13日の記者会見で「佐川氏に最終責任がある状況が明らかになれば(国会に)呼べばいい」と述べ、国会招致に含みを残した。公明党の山口那津男代表も国会招致に一定の理解を示している。一方で、任命責任を問われている麻生氏は13日の閣議後の記者会見で「原因究明と再発防止が大臣として与えられた仕事」と述べ、辞任の考えはないと重ねて強調した。
政権側は与党の「数の力」を背景に国会での予算審議を乗り切り、この問題が沈静化することを期待している。森友文書の「書き換え」は財務省内の問題と位置づけ、麻生氏ら政権幹部の責任論とは一線を画す狙いだ。
麻生氏の進退に火が付けば「政治責任を問う声に歯止めが利かなくなる」(自民党幹部)との懸念がある。今年は大型国政選挙がないとの見通しも世論を気にせず、強気の姿勢を後押しする。ただ、内閣支持率の低下など政権基盤が揺らげば、こうしたシナリオは崩れる可能性がある。
【シナリオ2】麻生氏が辞任
佐川氏の辞任だけで幕引きを図ろうとすることへの批判が高まり、国会運営に一段と行き詰まれば、麻生氏の辞任は不可避となる。
自民党内には麻生氏の進退と引き換えに、国会混乱で行方が懸念される予算関連法案の成立を野党が確約するとの見方もある。18年度予算案は参院送付後、30日で自然成立する憲法規定で年度内の成立が確定しているものの、予算関連法案にはこの規定がない。野党側の抵抗で「法案審議がとても窮屈になってきた」(自民党幹部)ため、成立の見通しは立たないのが実情だ。
もっとも、麻生氏の辞任は安倍政権の行方を大きく揺るがすことになる。麻生氏は第2次安倍政権発足時から副総理として政権中枢を担ってきた。日米経済対話の担い手でもあり、政権を去れば首相は内政・外交の両面で大きな痛手を負う。麻生氏は「余人をもって代えがたい」とされてきただけに、政権への打撃は計り知れない。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
籠池理事長の逮捕で一旦は鎮静化したように見えた「森友問題」ですが、ここに来て再び激しく燃え上がっていますね。今度は財務省が決裁文書を改ざんしたことがやり玉に挙がっています。
政治家ではなく、公務員である財務省がウソをついていたのが明るみになるというのは確かにスキャンダラスですね。
改ざんによって消されたのは「安倍昭恵首相夫人」「国土交通省北川イッセイ副大臣秘書官」「平沼赳夫衆議院議員秘書」
「鳩山邦夫衆議院議員秘書」といった方々です。昭恵夫人は利用されただけのような気もしますが、複数の国会議員秘書が森友学園のために土地売却価格を引き下げるよう財務省に圧力をかけてきたというのは異様に感じます。
ただ一方で、削除された内容の中に違法性がある行動はなかったように感じます。そもそも記載された時点で違法性のある言動は割愛されているわけで当然と言えば当然ですが、「改ざん」はもちろん良くないことではありますが、「改ざん」以外には今のところ新しいニュースはなさそうですね。
とするとこの改ざん問題がどこまで広がりを見せるのか、という点は現時点ではよく分かりません。新しいニュースがなければ報道されなくなり、意外とあっさり落ち着く可能性もゼロではありません。
しかし、恐らく今も陰ひなたで行われているこうした国会議員の「口利き」は徐々に縮小していくことになるのでしょうね。今回の騒ぎがそうした政治の自浄作用につながっていけばいいと思います。
さてこの「改ざん問題」の当面の争点は、麻生副総理が辞任するかどうかという点です。
佐川国税庁長官も責任をとって辞めたわけですから、さらにその上の上司である麻生副総理が辞任されることを予想するのは自然ですね。
上記の通り野党が攻勢を強めていることから予算関連法案の採決がかなり微妙になっており、そうした混乱を収拾するために麻生副総理が辞任するというシナリオは十分考えられます。
安倍総理からすれば苦渋の決断という事になりますが、ただ「余人に代えがたい」と言われているもので本当に余人に代えがたいものはありません。その点では意外とあっさりOKすることもあるのかもしれませんね。
そうなると気になってくるのが安倍総理が辞任するシナリオですが、今のところ安倍総理の責任を問う声は多数派ではないと思いますので、今回の件で直接的に内閣総辞職ということはなさそうです。
あるとすれば、内閣支持率が大きく下がるようなケースですね。それこそ麻生氏に失言があったり、新たな「忖度」案件が明るみに出れば、そういった展開も考えられそうです。
個人的には、過去最長の好景気を底支えし、株価を大きく引き上げ、デフレではない状態まで導いた安倍総理には任期を全うしてほしいという気持ちが強いですが、一体どうなるでしょうか?
ただ仮に麻生氏が辞任するとして、その後任に安定感のある人物=例えば、あり得ませんが石破氏のような方が選ばれれば、かえって支持率が回復する可能性が高そうです。
また内閣総辞職に至ったとしても、野党に人気があるわけではありませんので、再び自民党が勝利すれば「元に戻る」ことになります。
とすると仮に安倍総理や麻生副総理が辞任したとしても、今の経済政策や金融政策に大きな変化が起こることはなさそうですね。
預金者の立場から言えば、それは低金利も維持されることになりますので、素直に喜べないかもしれませんが・・・。
というわけで今回の読者アンケートは、「財務省の森友学園関連文書の改ざん問題で麻生副総理の進退が問われている状況ですが、安倍総理や麻生副総理は辞任すべきだと思う?思わない?」でいきましょう。投票は4月14日まで。
■【読者アンケート】財務省の森友学園関連文書の改ざん問題で麻生副総理の進退が問われている状況ですが、安倍総理や麻生副総理は辞任すべきだと思う?思わない?(4月14日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=334
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