まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「スルガ問題などの影響でアパート融資は減速しているようですが、個人投資家として不動産投資は魅力的?魅力的ではない?」では・・・
1位:魅力的ではない 58%
2位:どちらとも言えない、分からない 33%
3位:魅力的 8%
となりました。1位は「魅力的ではない」で約6割ですね。昨今のシェアハウス問題などの逆風を考えれば当然だと思います。
ただ一方で、「どちらとも言えない」や「魅力的」と回答された方も残り4割おられるわけで、それでも需要や関心は根強いと言えるかもしれません。
確かに働かずして安定収入が入ってくるなら理想的ですね!
また旧来のお金持ちのイメージはやっぱり土地や建物をたくさん持っていることかと思いますので、そうした「憧れ」も背景にありそうです。
しかしながら世の中にウマイ話はありません。少なくとも言えることは4つだと思います。
1.ローンを組んで不動産投資をすると必ず損をする。
2.絶対儲かる物件を所有者や業者が手放すはずがない。
3.都心や駅近などの人口集積地以外で不動産投資をするとまず負ける。
4.不動産投資は最初はキャッシュフローがプラスでも後でマイナスになる。出口も含めたトータルの損益を計算することが必要。
10万円や100万円の損失であれば笑い話になりますが、1,000万円規模の損失は全く笑えません。不動産投資で人生を踏み外すことのないよう、慎重にご検討いただければと思います。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは3月13日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=581
〔前回のコラム〕アパート投資は魅力的?
--- Ginkou ---
みずほ信託、首位守る 金融機関ランキング 2位はセブン銀
https://www.nikkei.com
日本経済新聞社が三大都市圏の個人を対象に調べた日経金融機関ランキング(第15回)で、みずほ信託銀行が顧客満足度で2年続けて首位になった。2位はセブン銀行で前回8位から順位を上げた。3位はソニー銀行、4位はイオン銀行で異業種からの参入組が上位を占めた。
みずほ信託銀は品ぞろえへの評価が高かった。2017年に介護や見守りなどの生活支援サービス紹介を付帯した「選べる安心信託」を売り出した。18年には公的年金の給付がない月に一定額を分配する「100年ギフト」の取り扱いを開始。高齢化社会に合わせた商品展開でニーズを捉えた。
異業種参入組は利便性を中心に支持を得た。セブン銀はコンビニ以外にショッピングセンターや地下鉄駅などへのATM設置を進めた。ソニー銀は住宅ローンの事前審査に人工知能(AI)を活用して期間を短縮。イオン銀はイオンの買い物で特典が付くカードを展開し、顧客の囲い込みを進めた。
首都圏、中京圏、近畿圏で日ごろ利用している金融機関の満足度をインターネットを通じて聞き、男女4042人から回答を得た。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
さて毎年この時期になると、恒例の日経金融機関ランキングが発表されます。このランキングは「首都圏、中京圏、近畿圏で日ごろ利用している金融機関の満足度をインターネットを通じて聞き、男女4042人から回答を得た」結果を元にしているとのことですので客観的かつ公平・公正なはずです。
今回の結果はこういうことになりました。
■第15回日経金融機関ランキング/顧客の満足度評価(カッコ内は前回調査)
1位:(1位)みずほ信託銀行
2位:(8位)セブン銀行
3位:(5位)ソニー銀行
4位:(10位)イオン銀行
5位:(8位)住信SBIネット銀行
6位:(38位)SMBC信託銀行
7位:(19位)三菱UFJ信託銀行
8位:(3位)埼玉りそな銀行
9位:(19位)京葉銀行
10位:(27位)十六銀行
ただ残念ながら今回も納得感は低いですね。1位が2年連続ということで安定してきたことは評価できますが、その1位がみずほ信託銀行とは・・・関係者には申し訳ないですが全くピンと来ませんね。
銀行に求める普遍的な魅力は「金利」と「手数料」かと思いますが、そのどちらも全く見るべきものはありません。記事にはこう紹介されています。
・みずほ信託銀は品ぞろえへの評価が高かった。2017年に介護や見守りなどの生活支援サービス紹介を付帯した「選べる安心信託」を売り出した。18年には公的年金の給付がない月に一定額を分配する「100年ギフト」の取り扱いを開始。高齢化社会に合わせた商品展開でニーズを捉えた。
どちらもほとんど聞いたことがありません。後者についてはみずほ信託銀行のサイトを探してみても出てきませんね・・・。アンケート回答者がこれらの商品を利用している可能性は限りなくゼロかと思います。とするとやはりこのアンケート結果の信憑性が疑われますね。
実際のところ2位以下を見てみると順位が大きく変動していることが分かります。4,000人規模のアンケート調査で結果が毎年こんなに変わるというのはまず考えられません。
あるとすれば調査対象のサービスが毎年目まぐるしく変わるような事態ですが、皆さんよくご存じのように銀行サービスに限ってはそんなことはありません。昨年の調査結果はこうでした。
■第14回日経金融機関ランキング/顧客の満足度評価(カッコ内は前回調査)
1位:(2位)みずほ信託銀行
2位:(33位)尼崎信用金庫
3位:(6位)大垣共立銀行
3位:(11位)埼玉りそな銀行
5位:(3位)ソニー銀行
6位:(24位)東京スター銀行
7位:(11位)新生銀行
8位:(4位)住信SBIネット銀行
8位:(14位)セブン銀行
10位:(1位)イオン銀行
10位:(15位)京都銀行
2位だった尼崎信用金庫や、3位だった大垣共立銀行、6位だった東京スター銀行、7位だった新生銀行、10位だった京都銀行の顧客満足度が1年で大きく下がるなんてことはあるでしょうか?絶対ないですね。
さらに当サイトで上位のオリックス銀行やじぶん銀行(現auじぶん銀行)、SBJ銀行、あおぞら銀行が全く出てこないのは不自然ですし、顧客数の多い楽天銀行やPayPay銀行が顔を出してこないのも不可解です。少なくともみずほ信託銀行よりは魅力的でしょうしね。
ではなぜこのような納得感の薄い結果になるのでしょうか?
シンプルで分かりやすい回答は
・日経新聞が恣意的に結果を操作している。
というものですね。 一昨年までソニー銀行が9年連続1位だったことを考えれば、「恣意的ではない」と考える方が難しいです・・・。要するにこのアンケートのスポンサーが、これまで9年間連続だったソニー銀行から、2年前にみずほ信託銀行に変わったということですね。仮に来年もみずほ信託銀行が1位ならその可能性はますます高まります。
ただまぁさすがにそれはないだろうとすると、考えられるのは
・毎年、評価基準をクルクル変えている。
・アンケート回答者が偏っている。
というものです。ただ後者については回答結果が「毎年大きく変わる」か、「毎年ほとんど変わらない」かのどちらかであって、今回のように「1位だけは変わらないけれど、2位以下は大きく変わる」というのは考えられません。
とすると前者の「毎年、評価基準をクルクル変えている。」 が正解となりそうです。
ではなぜ評価基準を変えているのでしょうか?仮に何等かの理由で1位のみずほ信託銀行に有利になるよう変更しているのであれば、やっぱりこの結果は「恣意的」だと言うことですね。
上記の通り「みずほ信託銀行がスポンサー」という陰謀説はさすがにないとすると、日経新聞社側として、「あまりに結果がバラバラだと全く信憑性がないので、1位くらいは上位を維持するよう配慮しよう」と言った忖度が働いている可能性はありそうです。
そうしたわけで、客観的な金融機関ランキングがどんどん減っていることは残念ですが、銀行ユーザーとしてはこうした恣意的にも思えるランキングに影響されないよう注意したいものです。
というわけで今回の読者アンケートは、「毎年恒例の日経金融機関ランキングでは、1位:みずほ信託銀行、2位:セブン銀行、3位:ソニー銀行という順番でしたが、あなたはこの結果に納得できる?」でいきましょう。投票は3月20日まで。
■【読者アンケート】毎年恒例の日経金融機関ランキングでは、1位:みずほ信託銀行、2位:セブン銀行、3位:ソニー銀行という順番でしたが、あなたはこの結果に納得できる?(3月20日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=586
思い立ったら、今すぐこの場で資料請求!
銀行.info メインメニュー