まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「日経新聞の世論調査によると、外国人労働者の受け入れ拡大について賛成54%、永住についても賛成が54%とのことですが、あなたは外国人労働者の拡大・永住に賛成?反対?」では・・・
1位:外国人労働者の受け入れ拡大についても、永住についても賛成 38%
2位:外国人労働者の受け入れ拡大については賛成だが、永住については反対 31%
3位:外国人労働者の受け入れ拡大についても、永住についても反対 15%
4位:外国人労働者の受け入れ拡大については反対だが、永住については賛成 8%
〃 :外国人労働者のスキルや適性、属性、日本文化への適応力次第 8%
となりました。1位は「外国人労働者の受け入れ拡大についても、永住についても賛成」で約4割です。穏当でリベラルな結果と言えますし筆者も賛同します。
ただ一方で2位の「外国人労働者の受け入れ拡大については賛成だが、永住については反対」
も約3割となっていて、「永住」に絞ればこのような回答結果になっています。
・永住に賛成 46%
・永住に反対 46%
・人物次第 8%
つまり賛成と反対が真っ二つに分かれているわけですね。
長い目で見れば文化的にも生物学的にも多様性が重要であり、メリットが大きいのは明らかです。そもそも我々日本人からして、ポリネシア系と中国・朝鮮系の混血のようなものですからね。
しかし短期的に見れば、外国人労働者の永住に伴うネガティブインパクトは結構ありそうです。自分と遠いDNAを排除しようとするのは動物の本能ですから、建て前や綺麗ごとだけではうまくいきません。
安倍政権が目指すような、表面的には移民と決して認めない「ステルス移民政策」によって少しずつ門戸を開き、我々有権者の意識が徐々に変わってくるのを待つ、というのが現実的なのでしょうね。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは12月7日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=497
〔前回のコラム〕外国人労働者受け入れに賛成?反対?
--- Ginkou ---
トランプ効果、まだら模様 米中間選挙巡り
https://www.nikkei.com
6日の米中間選挙では上下両院で多数派が異なる「ねじれ議会」となったが、トランプ大統領の視線はすでに2020年の大統領選での再選に向かう。中間選では反移民政策や経済成長をテコに保守層の支持を固める半面、支持基盤としてきた中西部の「ラストベルト(さびついた工業地帯)」では取りこぼしも目立った。
ただ、中間選と大統領選は根本的に異なるとの見方も目立つ。中間選の投票率は4割程度で大統領選(約6割)に比べて低い。中間選は大統領本人に投票するわけではなく国民の関心が下がりやすい。オバマ前大統領は10年の中間選の下院で戦後最大の63議席を失ったが12年の大統領選では再選を果たした。
※抜粋
米中間選挙、民主躍進の原動力は女性
https://www.nikkei.com
6日の米中間選挙で、下院で過半数を奪還した野党・民主党躍進の原動力は女性だった。9日時点で下院で当選した民主党の女性候補は共和党の13人を大幅に上回る87人に上り、共和党の牙城を相次いで突き崩した。CNNの出口調査によると、女性当選が「重要」との回答は8割を占め、トランプ大統領による女性蔑視発言への反発などが後押ししたようだ。
一方で、共和支持層のトランプ人気も改めて鮮明になった。米調査機関ピュー・リサーチ・センターの分析によると、保守的なキリスト教福音派の75%が共和候補に投票した。14年の中間選での支持率(78%)と同水準を保った。トランプ氏が選挙直前に心と体の性が一致しないトランスジェンダーを否定する政策や中間層を対象とした追加減税の構想を打ち出したことも奏功したようだ。
さらにCNNによると共和支持層では、トランプ氏の貿易政策が地元経済に「プラス」との回答が54%と「マイナス」(5%)を大きく上回った。中国製品への追加関税などによる貿易戦争は共和支持層の不満につながらず、米国の雇用を優先する方針を支持している。
トランプ氏の移民政策についても「適当」と「まだ弱い」との回答がそれぞれ60%、31%と保守層の支持を得た。トランプ氏は9日、不法入国者の難民申請を事実上拒否する方針を明らかにするなど強硬な不法移民対策を継続する見通しだ。
トランプ氏は中間選挙を20年の大統領選での再選に向けた通過点と位置づける。今後の選挙戦略を練る上で、16年の大統領選で番狂わせを起こしたトランプ氏の勢いが大きく失速していないことを確認できたのは大きな収穫となった。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
アメリカの中間選挙が終わりました。結果はトランプ共和党が上院で勝利した一方、野党民主党が下院で勝利し、「ねじれ議会」という結果に終わりました。
なぜ上院で勝利し下院で敗北するというねじれが起こるのかよく分かりませんが、上院の改選議席数はわずかでしたので、たまたま改選対象となった地域では共和党が強かったということなのかもしれません。
この結果を受けて、アメリカの内政、特に立法が伴う政策には民主党の協力が必要ですから、停滞するのは必至ですね。
ロシア疑惑などの捜査もさらに厳しくなりそうです。
ただ一方、外交や人事については大統領の権限が強く大きな影響はないようですね。とすると有権者の支持を引き付けるために、ますますアグレッシブな「貿易戦争」を仕掛けたり、強硬的な人物が政府高官として選ばれる、といったことが続きそうです。
とすると特に米中間の緊張はさらに高まっていくわけで、日本も無関係ではいられません。
こうした米中の関係悪化が、「短期的なトランプ劇場」なのか、「中長期的な覇権争い」なのかは識者の間でも評価が分かれているように感じます。
前者なら、短くて後2年、長くても後6年で終了することになりますが、後者なら延々と続いていくことになります。
果たして一般のアメリカ国民が中国に対する脅威を本当に感じているのかは疑問ですが、もしそうだとするとトランプ大統領の再選だけでなく、保守系の大統領の当選が続いていきそうです。我々は「アメリカ1強」から「米中2強」に移行する歴史の転換点にいるのでしょうか?
なおトランプ大統領がアグレッシブな外交戦略を続けるとすると、日本にとっての最大のメリットは「安全保障」ということになるのでしょうね。中国ににらみを利かせ、北朝鮮の非核化にも積極的に影響力を発揮してくれるのであれば、我々にとってこれほど心強い味方はいません。
他方で最大のデメリットは「保護主義」ということになります。何と言っても「アメリカの車を日本に輸出すると多額の関税がかかる」と平気でウソを言えてしまえる大統領ですからね。貿易不均衡に対する圧力がさらに高まっていくのは間違いなさそうです。
また米中の貿易戦争においても日本は影響を受けることになります。中国メーカーは日本の部品を大量に購入してくれていますし、日本のメーカーの工場も中国に大量に存在していますからね。
日本人としてトランプ大統領を支持するのかしないのか・・・意見が分かれるでしょうね。
そう考えると気になるのが、トランプ大統領の再選の可能性ですが、上記記事にある通り「今回の結果と2年後の大統領選挙は関係ない」「共和党支持者は引き続き大統領を支持している」とのことで「再選の可能性は十分あり」ということになるのでしょうね。
後は民主党の大統領候補にどういった人が選ばれるのか・・・注目です。
では今回の読者アンケートは、「アメリカでは中間選挙が終わり2年後の大統領選挙に目が向けられていますが、トランプ大統領は再選できる?再選してほしい?」でいきましょう。投票は12月14日まで。
■【読者アンケート】アメリカでは中間選挙が終わり2年後の大統領選挙に目が向けられていますが、トランプ大統領は再選できる?再選してほしい?(12月14日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=501
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
銀行.info メインメニュー