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増税対策のプレミアム商品券、ポイント還元は有効?

執筆者: ginko 発行日付: 2018-10-24

まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日経新聞が実施した2018年銀行リテール力調査では、新規参入銀行であるイオン銀行が1位、メガバンクである三井住友銀行が2位、地方銀行である池田泉州銀行が3位とあまり傾向が見えない結果となりましたが、この結果に納得できる?」では・・・

1位:納得できる面もあれば納得できない面もある 44%

2位:納得できない 33%
3位:「店頭」サービスランキングなら納得できる 22%

となりました。1位は「納得できる面もあれば納得できない面もある」で約4割です。また3位は「店頭サービスランキングなら納得できる」というもので、思ったより「全否定」というわけではないですね。笑

もしかすると今回1位となったイオン銀行の評価がそれなりに高いのかもしれませんが、とは言いつつ銀行サービスの調査として圧倒的に信頼感が低いのは間違いありません。前回のコラムでも書いた通りですが、日経新聞としては恥ずかしくないのですかねぇ。

それなりの費用と人力を投下しての調査かと思いますし、金融機関のトップがこの結果に一喜一憂しているとすれば従業員にとってもいい迷惑ですね。ぜひ結果が安定するようにその調査内容を改めていただきたいものです。

ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは11月17日まで。

〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=482

〔前回のコラム〕
銀行リテール力調査、2018年の1位は?


 --- Ginkou ---

プレミアム商品券発行、軽減品もポイント還元
https://www.nikkei.com


政府・与党は2019年10月に消費税率を10%に引き上げるのに備えた景気下支え策として、額面を上回る買い物ができる「プレミアム商品券」を発行する検討に入った。キャッシュレス決済をした消費者へのポイント還元との二本柱で、増税に伴う経済の落ち込みを和らげる狙いだ。ポイント還元は税率を8%に据え置く軽減税率の商品も対象にする。

プレミアム商品券は購入価格に一定額を上乗せして買い物ができる商品券。低所得者対策の一環とし、購入できる人に所得制限を設けることも議論する。与党内からは、キャッシュレス決済のポイント還元は「効果の届かない人が確実にいる」との指摘が出ていた。

原則として、利用できる場所は発行元となる市区町村内に限定し、上乗せ分などの経費を国が負担する見通しだ。地域を限るため、地方の消費を刺激する効果がある。

過去には14年度補正予算で約1600億円の交付金を計上し、全国の自治体がプレミアム商品券を発行した経緯がある。

※抜粋

〔 出典:日本経済新聞 〕

 --- Ginkou ---

消費税の8%から10%への増税が1年後に迫りました。

今回は不要と思える軽減税率の導入や、なぜか新聞だけが軽減税率の対象となるなど、「政治のリアルさ」もとい「政治の醜さ」が如実に現れていますが、それくらい言い訳をそろえないと歴史的な高水準の支持率を誇る安倍政権でも乗り切れないということなのでしょうね。

筆者は財政再建を願う国民の1人ですので、増税には基本的に賛成ですが、ただ今回の増税だけではプライマリーバランスの黒字化すら達成できません

国民全体の金融資産は順調に増えているわけですから、歳出削減にもビシバシ切り込んでほしいものですね。

さてこれも増税にまつわる「政治のリアルさ=醜さ」と言えるのでしょうけれど、増税による消費の落ち込みを回避するために以下2つの対策が検討されています。

・キャッシュレス決済をした消費者へのポイント還元

・利用できる場所は発行元となる市区町村内に限定したプレミアム商品券

前者については「中小の小売店で消費者がキャッシュレス決済で商品を購入したときに、増税分の2%をポイントで還元する」という内容で、あくまで「中小の小売店」が対象である点と、「クレジットカードの利用」が想定されている点が注意事項となります。

ポイント還元は2%・・・インパクトはそほど大きくなさそうですが、消費行動に影響が出ますかねぇ。

少なくとも筆者は気にすることはなさそうです。

後者については前回の増税時にも導入され、1,200円の商品券が1,000円で購入できるなど、還元率は20%程度だったようです。実際、一定の景気浮揚効果はあったようですが

「単なる消費の先買い」

「継続な景気対策ではない」

「一時的な消費増で、来年には反動減」

と言った批判も根強かったようですね。事実、全体を見れば増税後の消費の落ち込みは確かにありましたので、抜本的な対策とはならなかったのは間違いありません。

結局のところこうした景気対策は「新たな需要を生むかどうか」にかかっています。新たな需要が生まれればその分だけ消費は「純増」しますが、そうでなければ上記の通り「単なる消費の先買い」ですね。

その点ではポイント還元やプレミアム商品券に新たな需要を生む力は・・・なさそうですね。もしかすると「消費の先買い」すら起こらないかもしれません。となると「単なる税金の無駄遣い」です・・・。

それでも今回やるというのはやはり「政府としてやるだけのことはやった」 というアリバイ作りが必要ということなのでしょうね。

ある意味、有権者をバカにしているとも言えますが、今後、安倍政権の支持率や、来年夏の参院選への影響がどうなるのか注目したいと思います。

支持率が下がって、再び「増税延期」なんてことにならないでしょうね・・・。

では今回の読者アンケートは、「増税対策として「キャッシュレス決済へのポイント還元」「プレミアム商品券」などが検討されていますがこうした対策は有効だと思う?思わない?」でいきましょう。投票は11月24日まで。

■【読者アンケート】増税対策として「キャッシュレス決済へのポイント還元」「プレミアム商品券」などが検討されていますがこうした対策は有効だと思う?思わない?(11月24日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=487



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