まずは前回の読者アンケートを振りかえってみます。前回の「2018年10月~12月期のインターネットバンキングでの不正出金は25件に留まるほか、銀行による補償率は100%となっています。それでもインターネットバンキングの利用は怖い?怖くない?」では・・・
1位:怖くない 73%
2位:セキュリティの充実度による 18%
3位:銀行による 9%
となりました。1位は「怖くない」で約7割ですね!
前回のコラムでご案内したようにインターネットバンキングを経由した不正出金の件数は減少していますし、仮に不正出金の被害に遭ったとしても、その被害のほぼ全てが補填されている点を踏まえれば「怖くない」と思うのも当然かと思います。
一方で2位の「セキュリティの充実度による」
というのも理解できる回答です。セキュリティレベルが高くて困ることはありませんからね。
さて2018年に被害件数が236件に減ってきたネットバンキングの不正出金ですが、同じように注目されてきた「オレオレ詐欺」の被害状況はこうなっています。
こちらは認知件数が16,493件、被害額が357億円と相変わらずの高水準ですね・・・。被害額がややピークアウトしたように見えるのは不幸中の幸いですが、認知件数はまだまだ多いです。
コンピューターを騙すより電話で人を騙す方が簡単というのは何とも残念ですし、騙された方々のことを思うといたたまれない気持ちにもなりますが、早く抜本的な対策が打たれることを期待したいと思います。
ではアンケートへの投票がまだの方は投票をお願いいたします。アンケートは4月20日まで。
〔投票〕https://www.ginkou.info/enquete/?p=606
〔前回のコラム〕インターネットバンキングは怖い?怖くない?
--- Ginkou ---
世界景気「悪化」25% 中国に懸念、9割超 景気刺激策に期待
https://www.nikkei.com/
世界景気の先行きに対し、企業経営者が厳しい見通しを示している。日本経済新聞社が26日まとめた「社長100人アンケート」で、世界景気の見通しを「悪化」とした回答は約25%と前回調査から倍増した。
アンケートは国内主要企業の社長(会長など含む)を対象に3カ月に1回実施。今回は4~19日に実施し、145社から回答を得た。
半年後(2019年9月ごろ)の世界景気の先行きを聞いたところ、「拡大する」との回答は37.2%と前回調査から18ポイント減少した。一方、「悪化する」は24.9%と同13.9ポイント増えて、初めて質問を設けた16年12月の調査以来、最も厳しい見通しとなった。
悪化の理由としては「中国景気の悪化」が最も多く、91.7%を占めた。19年の世界景気のリスク要因について聞くと(複数回答可)、これまでの調査では「貿易摩擦の深刻化」が最も多かったが、今回は「中国景気の減速」が77.2%でトップだった。
今後の中国景気の見通しを巡っては見方が分かれている。半年後の中国景気の先行きを聞くと「悪化」は39.3%で「拡大」(20.7%)を上回った。米中貿易戦争については、7割超の経営者が「マイナスに影響」と回答した。
中国の大規模な景気対策に期待する声もある。経済成長率の6%割れを避ける方針を受け、野村ホールディングスの永井浩二グループCEO(最高経営責任者)は「中国の大規模な減税、インフラ投資上乗せのほか、米国の利上げ停止措置で年後半には世界経済が持ち直し始めるのでは」と話す。
※抜粋
〔 出典:日本経済新聞 〕
--- Ginkou ---
昨年秋から年始にかけて世界的に株価が下落しました。これは主に金融市場が今後の景気減速を懸念したためですね。
確かに長すぎる景気拡大局面を俯瞰すればそろそろ景気後退期に差し掛かってもおかしくありませんし、そうでなくても米中貿易戦争やブレグジットなどの不確実性を踏まえれば弱気派が増えるのも当然のような気がします。
ただ一方で、中国で大規模な景気刺激策が発表され、ブレグジットも長期延期などのソフトランディングが志向されていることもあり、一時の弱気も薄まりつつあるように感じます。実際、足元では株価は回復基調ですしね。日経平均はこうなっています。
では経済の最前線にいる社長さんたちはどのような景気見通しを持っているかと言うと、上記の通り日経新聞の社長100人アンケートではこのような結果になったということですね。
見事に「悪化」と回答している人が増えているわけですね!加えて2018年の1回目調査をピークに徐々に景況感が悪化していっている点も、連続性も一貫性もあって極めて説得力を感じます。
こうしてみると浮き沈みの激しい株式市場より、こういった社長さんの肌感覚の方が正しい気がしますね。
やはりまだまだ今後の景気悪化リスクについて身構えておかないといけないということでしょうか。
ただ一方で、同じアンケートから国内景気の見通しに関する回答結果をチェックするとこうなったようです。
拡大が50%、悪化が12%ということで世界の景気見通しに比べて明らかに強気ですね!マジですか・・・。
日本では秋に消費税増税が控えていて一定のスローダウンは避けられそうにありませんし、外需が縮小すれば相応の影響が出てきそうですし、内需を支えているかもしれないインバウンド需要も(統計的には内需としてカウントされていないかもしれませんが)、世界景気が悪化すれば当然縮小します。
さすがにこれは楽観的に過ぎるような気がするのですがいかがでしょうか?希望的観測も含まれているのかもしれませんね。
というわけで、筆者の納得感としてはこの2つの結果は正反対となりましたが、しかし印象的だったのは当然ながら前者の世界景気の見通しの方です。
今年の世界景気がどうなるのか目が離せないですね。果たしてどうなるのでしょうか。筆者は全く分かりません(汗)。
では今回の読者アンケートは、「日経新聞の社長アンケートでは半年後の世界景気見通しについて悪化という回答が倍増する一方で、国内景気見通しでは拡大が過半数となるなど見方が分かれました。あなたの見通しは?」でいきましょう。投票は4月27日まで。
■【読者アンケート】日経新聞の社長アンケートでは半年後の世界景気見通しについて悪化という回答が倍増する一方で、国内景気見通しでは拡大が過半数となるなど見方が分かれました。あなたの見通しは?(4月27日まで)
https://www.ginkou.info/enquete/?p=610
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